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彼女は僕のお姫様(もとい魔王様)  作者: 一葉
3章:(仮)なんか学院の仕事に推薦されました
18/18

16.『護衛依頼』

久しぶりの投稿です・・・

設定などを練り直して、だいぶ中身が詰まってきたと思います。

頑張る予定ですのでお付き合いいただけたら幸いです。

次の日の昼前、クライフは魔導学院に来ていた。

門番に訪問の旨を伝えると、ヘイゲル先生から指示があったようですんなりと中へ通された。

職員棟の受付で再び問うと一つの教室へ案内された。

ドアの上には「史学準備室」と書かれた札が掲げられている。


「ヘイゲル先生って史学が専門なのか?」

と呟きながらドアをノックした。


すぐに「どうぞ~」という軽い返事が返ってくる。

「失礼します」と一声かけて部屋の中へと入って行った。


チラっと全体を見通すと、中は思ったより綺麗に整頓されていた。

史学と言えば資料や史料なんかが雑然と積み上がっているイメージがあったが、ヘイゲル先生はきちんとされているようだ。

肝心のヘイゲル先生はと言えば、正面のテーブルにお茶を用意している所だった。

2人分ある事から、恐らく門番から連絡が来ていたのだろうことが予想される。


「どうぞ、座ってちょうだい。」


「失礼します。」

と断ってから用意された椅子へと座る。

先生もお茶菓子を置くとクライフの正面へ座った。


「リセリアから聞いたんですが、護衛の依頼とか?」


「ええ。

 とりあえずお茶でも飲みながら話しましょうか。」


クライフも別段急ぐ事もないのでのんびりした手付きでお茶を一口飲んだ。

それを見てヘイゲル先生は口を開いた。


「うちの生徒が全員お金に恵まれているわけではない事は知ってるわよね?」


「ええ。

 リセリアから少し聞いています。

 地方都市の学校から推薦と言う形で来ている生徒はほとんどが一般庶民らしいですね。」


「そうなの。

 授業料と寮費はそれなりの成績を取っていれば国から補助金が出るわ。」


「でも、生活費まではそうはいかない・・・と。」

ヘイゲル先生の言葉をつなぐようにクライフが呟く。


「そう言う生徒はだいたい街中でアルバイトをして小遣い稼ぎをしているわ。

 でも、中には冒険者をして稼ごうと言う子もいるの。」


そこで、カップに口を付ける。


「他にも、授業で習った事を実戦で試すために冒険者になる子もいるわ。」


「なるほど。

 なので、1年のこの時期に実習をしようってわけですか。」


「そういうことね。」


一旦区切ってヘイゲル先生が続ける。

「で、本職の冒険者を護衛として雇ってるのよ。」


「正確には護衛とお手本ですか?」


「ええ。

 野営の仕方や野獣の討伐なんかを実際に見せてやって欲しいの。」


「・・・一つ質問があるんですが、よろしいですか?」

少し考えつつ口にした。


「ええ、どうぞ。」


「実習の場所と生徒の数を。」


「場所はベルン平原の北西部で、参加する生徒数は55人よ。

 生徒は6人ずつパーティを組んで行動してもらう予定にしているわ。」


「なるほど。

 あそこなら、平原、森、川の地形が数時間の行動範囲内にあるし、危険生物もいない。

 実習としては悪くないな。」


「質問はそれだけ?」

ヘイゲル先生が軽く首を傾げた。


「実績のあるイベントのようですから、後は当日に確認で問題ありませんよ。」


「それで、受けて貰えるのかしら?」


「構いませんよ。

 ただ、個人的には、こんなゆるい内容で実習になるのか疑問ですがね。」


「いいのよ。

 それ以上は個人責任だからね。」

クスクス笑いながらヘイゲル先生が応える。


「正式な実習日が決まったら連絡するから。

 ルーベンスさん経由で構わないかしら?」


「そうですね、それが早いですね。」


それからはお茶をご馳走になりつつ世間話をしていたが、授業の時間になり解散となった。

ヘイゲル先生によると、実習日までそう日がないと言うことだった。

単純に護衛が一組足りずに足踏みしていただけだったからだ。

そのため、クライフは1日で終了できる依頼をこなすかリディエールに稽古をつけるかして過ごしていた。


連絡が来たのは3日後。

2日後に出発と言うことで、リセリアから詳細が報らされてきた。

準備は既に万端だったので、いつも通りに過ごしたクライフでした。


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