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学園の姫 シロ先輩

二話です、おかしなところがあれば指摘してください

しばらく火星単独の話が続きます

高等部の校舎は大小3つの校舎があり、文化部の部室が集まる二号館は一号館から少し離れた場所にあり、そこに行くにはグランドを突っ切るのが一番はやい、しかし、グランドでは既にサッカー部や野球部などの運動部のヤツらが練習を始めていた、さすがこの学校の運動部だ、グランドが部員であふれている。

「突っ切れそうにもないなコレ、野球部だけでも百人はいそうだ」

ソレでも、グランドを通ろうとすると通路近くでキャチボールしている野球部員に睨まれる、口では言わないが邪魔とでも言わんばかりの目線を向けて来る。

(うわっ、感じ悪ぃなこいつら、関わるのは止めておこう遠回りするか)

火星は踵を返したが、グランドだけではスペースが足りないのか周囲にはところ狭しと運動部員が練習に励んでいた

(突っ切るのは諦めて少し遠回りするか、行ったこと無いけどなんとかなるだろ)

そう決めて人通りが少ない裏道を通りニ号館へ向かった



これが悪かったのだ

「……迷った........................どうしよ」

我ながら恥ずかしい、一号館から裏道に入るとオカルトな集団が魔法陣を書いており、物音立てないようにして通り過ぎようとしたら、角が生えたマスクをした男に後ろを取られ驚いて、半パニック状態で走って居るうちに知らないとこに出てしまっていた。

(あれはあの男が悪いんだ、いきなり出て来やがってしかも2メーター近かったしな…)

星野学園は小中高大更に専まで付いた一貫校で、生徒の数も異常に多く、それに比例するように敷地も広大である。

ほとんどの生徒は初等部もしくは中等部から居るので、もし万が一敷地内で迷った場合も、学園の中央に立つ時計塔を目指せばなんとかなることを知っているが、火星はまだ中三の最後に編入しでから四ヶ月しか通っておらず、自分の教室と教員室の場所ぐらいしか分からないのだ

「完璧迷った.........」

地面に手をつき、落ち込んんでしまう

「そういえば志乃が.星野学園の名物は桜と祭と迷子だ、とか言ってたなぁ…」

道のど真ん中で丸まり火星は畜生、畜生、畜生.........と小さな声で連呼した

「あのう、大丈夫ですか?」

突然かけられた声で正気を取り戻した火星は顔を上げると、そこには絵本のお姫さまがそのまま出て来たかのような女生徒がベンチで本を片手に座っていた。

「あなたは?星野学園名物?」

今まさに火星は迷子なので、女生徒にこれまでの経緯を説明した。




「なるほど、部活見学しに行こうとしたら道間違えて来た事ない場所まで来ていたと、災難だったですね」

「ここで人に会わなかったらどうしようと思いましたよ、ええと貴方は.........」

「白雪、ここの高等部の二年生、シロでいいですよ」

どうやらこの絶世の美人は自分より一つ上らしい、本人がいいと言っていても年上には敬意を持たなくてはいけない

「いや、先輩じゃあだめなんスか?」

「じゃあシロ先輩ね、それよりも道聞かなくていいのですか?」

「そうだった!悪いっスけど道教えてくれないスか?」

「いいですけど、ただでは教えません~、私と勝負して勝ったら教えますよ」

(初対面の男に勝負を申し出るなんて、変わった人だな…断る理由も無いな)

「分かりました、何の勝負ッスか?」


「これです、やったことあるでしょう?」

白雪の座っているベンチにトランプがバラバラに散らされていた

「トランプですか?

「そうです、でもこのトランプはさっきまで占いしていましたから、スペードとハートの1から13までの26枚しか無いわ」

先輩はトランプを一枚づつ拾っていく

「神経衰弱ですね?

「そのとうり、最後にペアをより多く取れた方の勝ちってルールよ、シンプルイズベストです」

「オッケーっス、でも俺、勝負事には自信ありますよ」

「フッフッフッ、その日自信何時まで続くかしらねぇ」

トランプを片手に口元を押さえてフッフッフッと笑う先輩は少し不気味に見えた…

トランプを並べ終わり、ゲームは開始した、先攻は俺だ、パー出せば良かった。


(まずはテキトーにカードをめくるところから始めようか.........)

出たカードは4と8だった

「残念でしたねぇ♪」

「まだまだっスよ」

続く白雪は6と8、火星がペアを先取した

「取られました…」

白雪は肩をわざとらしく落として見せた、

「.........っ!」(ドキッとしちまったぜ‼)

火星はペアを取ったので再度めくる 3と11

(ペケかよってそう何度も当たらないか.........)

白雪の番も5と9 続く火星の番は11と6

(しまった!場所を覚え間違えてた⁉)

白雪の表情が明るくなり、ニコニコしている

「残念でしたねぇ、ホノオ君♪」

「ホノオ君って何スか?

「あだ名よ、あ、だ、名、 名前に火が二つあるからホノオ君です!」

テンションが上がっているらしく、シロ先輩は喋り方が変わっている。

白雪は場所が解った6、11のペアを引き当て、更に9のペア引き当てたので一気に火星との差を開けた、白雪は更に7、12をめくった。



(まずいな、今片方が分かっているカードは3・4・5・7・12の5つ、そして、俺は8のペアを、先輩は6・9・11のペアを取った、差を縮めないとな…作戦変更だ)

火星はまだめくられてないカードをめくった、まだ出ていない10だった、そして既にめくられた4のカードをめくった

「慎重になりましたねぇ」

白雪はまだめくられていないカードをめくり、2と3だった

「3がそろっちゃいました」

「ありがたくいただくッスよシロ先輩」

火星は3のペアをゲット、続いて4のペアをゲットし、わざと外して白雪の番に変わった


(同点だな…俺は3・4・8のペア、先輩は6・9・11のペアをゲットしている、それに片方が分からないカードは5と10、あと12…)

白雪はカードをめくる…そのカードは12だった、白雪はもう一枚の12をめくり12のペアをゲット、さらに2を引き当てた、2は既に一枚出ている、白雪は2のペアを手にした

(本格的にヤバイな、ペアは13だから7ペア取れば勝ち決定だ、もし先輩があと2ペア取ったら負けだ…

「ホノオ君の番ですよ?」

白雪が火星の顔を覗き込みながら言う

「オッス、今やるッスよ」

(と、行ってもここで13が来ればおれのま負けじゃん‼クソヤベェ‼)

火星は恐る恐るまだ触れてないカードに手を伸ばす、シロ先輩がニコニコしながらこちらを見ている、カードを取り、ひっくりかえ「居たぁぁぁぁぁああああああああ‼」

突如向こうの方から、男子生徒と女生徒が大声で叫びながら走って来

て、白雪の前で止まる。

「先輩、探しましたよ」

男子の方が、息を整えて白雪に話かける

「あら?今日は活動日じゃないハズ.........

「ぜぇぜぇ、朝に、ゼェゼェ、今日は、ゼェ、集合ですって、ゼェゼェ、言ってました、ゼェゼェゼェ」

女子の方は息が絶え絶えで、玉のような汗をかいている、男子が手に持っていたタオルを奪い取り汗を拭き始める

「そういえば、そうでしたわざわざありがとうございます、ホノオ君、悪いですが、勝負はお預けでいいですか?

「ああ、ハイ、ソレでいいですよ?

何故か上がり調子の返事をしてしまった

「ホノオ君、勝負楽しかったですよまたしましょうね?

それではと挨拶してから、シロ先輩走りさってしまった

「ほら、早くいきますよ」

「ちょっとタイム、ゼェ、今から走るの地獄だから、ゼェ」

「仕方ないですね、歩いて行きましょうか?」

男子生徒は女生徒に肩を貸しながら歩いて行った

(……シロ先輩トランプ忘れて行ったな...............)

「って、帰り道聞いてねぇええええええええええええ‼」

辺りに火星の叫びがこだました。




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