第31話 初めての夜襲
是非、ブックマークか評価を。
私にガソリンをください!!
* * *
前話では一見の登場人物に名前つけてもなと思って
筋肉男、といった感じで表現していましたが、ちょっとやりにくかったので名前つけました。
第1パーティー
真壁 = 騒がしい男で剣
夏目 = 女性で弓
中川 = 解説好きな槍
第2パーティー
宮本 = 第2PTのリーダーで剣
黒田 = 筋肉男で斧
荒木 = 筋肉男でハンマー
* * *
焚き火の炎が揺れ、岩壁に仲間たちの影が揺れた。
「見張りは3交代。最初2人、次2人、最後3人だ。
直哉は野営に慣れてないだろうから、最後に入ってくれ」
全員が短く頷く。
* * *
深夜。空気が冷え、焚き火が小さく明滅する。
俺、黒田、荒木の3人が岩壁の前で静かに立つ。
「静かだな」
「黒田、油断するなよ」
声だけで場が締まる。
眠気が滲んだ瞬間、地面を蹴る軽い音が遠くで跳ねた。
タッ、タッ、タッ――。
「……来る」
咆哮が闇を切り裂く。
「ゴブリンライダー!」
影が獣とともに飛び出した。
「黒田、起こしてこい!」
「任せろ!」
俺と荒木だけが前に残る。
(二人で時間稼ぎってマジ!?)
「ガーディアン!」
防御壁が膨らむ。
獣が激突し、鈍い衝撃が響いた。
「右!」
2体目が闇から飛び出した。
急いで2枚目の壁を展開し、衝撃が足元を揺らす。
(維持10秒。ギリギリだ)
「俺がいく」
荒木が踏み込み、ハンマーを振り抜く。
重い一撃が獣の顎を砕いた。
(パワー桁違い……!)
「直哉、下がれ!」
宮本の声。
全員が駆けてきた。
「煙幕!」
中川が叫び、俺は煙幕弾を投げる。
白煙が広がり、後衛の射撃が一斉に走った。
矢、剣、槍、斧、ハンマー――
一瞬でゴブリンライダーたちが沈んでいく。
静寂が戻った。
「まずまずだな」
真壁が剣を収め、宮本が「防御壁、良かったぜ」と短く評価。
夏目は親指を立てた。
* * *
朝。準備を整え、俺たちは岩壁地区の奥へ向かう。
空気が冷え、何度か戦闘が挟まる。
「ホブゴブリンが多いな」
「結構奥まできたからな」
俺は防御壁で突進を止め、
無限拘束で捕縛する。
仲間が次々と仕留めていく。
(この臨時PT、めちゃ動けるな)
洞窟の入口に着く。
「この先に鉱床がある。純度は高いはずだ」
宮本が振り返り、簡潔に言う。
「鉱床……?」
「大量の魔石が眠ってる場所だ」
中川が補足し、
「代わりに縄張りモンスターも多いから、戦闘もそれなりってね」
真壁は笑って剣を担ぐ。
* * *
洞窟に入る。湿気が濃く、音が響く。
「視界悪いな」
宮本が前を見据える。
「ライト使う?」
夏目がスマホを出すが、中川が首を振る。
「敵に位置を晒すだけだ。暗視で行く」
「俺、そんなスキル……」
言いかけた俺に宮本が魔石を見せた。
「額に当てて願え。『暗闇でも見える』ってな」
実演してみせると、微かな光が瞳に宿った。
「こうだ」
俺も魔石を額に当てる。
(見える……見える……)
視界がじわりと明るくなる。
「できた!」
「ただし八等級だから、効果は2時間程度だな」
宮本が続ける。
「短いんすね」
「切れる前に付与しろよ。
戦闘中に切れたら最悪だぞ」
* * *
奥へ踏み込んだ瞬間――
「……来る」
闇の奥から複数の影。
「ゴブリン群!」
真壁が剣を抜き、前衛が構える。
俺は閃光弾を投げた。
――バンッ!
白光が炸裂し、ゴブリンが叫ぶ。
「今だ!」
真壁の剣が、黒田の斧が、荒木のハンマーが、
中川の槍が、夏目の矢が――
一斉に敵を薙ぎ倒す。
(動き速すぎ! でも負けてられない!)
俺もゴブリンの膝を砕き、頭部を叩き割る。
奥ではマジシャンが詠唱していたが、
夏目の矢が額を射抜いた。
「ナイス」
中川が笑う。
* * *
「でかいぞ!」
ホブゴブリンが岩陰から現れた。
「ガーディアン!」
突進を防御壁で受け止める。
「維持10秒!」
俺の声に宮本が即座に指示を出す。
「前衛、押し込め!」
3人が同時に踏み込み、
斧、剣、ハンマーが肉を裂く。
「インパクト!」
(『了解しました。変幻武器モーニングスターモード展開』)
俺は渾身の一撃を振り抜いた。
――ズガンッ。
体勢を崩したホブゴブリンの首を、剛の斧が落とす。
「ナイスアシスト!」
宮本が親指を立てた。
(よし、今回はちゃんと活躍できた)
* * *
さらに奥。
空気が冷える。
岩壁の隙間から青白い光が漏れていた。
「……見えたな」
鉱床。
星空のように輝く魔石が岩壁一面に埋まっていた。
「うわ……」
「今回のは結構な規模だな」
中川が静かに言う。
夏目が写真を撮り、荒木はひとつの魔石を手に取り、じっと見つめた。
「よし、回収しよう!」
宮本の合図で全員が動く。
俺もバックパックに魔石を詰めた。
「高純度は売らないんだよね?」
「あぁ、高純度は武器強化に使ったほうがいい。
売るのは下級品だけだ」
中川が淡々と答える。
* * *
魔石を回収していくと、光は徐々に消えていく。
「撤収だ。出口まで気を抜くな」
真壁が剣を担ぎ、黒田が「飯食って寝たい!」と笑う。
外気が肌を撫でた瞬間、胸が熱くなる。
(『心拍数上昇しています。興奮度高め』)
(俺も砦イベントの準備しないとな)
(『そうですね、今日の立ちまわりなども振り返りましょう』)
(おう、駄目出し頼む!)
――砦攻略まで、あと少し。




