表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

戦争と人々と思いと……。

戦争は人を救えない

作者: 赤神裕

今回は少しリアルじみたものを書きました。戦争の事について少しでも分かってもらえたら……。それでは、どうぞ。

「まったくバカな人だよ、あの人は」

 おばあちゃんが椅子に座りながら急に話し始めた。何事かと思い振り返ると、椅子の上で編み物をしているおばあちゃんの姿があった。メガネをかけていて補聴器も付けている。目も耳も戦争のせいで悪くなったのだと聞かされていた。

「あたしはね、あの人がした事はこの国を救おうとしたことなのだから責めやしないよ。だけどね、戦争に行き戦争が原因で亡くなってしまったのは許せないね」

 おそらくおじいちゃんの事を言っているのだろうと僕は思った。おじいちゃんは僕が生まれる前に戦争の傷が原因で亡くなった。丁度僕が生まれる三年前のことらしい。だから僕はおじいちゃんの事を写真でしか見たことないし、どんな性格なのかもわからない。優しかった。ただそれだけしか聞いていない。おばあちゃんは編み物をする手を止めた。そして僕の顔を見る。

「あんたは、優しく強い子になるんだよ? ケンカはしてはダメ。戦争がおこりそうだったら真っ先にそれを否定しなさい。おじいちゃんはそれをしなかったから、後に後悔したの。戦争は繰り返してはならないの」

 当時の僕にはまだ何のことか解らなかった。だけど、今になってはっきり分かる。戦争―――。

それは人を傷つけ愛す人をなくし帰る場所さえも奪ってしまう残酷なもの。戦争まで行かなくともケンカは戦争の序章となる。同じように大切なものをなくしてしまう。それを見つけられなくては残るは絶望しかない。今、僕の頬を涙が伝う。それは悲しいからではない。自分が醜いからだ。人生を放り投げ自殺しようとも考えたあの時の自分は一体何だったのだろうか。本当の自分ではなかったのかもしれない。

その後、普通の日常を取り戻した僕は優しく強い子になると誓った。

 とある絶望から這い上がってきた、夏の暑い日の事だ。

いかがでしたか?

戦争というものは決してなくなることはありません。本文にも書いたようにケンカも戦争の一つなのです。するなとは言いませんが、極力避けていただきたい。残るのは絶望のみですから……。


※このストーリーはフィクションです。登場人物は作者とは一切関係ありませんのでご了承ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 戦争=悪という固定概念は危険。 善悪の概念は万国共通ではない。 むしろ善悪の概念を国際社会に当てはめるのは,それ自体が紛争のタネになってしまう。
[良い点] 戦争への純粋な拒否感が伝わってきました。 [気になる点] 悪い点、というほどではありませんが、強烈と言えど事実のある側面に注視するだけでなく広範な視点を持つことも肝要と思います。
[良い点]  わかりますよ。おばあさん、貴方の気持ちが。 ……戦争は、とても、とても……悲しいものです。 [気になる点] 特にはありません。 [一言]  戦争は経済を潤す必要悪、この世からどんなに無く…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ