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現代ダンジョン奮闘記  作者: だっち
第2層 意識の芽生え

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第10話 3人の探索者と1人の本音

「……パーティって、どんな感じなんだろうな」


神谷直哉は、自室のベッドに寝転びながら、スマホでアニメを見ていた。

画面の中では、剣士・魔法使い・盗賊の3人組が連携してモンスターを倒している。

掛け合いもテンポも良く、見ていて爽快だ。


「俺の身体能力って、大分良くなってるんだよな……?」

ダン活アプリを開いてステータスを確認する。


レベル:5

体力:21

筋力:23

敏捷:20

器用:17

知力:16



「……うん、やっぱり強くなってる。前はこんな数字じゃなかった」

「イチカの最適化もあるし、今の俺のステータスって大分高いよな」


ふと、思った。

(もし、他の探索者と一緒に行ったらどうなるんだろう)


* * *


翌日、市役所のダンジョン課。


探索者登録窓口の一角に、臨時パーティ募集掲示板が設置されていた。直哉は受付に声をかける。

「すみません、臨時でパーティ組んでみたいんですけど、同世代の人っていますか?」


「はい、ちょうど今、同じく高校生の探索者が2人来ています。臨時登録でよければ、すぐに組めますよ」

「お願いします」


こうして、直哉は2人の探索者――佐藤ユウタと林トシオと臨時パーティを組むことになった。

どちらも男子高校生で、探索歴は1年ほど。レベルは3と4。


装備は、近所のホームセンターで購入したものだろう。

ユウタはバールを手にしており、トシオは大型のハンマーを肩に担いでいる。

直哉の金属バットと合わせて、打撃系の3人組となった。


探索前、3人は簡単な自己紹介と戦闘スタイルの確認を行った。


「俺はパワー型。ゴーレム系が得意だ」とトシオ。

ユウタは「俺は機動力重視。連携は任せてくれ!」


「俺は……まあ、前衛で殴るだけかな」

「じゃあ、連携重視で、各自自由に動いていい?」

「オッケー!」

「だな!」


* * *


第2層。3人での探索が始まった。

最初の敵は牙持ちモグラ。しかも、5匹が一斉に地面を掘って突進してくる。


「複数来たぞ!」

「バラけてる! 気をつけろ!」

ユウタとトシオが左右に展開し、直哉は中央に踏み出す。


「せいっ!」

一撃でモグラを沈める。

振り向きざまにもう1匹を叩き、さらに一歩踏み込んで3匹目を打ち上げる

残りの2匹はユウタとトシオがそれぞれの武器で対応している。


「……速すぎる……!」

「俺、まだ1匹目に構えてるのに!」


(イチカ、今の反応どうだった?)

(『直哉の動作速度は、彼らと比較して約1.4倍。筋力も同様です』)


(……そっか。俺、大分強くなったんだな)

自分の身体能力に、改めて素直に驚いた。


* * *


次に現れたのは鋼殻アルマジロ。

3体が転がりながら突進してくる。


「3体同時か!」

ユウタとトシオが身構えた瞬間、直哉が前に飛び出した。


「させねぇよ、縛っ(ばく)!」

無限拘束ジャック・イン・ザ・トラップメントを投げ、アルマジロの進路に網を展開。2体が網に絡まり、動きが止まる。


「せいっ!」

直哉は残る1体にバットを振り抜き、一撃で沈めた。


ユウタとトシオは、網に絡まった2体のアルマジロに向かい、それぞれの武器で連携して撃破する。


「神谷くん、倒すの速すぎっ!」

「……すげぇ、いきなり網でてきたし、一撃が完璧すぎる」


「神谷くん、あれ、何っ?」

「友達が作ったやつ。俺は使ってるだけ」


「それでもすげぇよ! こんなの見たことない!」


* * *


その後も、跳躍トカゲとの戦闘では、直哉が空中の敵を正確に叩き落とし、ユウタとトシオが地上で連携して仕留めるという流れが何度も繰り返された。


「神谷くん、空中の敵にあんなに正確に当てられるの、すごすぎるって!」

「いや、ほんと。俺たち、地上で待ってるだけになってるぞ」


「いやいや、連携できてるからこそだよ」


* * *


3時間後。


探索は無事終了。

魔石もそれなりに回収できたが、人数割りになるため最終的な魔石の数は少ない。

敵の数も少なく、スリルも控えめだった。


市役所の休憩スペースで、3人は戦利品を分配していた。


「いやー、楽だったな! 神谷くんが強すぎて、俺ほとんど横から殴ってただけだったかも」

「うん、いつもより敵がバンバン死んでってな。すげーな、神谷くん!」

「いや、こっちこそありがと」


ユウタとトシオは満足そうに笑いながら帰っていった。


直哉はポーチの中の魔石を見つめながら、静かに考える。

(……楽だった。でも、稼ぎも落ちたし、スリルもない)


『直哉の身体は、単独行動に最適化されています。

複数人での探索は、効率よりも制約が増える傾向があります』

「……だよな。まあ、試してみてよかったけど、やっぱ俺にはソロの方が合ってるかも」


『その判断は、経験に基づくものです。価値ある選択です』

「ありがと、イチカ」


直哉はポーチを閉じ、立ち上がった。

「よし、次はまた1人で行くか。……いや、2人か。俺と、お前で」

『はい』


* * *


こうして、神谷直哉は初めてのパーティ探索を終えた。


仲間との連携、安心感、そして物足りなさ。

彼の選択は、再びソロ――いや、イチカとの2人旅へと戻る。


次なる挑戦は、さらなる階層か、それともヤスの新発明か。


彼の物語は、まだまだ続く。

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