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水槽少女は立ち上がる  作者: きさきなのは


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6/7

「わあ...」

フローレスはテーブルいっぱいに並んだ料理を見て目を丸くした。


サラダやパンはもちろん、煮込みハンバーグやロティサリーチキン、グラタンといったメインディッシュから、アヒージョや生ハムとチーズの盛り合わせにといったお酒のつまみまで。


ガルドが腕を振るった豪華な料理はどれも湯気を立てて、食欲をそそる香りを放っている。

さすが勇者パーティー、量も桁違いだ。




「イムラ、カイ、フローレスもお疲れ様。


教会じゃ中々食えんだろうから肉料理中心に作ってみた。


いっぱい飯食って体力回復してくれ。」


ガルドがスープを豪快に皿によそい、配っていく。



「ガルドは、レストランを開くべき。」


フローレスが瞳を輝かせてそう言うと、ライオネルがすかさず止める。


「ダメだぞ。俺がガルドの料理にほれ込んだんだから」


ライオネルがニシシと笑う。


「それに体力回復効果抜群なんだ。ガルドの料理は。」


ガルドが料理人なのに勇者パーティにいるのは理由がある。


彼のユニークスキル――「シェフのきまぐれ」。


料理によって、体力回復、魔力回復、状態異常回復など多様な効果を付与できる唯一無二の能力だ。

普段はタンカーとしての役割から戦いの支援、罠の解除、簡単なアイテムの製作など色々と器用にこなすことが出来る。


司祭やヒーラーは強力であるが故に他の戦闘能力に劣ることが多い。単純なダンジョン探索などならまだしも、魔王を倒すためにはそんなお荷物を抱えてはいられない。


ガルドがいるおかげで勇者と戦士、魔術師を入れた高火力のパーティが成立していると言っても過言ではない。



「お腹すいた!!!もう待ちきれないよーーー!!!」


ミアがフォークを握りしめて叫ぶと、ガルドは笑いながら飲み物を用意する。

ミアは慣れた手つきで全員のグラスに飲み物を注いだ。


「それじゃあ、みんな今日はーーー!!!」



「「「「「おつかれーーーーーーーい!!!」」」」」


突然の大声にフローレスはびくっとしながらもみんなに合わせる。

ガチンとジョッキが重なり、グイッとお酒を喉に流し込む大人組。



そのうちミアがカイに絡み始める。


「ねーーーねーーー、そのお酒も一口ーーーー!唐揚げも食べさせてーーー!!!」


ピョコピョコと耳をうごかしながらカイになだれ込むミア。上目遣いで大きく口を空けた姿が無防備でとても可愛い。


「もうアンタは、だからいつも飲みすぎないでって言ってんでしょーが!」


と口では言いながら、カイは苦笑しつつも嬉しそうに、唐揚げをつまんで食べさせてやる。


ミアはお酒を飲むと少し幼児退行して甘えたになる。

そのことを知ってから、毎回カイはちゃっかりと隣を確保している。


一方――

フローレスは夢中でパンを齧り、グラタンを飲み、目をキラキラ輝かせていた。


「ガルドの、ごはん……おいしい……すごい……しあわせ……!」


その無垢な反応に、ガルドは照れくさそうに鼻をかいた。


「そんなに喜ばれると、作った甲斐があるな。サラダも食えよ。」


「それはや。」





デザートが出てくる頃、外のテラスではライオネルとイムラが腰を下ろし、夜風を吸い込みながら煙草に火をつけていた。

「教会から指令を受けてな。しばらくお前らに同行しろと。

……まあ、あの嬢ちゃんがいれば俺の力なんか必要ないかもしれないが。」


ライオネルが煙を吐きながら言うと、イムラは小さく首を振った。


「宿に帰ってから、彼女は軽い熱を出していた。

今までの生活が生活だ。身体にも心にも負担が大きい。

だから、お前の力が必要だ。……よろしく頼む。」


ライオネルは火を指で弾きながら、空を見上げた。


「スタンピードが起きる前に対処しなければ。」

sスはテーブルいっぱいに並んだ料理を見て目を丸くした。


サラダやパンはもちろん、煮込みハンバーグやロティサリーチキン、グラタンといったメインディッシュから、アヒージョや生ハムとチーズの盛り合わせにといったお酒のつまみまで。


ガルドが腕を振るった豪華な料理はどれも湯気を立てて、食欲をそそる香りを放っている。

さすが勇者パーティー、量も桁違いだ。




「イムラ、カイ、フローレスもお疲れ様。


教会じゃ中々食えんだろうから肉料理中心に作ってみた。


いっぱい飯食って体力回復してくれ。」


ガルドがスープを豪快に皿によそい、配っていく。



「ガルドは、レストランを開くべき。」


フローレスが瞳を輝かせてそう言うと、ライオネルがすかさず止める。


「ダメだぞ。俺がガルドの料理にほれ込んだんだから」


ライオネルがニシシと笑う。


「それに体力回復効果抜群なんだ。ガルドの料理は。」


ガルドが料理人なのに勇者パーティにいるのは理由がある。


彼のユニークスキル――「シェフのきまぐれ」。


料理によって、体力回復、魔力回復、状態異常回復など多様な効果を付与できる唯一無二の能力だ。

普段はタンカーとしての役割から戦いの支援、罠の解除、簡単なアイテムの製作など色々と器用にこなすことが出来る。


司祭やヒーラーは強力であるが故に他の戦闘能力に劣ることが多い。単純なダンジョン探索などならまだしも、魔王を倒すためにはそんなお荷物を抱えてはいられない。


ガルドがいるおかげで勇者と戦士、魔術師を入れた高火力のパーティが成立していると言っても過言ではない。



「お腹すいた!!!もう待ちきれないよーーー!!!」


ミアがフォークを握りしめて叫ぶと、ガルドは笑いながら飲み物を用意する。

ミアは慣れた手つきで全員のグラスに飲み物を注いだ。


「それじゃあ、みんな今日はーーー!!!」



「「「「「おつかれーーーーーーーい!!!」」」」」


突然の大声にフローレスはびくっとしながらもみんなに合わせる。

ガチンとジョッキが重なり、グイッとお酒を喉に流し込む大人組。



そのうちミアがカイに絡み始める。


「ねーーーねーーー、そのお酒も一口ーーーー!唐揚げも食べさせてーーー!!!」


ピョコピョコと耳をうごかしながらカイになだれ込むミア。上目遣いで大きく口を空けた姿が無防備でとても可愛い。


「もうアンタは、だからいつも飲みすぎないでって言ってんでしょーが!」


と口では言いながら、カイは苦笑しつつも嬉しそうに、唐揚げをつまんで食べさせてやる。


ミアはお酒を飲むと少し幼児退行して甘えたになる。

そのことを知ってから、毎回カイはちゃっかりと隣を確保している。


一方――

フローレスは夢中でパンを齧り、グラタンを飲み、目をキラキラ輝かせていた。


「ガルドの、ごはん……おいしい……すごい……しあわせ……!」


その無垢な反応に、ガルドは照れくさそうに鼻をかいた。


「そんなに喜ばれると、作った甲斐があるな。サラダも食えよ。」


「それはや。」





デザートが出てくる頃、外のテラスではライオネルとイムラが腰を下ろし、夜風を吸い込みながら煙草に火をつけていた。

「教会から指令を受けてな。しばらくお前らに同行しろと。

……まあ、あの嬢ちゃんがいれば俺の力なんか必要ないかもしれないが。」


ライオネルが煙を吐きながら言うと、イムラは小さく首を振った。


「宿に帰ってから、彼女は軽い熱を出していた。

今までの生活が生活だ。身体にも心にも負担が大きい。

だから、お前の力が必要だ。……よろしく頼む。」


ライオネルは火を指で弾きながら、空を見上げた。


「スタンピードが起きる前に対処しなければ。」


二人の声は夜に溶けていった。







翌朝――

フローレスが目を覚ますと、身体に違和感があった。


(……視線が、ちがう。)


手足がすらりと伸びている。

立ち上がると、窓の外の景色がいつもより少し高い位置から見えた。

身長が、五センチほど伸びていたのだ。


これは――

彼女の内に眠る本来の力が、静かに目覚め始めている兆しだった。


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