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現代ダンジョン奮闘記  作者: だっち
第3層“転” ゴブリン王

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第65話 魔素の展開②

是非、ブックマークか評価を。

私にガソリンをください!!

4日目。

魔素を外へ出せるようになった直哉は、次の段階へ進む。


『では、今日は私のサポートなしに魔素を広げてください。

私は魔素が留まるよう調整します』

「オッケー、わかった。

よし、いくぞ、広がれ……!」


魔素がじわりじわりと広がる。

『20センチメートル、26センチメートル……そうです』


「広がれー、広がってくれー、もっとだー」

『声に出さなくても大丈夫です』


「わかってるけど、声に出したほうが気持ちがまぎれるんだよ。

魔素の減りがやばい……」

『この3分間ですでに62パターンの波形に変化させていますが、留まる様子がありません』


「つまり……?」

『まだ糸口がつかめておりません』


「くっそ、がんばってくれよイチカ!」

『しかし昨日より魔素の出力が8パーセントほど抑えられています。

さらに少しずつ抑える量を増やすよう意識してください』


「わかってるけど、加減がむずい!!」

昨日とは違いイチカのサポートがないため、魔素を広げるのに神経をすり減らす。


休憩を挟みながら何度も魔素を展開させるが、この日は30センチメートルの壁を超えられず終わった。


* * *


5日目。

昨日はあまり進展がなかったが、今日もテンションが高い直哉。

昨日の特訓が終わった後、イメージトレーニングと称して、改めてあのアニメを見たのだ。


アニメでは無駄無駄言っていたが、そんなものはオラオラオラと跳ね返す所存である。

「よし、イチカ、今日も行くぞ!!」

『ええ、がんばりましょう』


魔素能力者用訓練区画――

薄暗い洞窟の奥で、直哉は深く息を吸い込んだ。


昨日、30センチメートルの壁を越えることができなかった。

だが、今日は行ける気がする。


(昨日見たあれを思い出せ!

ぎゅいんって領域が広がるあの感じだ)

「……行け!」

『放出開始しました。

12……21……26……30センチメートル。

良い調子です』


直哉の額から汗が滴り落ちる。

「むぐぐぐぐぐ」

『32……34……37センチメートル突破しました』


「魔素の減りが……イチカまだ止まらないの!?」

『はい。

138パターン実施済みですが、まだ見つかりません』


放出し始めて11分超。

時間の経過とともに、身体の限界が静かに迫っているのが見て取れる。


指先は震え、握りしめた拳に力が入らなくなってくる。

「はぁはぁはぁ……もうだめだ」

『38センチメートル。

おめでとうございます、最高記録です』


「イチカの方は?」

『363パターン試すことができました。

その内、2つの波長で滞留する反応がでましたので、次はその2パターンで調整します』


「ちょっと進んだ、ということ?」

『はい、予想ではあと62分29秒で成功する予想です』


「今の調子だとあと4回、5回?

結構きついな……」

『がんばって感覚をつかみましょう。

この調子であれば、高校2年生の間に、魔素領域を作る入り口に立てる可能性が高いです』


「……わかった!

今日こそ、次の段階に行くぞ」


洞窟の空気はひんやりしているのに、直哉の体は熱を帯びていた。


* * *


20日目、洞窟にて。

夕方の冷たい空気が流れ込む頃――


「……っ、できた……!」


直哉の周囲、半径1メートルほどに淡い光の魔素が広がった。

『おめでとうございます、1メートルに到達しました』


「やっとかーー!」

歓喜の声が洞窟に反響する。だが次の瞬間――

『あ、気を抜いては……』


バチュン、という音と共に魔素が霧散する。


「おっと……

へへへ、でもようやくできたな!」

直哉は肩で息をしながらも笑みを浮かべる。

ようやく形になった達成感が胸を満たしていた。

『そうですね、これで下地が揃いました。

あとは概念を追加するだけです』


「概念か。

これって他と一緒なんだよね?」

『ええ、そうです。

魔素が実現したいという強い意志に反応して、現象を起こします。

ただし現象の難易度によって、魔素の必要量が決まります。

時を止めるのならば、相応に必要になるはずです』


「だよなー。

どのくらい必要になるんだろうなぁ……」

『それは実戦で確かめていくしかないでしょう。

ただ、今までの技の中では一番消費量が多くなると想定したほうがよいです』


「そろそろ実戦で試すのはどう?」

『はい、よいと思います。

ですが、まだ発動に時間がかかっているので、第1層での実戦を推奨します』


「わかった、久々にスライム相手にするか。

とりあえず今日はもうちょっと練習して、明日から実戦だな!」


瞬閃四連撃(アクセル・バースト)の次のステップを見据えて、気合を入れ直すのであった。

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