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65.暴走トラック

「島です。名神高速パーキングエリア付近で暴走トラックを見かけたという情報が入りました。京都市内方向です。」

「了解しました。」


 

 ========== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。

 神代宗佑警視正・・・京都府警東山署署長。チエの父。

 船越栄二・・・東山署副署長。チエを「お嬢」と呼んでいる。

 茂原太助・・・東山署生活安全課警部補。


 中町巡査・・・茂原の交代要員だったが、そのまま勤務している巡査。

 楠田巡査・・・チエの相棒。

 畑山紅葉もみじ・・・副署長の娘。巡査。亡くなった夫の姓のまま、復職。

 遊佐圭祐・・・チエの幼なじみ。大学同級生。CATV『きょうとのテレビ』課長。



 =====================================


 午後1時。東山署。会議室。

 芸者ネットワークのホットラインが鳴った。

 署長の神代が受話器を取った。スピーカーをオンにした。

「島です。名神高速パーキングエリア付近で暴走トラックを見かけたという情報が入りました。京都市内方向です。」

「了解しました。」

 神代が言うより早く、チエは飛び出して行った。

「栄ちゃん、浅川運輸さんに連絡取ってくれ。どこかで見かけたかもしれん。」

 神代は船越に指示してから、府警本部に連絡をとった。

「東山署の神代です。本部長に繋いでください。」


 チエは考えた。南インターチェンジで追いつくだろうか。

 署長で父親の神代のことだ。すぐに配備してくれるとは思うが。

 チエは焦った。だが、偶然幼なじみの遊佐から電話があった。

「遊佐君、今どこ?」

「琵琶湖大橋からの帰りで京都南インターチェンジのとこ。」

「そこで、待ってて。」

 パトカーはスピードを上げた。

「緊急車両が通ります!!」チエは必死にマイクに向かって叫んだ。

 午後1時半。京都南インターチェンジ。

 暴走トラックは通り過ぎようとしたが、出来なかった。

 タイヤがパンクして、バーストしたからだ。

 チエが、遊佐の撮影用の車の上から拳銃でタイヤを撃ったのだ。

 撮影用の車は色々あるが、選挙の街宣カーのように天井が『部屋』になっているタイプだ。

 トラックは横転した。パトカーも消防自動車も何台か来た。

 救急隊員が、ドライバーと、助手席の女性を救出した。

 2人が助け出された後、すぐにトラックは炎上した。

 あたりに、黒煙が立ちこめた。


 救急車に乗せられる前の女性を、四課の弓矢警部が確認した。

 救急車が出発した後、弓矢が言った。

「間違い無い。戸松組の身内、小山内都や。夫が戸松組の『鉄砲玉』や。カチコミのタレコミは、都の仕業。止めさせたかったんや。」

「すると、弓矢さん。ドライバーは大曲組のもんか。」

「そうなるな。」

 芸者ネットワークからの情報で『五山送り火』の警護に当たったチエ達だったが、その情報は、『カチコミ』を隠蔽する為の陽動情報だった。もしタレコミが無かったら、チエ達は、偽情報に踊らされる所だった。


 数日後。退院した大曲組員平井達夫は、東山署に送致されてきて、取り調べを受けるこことになった。無論、取調官はチエである。『初動』であったから、融通して貰ったのだ。

 午後3時半。東山署。取調室外。

 チエは、目が血走った表情で、弓矢警部と共に出てきた。

 弓矢は副署長の船越に「ええ勉強になりました。」と言い、船越と共に裏口に向かった。

 報道陣が待ち構えているからだ。正面玄関では、署長の神代が説明をしていた。

 楠田と紅葉が取調室に『掃除』に行った。

 戻って来た船越は、チエに優しく言った。

「後は、弓矢君の仕事や。お嬢も、お疲れさん。」

「チエちゃん、副署長さん、代子さんの親戚の喫茶店、出前もするようになったの。どうぞ、お食べ。」

 小雪がニッコリ笑った。

「茂原、中町。今日はオムツ要らんかったな。経緯は明日、会議で。」

 副所長の言葉に、茂原も中町も大きく頷いた。白鳥は、弓矢とともにパトカーで府警に向かった。

 皆、旨そうに出前のたこ焼きとコーヒーをおやつにして食べた。


 ―完―


「遊佐君、今どこ?」

「琵琶湖大橋からの帰りで京都南インターチェンジのとこ。」

「そこで、待ってて。」

パトカーはスピードを上げた。

「緊急車両が通ります!!」チエは必死にマイクに向かって叫んだ。


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