終わらない全能戦闘
「す、すごい……」
諸刃さんが思わず感嘆の声を漏らす。
そう、今行われているのは常人には見ることすらできない雷撃の撃ち合い。
「〝永劫雷針〟」
ホントに一体いくつ技を持ってるんだ。
光速で飛び交う針を避けながら打開策を考える。
多分だが一度、一瞬、この雷撃にズレが入れば奴は動く。
しかしそれをどうするか……。
「逃げるだけかレプリカ!さっきまでの威勢はどこへ行ったんだァ!?おい!」
口煩い奴だ。
口……そうか!
バランスがあればできるかもしれない。
「この針は止まらないぜ!」
「止めるんだよ、バーカ!」
「あ?」
キィンッという金属音と共に口元に少し電流が流れた。
歯で針を止めたのだ。
「何ッ!?」
この針の攻撃は周りとの連携あってこそ強さを発揮する。
一つ止まれば他を弾くのも容易い。
「まだだ!走れ雷獣!」
地面を這うように、ものすごい速度で雷が近づいてくる。
それも二体。
だが、それがどうした?
その程度で偽者は死なないさ。
「弾け飛べっ!」
かざした手の先、雷獣が二体同時に爆発した。
「貴様、またそのような妖術を!」
妖術じゃない。
中学生……いや高校生?
まぁどちらでもいいが習う範囲だ。
水蒸気爆発。
多くの電力を持った獣のその周り、その一点を狙い水素を集める。
一つ一つでは微力な爆発だが……塵も積もればなんちゃらだ。
見事にドカンだ。
「くっそぉ!神雷弾!」
「僕のターン来ないんだけど?まぁ作ればいいだけなんだけど。雷千降剣」
僕の生み出した、雷の剣は神雷弾と呼ばれるソレを打ち消し降り注いだ。
「ぐ……うおおおおおおおおおおっ!」
僕勝ちだ。
やっとこの旅に終止符が……。
「〝全能〟」
背筋が凍るような感覚と同時に降り注いでいた剣が全て消し去られた。
「どういう……ことなんだ」
「ふっ、ぐぅ……ああぁっ!はぁはぁ……これを使うのは初めてだ。誇りに思え虫ケラよ」
あれは……魔導書か?
しかも三冊!?
「さぁ、バッドエンドを続けようか」
全能は全能であり全能を凌駕する。
つまり全能には敵わない。
ゼウスが振りかざした光の剣は、地に触れた瞬間に意識をも飛ばした。




