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47.梅は咲いたか桜はまだかいな

チエは、白鳥と、休暇を楽しんでいた。チエは水路閣のアーチや琵琶湖疎水を眺めるのが好きだった。

 ========== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。

 白鳥純一郎・・・チエの許嫁。京都府警勤務の巡査。実は、大前田警視正の息子。母の旧姓を名乗っている。

 茂原太助・・・東山署生活安全課警部補。

 中町圭祐・・・下鴨署からの転勤。巡査部長。

 楠田幸子・・・チエの相棒の巡査。

 小雪(嵐山小雪)・・・チエの小学校同級生。舞妓を経て、芸者をしている。


 =====================================


 ※京都府立植物園は、京都市街北部の平坦地に位置し、東は比叡山、東山連峰を望み、西に加茂の清流、北は北山の峰々を背景とした景勝の地にあります。

 大正6年(1917)に着工し、同13年(1924)1月1日に「大典記念京都植物園」として開園しました。

 平成26年(2014)には開園90周年を迎え、植物園が府民の憩いの場に加え、自然に対する親しみと敬いの心を育む、花・緑の活動の拠点として、また、学習・教育の場としての社会的役割がますます高くなっており、今後さらに増加し多様化することが予想される利用者のニーズに対応すべく、情報の提供や新たなプログラムの創設などさらなる内容充実をはかっています。 

 ※京都府立植物園 梅林

 古い時代に中国から渡来し、食用の実梅、観賞用の花梅として多くの品種が作られました。園内中央部にある梅林では、花梅を主に約60品種100本が2月中旬頃から3月下旬頃まで開花し馥郁ふくいくたる香りが来園者を迎えます。

 ※南禅寺の水路閣

 南禅寺境内にある琵琶湖疏水の水路橋です。境内の景観に配慮し、田邉朔郎が設計・デザインを行いました。レンガ、花崗岩造りのアーチ型の橋脚です。水路閣は、有名な観光スポットとして、多くの観光客が訪れています。レンガのアーチを間近に見ることができるほか、上部の水路に水が流れる様子も見ることができます。


 午前10時。南禅寺の水路閣。

 チエは、白鳥と、休暇を楽しんでいた。チエは水路閣のアーチや琵琶湖疎水を眺めるのが好きだった。

 突然、チエのスマホが鳴った。茂原だ。

「お嬢。今、どこです?」

「南禅寺の水路閣や。」「デート中に申し訳・・・。」

「こら。私を誰や思うてる。事件は?場所は?」

「場所は府立植物園。外人が、片言の日本語で『おみやーげ』とか言って、梅を折って持ち帰ろうとしたんです。それを見た日本人の観光客が、何とか説得しようとしたが、応じないので、110番したんです。」

「分かった。」

 チエはヘルメットを被り、白鳥の白バイの後ろに乗った。

『緊急走行』なので、白鳥はサイレンを鳴らして走った。

「緊急自動車の要件を満たしていないのではないか?」というマスコミ取材が度々あるが、白バイは公安委員会から「緊急自動車の指定」を受けている。

 自動車は4輪車であり、パトカーでないから緊急自動車ではない、というマスコミ特有の『思い込み』である。白鳥は、普段着の白いズボンと、制服の上着を着ていた。そして、いつもの白バイヘルメット。こういう場合は、想定内だ。

 チエ達は、約7キロの行程を約15分で走り、到着した。

 既に、何台ものパトカーが止まっていた。

 外国人は、アメリカ人と那珂国人だった。

 "What are you doing?"

 アメリカ人が日本語混じりで説明するが、日本語が怪しい。

 そして、那珂国人が那珂国語でまくし立て始めた。

 チエは、徐ろに携帯翻訳器を出して、こう言った。

「貴方の英語と、貴方の那珂国語、出鱈目な単語が混じっていて分かり辛い。まずは、署で話を伺おうか。それと、持っている枝は折ったものだから『器物損壊罪』が既に成立している。ここが、どこか分かってて、転売目的で盗んだよね。」

 チエは、英語と那珂国語で器械通訳させた後、同じ文章を諳んじてて発音した。

 そして、唖然としている2人に警察手帳を見せた。

 午後1時半。東山署。取り調べ室。

 室内から聞こえていた悲鳴が消えた。

 チエが出てくると、茂原がオムツを持って入って行った。

 待っていた小雪が、自販機横の電子レンジでハンバーガーを温め直した。

 この電子レンジは、置屋の女将の寄付である。

「今日は、念入りやったな、チエちゃん。」

「悪態つきよったから、五倍返ししたった。」

「ふふ。相手が悪すぎたな。」

 白鳥が、自販機でコーヒーを出し、2人に差し出した。

「おんなを怒らせると恐い。特に『暴れん坊小町』は。」

 白鳥の言葉に、「ダーリンのいけずう。」と、チエは膨れて見せた。

 3人は、何時までも笑っていた。

 ―完―



「おんなを怒らせると恐い。特に『暴れん坊小町』は。」

白鳥の言葉に、「ダーリンのいけずう。」と、チエは膨れて見せた。

3人は、何時までも笑っていた。


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