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現代ダンジョン奮闘記  作者: だっち
第3層“起” 魔素能力者

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38/42

第36話 砦攻略戦 ― 城壁

是非、ブックマークか評価を。

私にガソリンをください!!

朝の空気は澄み切っていて、肌を撫でる冷気が妙に心を引き締める。

さて、改めて現状のステータスをまとめてみよう。


レベル:0→7→11

体力:10→26→37(44)

筋力: 8→27→38(46)

敏捷:10→31→45(54)

器用: 9→20→30(36)

知力: 7→18→28(34)

特殊能力:現象伝導フェノメナル・リンク時穿つ瞳(クロノス・ハック)

内在魔素:0→79→175

内在魔素イチカ:72


一番左がレベル0の時。真ん中が第3層に初めて入った時のだ。

最期のが現在の数値で、括弧が身体強化を使った数値。

こうやってみると、第3層に入ってからステータスの伸びが大きくなってるな。

イチカの身体最適化の効果なんだろうか。


気がついたら車ぐらいの速度で走れるようになってるし、いろいろ人間を辞めている気がする。


とはいえ、これでも今回のレイドの中だと、真ん中ぐらいの実力らしい。

第3層で活動している探索者の上位はステータスはいくつぐらいなんだろう。


第3層の猛者たちと肩を並べるにはまだ遠いが、俺には俺の武器がある。

時穿つ瞳(クロノス・ハック)による時間認識の加速、敏捷特化の身体強化、そして――ヤスが作った発明品の数々。


(『心拍数が通常値より18%上昇しています。興奮と推定します』)

(そりゃそうだろ……1,000体って、もう戦争だよ)

(『呼吸を整えてください。過度な興奮は判断力を鈍らせます』)

(了解……でも、ワクワクしてるんだよな)


砦までの距離は――1.7km。

普通に走れば約2分で到達可能だ。


* * *


砦前の広場に、52名の探索者が整列していた。

第1部隊は特に重装備が目立つ。


その中でも異彩を放つのは――

軽自動車くらいある鉄板を2枚、両腕につけた男だ。

縦3メートル、横1.5メートルの巨盾が朝日に鈍く光り、まるで移動する城壁だ。

矢が弾け、火球が砕けても、彼は微動だにしないだろう。


(……あれ盾っていうより、もう壁だろ)

(『盾から魔石反応が伺えます。おそらく重量軽減の効果があると推察します。』)

(それにしてもだよ)


職員が前に出て、声を張り上げる。

「第1部隊に、魔石入りの装置を渡します!」

銀色の筒状の装置が手渡される。

「この装置を使うと、城壁に向かって**スロープが生成**されます!」


「バリスタの射撃や魔法は――各自で回避してください!」

その言葉に、全員が無言で頷く。

(……すげぇな。“各自で避けろ”って、当たり前みたいに受け入れるのかよ)


視線を横にずらすと、篠崎と火野がいた。

2人とも、戦闘前の興奮を隠しきれず、魔素を練り上げている。

篠崎の周囲には圧が渦巻き、火野の足元には風が集まっていた。

(……やっぱり、次元が違うな)


* * *


「作戦開始! 第1部隊、前へ!」

リーダーの号令と同時に、空気が震えた。

ドンッ! ドドドッ!

重装備のはずなのに、動きは速い。

第1部隊は時速40kmで城壁へ突進。

盾を2枚構えた男が最前列で進む姿はまるで戦車だ。


第2部隊、第3部隊、そして俺たち魔素能力者も続く。

砦が視界に入るまで、わずか数分。

石造りの城壁が朝日に照らされ、バリスタの影が不気味に並んでいる。


* * *


ヒュウウウウッ! ドガァン! ズガァァン!

矢が空を裂き、火球が爆ぜ、バリスタの矢が地面を抉る。

第1部隊が攻撃を集め、盾役が2枚の鉄板で矢を弾き、火球を受け止める。

衝撃で地面が震えるが、彼は微動だにしない。

(……人間じゃねぇだろ、あれ)


「スロープ、展開!」

銀色の装置が光を放ち、城壁に向かって斜面が生成される。

だが――

「さぁさぁさぁ、いくぜぇぇぇー!」

篠崎が吠え、魔素を爆発させて跳躍。

ズガンッ!

5メートルを超えるジャンプで城壁を飛び越える。

「まったく、世話が焼けるわね」

最上が呆れ顔で笑い、壁を駆け上がる。

その速度は風そのものだった。


(……化け物かよ)


俺たちはスロープを使う予定だったが、その瞬間――

「――ッ!」

視界に3本のバリスタ矢が迫る。

(やばっ!)


「蜻蛉飛び!」

足元に淡い光が浮かび、俺は空中へ跳躍。

――ギュンッ!

2段目の足場を踏み、軌道を変える。

3本の矢が地面を抉り、土煙が爆ぜる。


「もう1回!」

3度、4度と蜻蛉飛びを繰り返し、城壁より高い位置まで跳躍。

視界が開け、敵の隊列が見えた。


(『直哉、右側の隊列に隙があります。そこに飛び込んでください』)

「了解!」


俺はさらに蜻蛉飛びを繰り出し、城壁に向って突撃する。

「クリムゾンっ!!」

イチカが俺の掛け声に反応し、変幻武器タクティカル・フォージを起動。グレートソードモードにする。

バットにグレートソード状のエネルギーフィールドが形成され、巨大な剣が腕に収まる。

「うおおおお!」

空中で体をひねり、隊列の裂け目に突入。

ズガァァン!

薙ぎ払う一撃で、ゴブリン3体が吹き飛ぶ。


その瞬間、背後から矢が飛ぶ。

シュバッ! シュババッ!

松岡さんが同時に4本の矢を放ち、3体のゴブリンに命中。

(……やっぱりすげぇ!)


「ナイス!」

俺が叫ぶと、佐伯が笑う。

「お前こそ派手にやるじゃねぇか!」

「死なない程度にな!」

軽口を叩きながら、3人が俺の背後に布陣。

水城が前に出て、剣が閃く。


だが、周囲は敵だらけ。

ゴブリンの咆哮、矢の雨、火球の爆発――

それでも、笑い合う声が戦場に響く。

高揚感が胸を満たす。

(……これだ。これが戦闘だ!)


(『魔素残量87%。戦闘開始』)

「よし、ここからだ――!」


――砦攻略戦、開幕。

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