表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/75

75.仕事始めだ。

「あれ?お嬢。日付間違えてない?」

「そう言う、オッチャンは?制服きちんと着てるし。」

よく見ると、手に漬物の箱がぶら下がっている。

船越と、署長である神代の好物の漬物だ。

船越の親戚が漬物屋なのだ。


 

 ========== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。

 神代宗佑警視正・・・京都府警東山署署長。チエの父。

 船越栄二・・・東山署副署長。チエを「お嬢」と呼んでいる。

 茂原太助・・・東山署生活安全課警部補。

 小雪(嵐山小雪)・・・チエの小学校同級生。舞妓を経て、芸者をしている。


 白鳥純一郎・・・チエの許嫁。京都府警勤務の巡査。実は、大前田警視正の息子。母の旧姓を名乗っている。

 弓矢哲夫・・・京都府警捜査四課刑事。警部。ひげ面で有名。


 中町巡査・・・茂原の交代要員だったが、そのまま勤務している巡査。

 楠田巡査・・・チエの相棒。

 大前田警視正・・・京都府警本部長。白鳥の父。

 船越紅葉・・・副署長の娘。巡査。結婚していたが、離婚して復職。

 遊佐圭祐・・・チエの幼なじみ。大学同級生。CATV『きょうとのテレビ』課長。


 =====================================


 午後1時。東山署。署長室。

 鼻歌を歌いながら、船越が入ってくる。

「あれ?お嬢。日付間違えてない?」

「そう言う、オッチャンは?制服きちんと着てるし。」

 よく見ると、手に漬物の箱がぶら下がっている。

 船越と、署長である神代の好物の漬物だ。

 船越の親戚が漬物屋なのだ。

「っははーん。オッチャン。正月早々、モミちゃんと喧嘩して、その漬物言い訳にして家出てきたん?」

「さすが、名刑事、暴れん坊小町。鋭い推理。で、お嬢は?」

「事件の記録簿の整理。普段、なかなか出来へんから。あ、チェック終った分、判子押して。そんならモミちゃんに言い訳できるやろ?」

 モミちゃんとは、離婚して『出戻り居候』の、船越の娘で、小町の要望で事務作業その他をやらせている。

「そやな。お嬢は、春に研修出向やサカイな。」

 チエは、年度が替わると、大阪府警に出向になる。さらに大阪府警からEITO大阪支部に出向が決まっている。

 後任があるかどうかは分からないが、チエはチエしか出来ない捜査手順、手腕で通してきた。取り調べ調書が一番厄介だ。外国語を含めて第三者に『翻訳』する必要がある。『公正な取り調べ』の為に録音もするようになったが、あまり役立てる者もいないし、検察に提出を求められるのは、ペーパーである。


 午後4時。廊下に出ると、小町が待っていた。

 2人がクレープ屋に行くと言うので分かれようとしたが、チエは「たまにはええやろ?」と引き留めたので、3人でクレープ屋に行った。

 クレープ屋は、ボックス予約制だった。

 そこへ、白鳥が来た。

「今まで、仕事手伝ってくれてたんよ。お礼に誘ってん。」

「チエちゃんは優しいな。」と、白鳥は笑った。

 雑談をしている内に、もめ事の原因が分かった。

 紅葉が昇進試験受けたい、と言い出したらしい。

「受けたらいいじゃない。僕が指導してあげるよ。いつもって訳にも行かないけど。」

「え?白鳥さんも巡査ちゃうの?」と、小雪が言うと、「違うんよ、小雪ちゃん。巡査部長受かったけど、白鳥君、辞退したんや。な、お嬢。」と船越はチエに同意を求めた。

 船越は、昔から神代と付き合いがあり、チエが乳幼児の頃からチエとも付き合いがある。

 それで、「オッチャン」「お嬢」と呼び合っている。茂原が「お嬢」と呼ぶのは、それを見て学んだのだ。

「その頃、お嬢はまだ巡査やった。ほら、クルマの後ろにシール貼るやろ。『お先にどうどす』シール。あれと一緒。で、あっと言う間に追い越し車線をずーん。」

「船越副署長、面白い。」と、小雪は手を叩いて喜んだ。

 そこへ、チエのスマホに電話が入った。

 チエはスピーカーをオンにした。

「ばらさん、事件か?」

「お嬢。烏丸御池のアパートで立てこもった男が火ィ点けよりました。」

「すぐ行く。」

「ほな、オッチャン、小雪ちゃん。後、頼むな。いくで、ダーリン。」

「はいな、あんさん。」


 2人は、急いで出て行った。

「「「はいな、あんさん?」」」

 船越と小雪は目を見合わせた。


 ―完―


 ※「はいな、あんさん」は、有名なマンガの台詞ですが、ネイティブ関西人は使いません。

 クライングフリーマン







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ