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37.巻き添え

「署長。東寺で、不審な男がうろちょろしているそうです。包丁を持って。」

「南署の事件やな。筋は通しておく。チエ、茂原と中町連れて行って来い。」と、署長は言った。


 ========== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。

 神代宗佑警視正・・・京都府警東山署署長。チエの父。

 茂原太助・・・東山署生活安全課警部補。

 船越栄二・・・東山署副署長。チエを「お嬢」と呼んでいる。

 白鳥純一郎・・・チエの許嫁。京都府警勤務の巡査。実は、大前田警視正の息子。母の旧姓を名乗っている。

 楠田幸子・・・チエの相棒の巡査。

 中町圭祐・・・下鴨署からの転勤。巡査部長。


 =====================================


 午前9時。東山署。会議室。

 芸者ネットワークのホットラインが鳴った。

 民間会社とのホットラインは、本来ならあり得ないことなので、府警の大前田と東山署の捜査員以外は知らないルートの『タレコミ情報』だ。

 副署長の船越が出た。

「署長。東寺で、不審な男がうろちょろしているそうです。包丁を持って。」

「南署の事件やな。筋は通しておく。チエ、茂原と中町連れて行って来い。」と、署長は言った。

 午前10時。東寺。

 チエが駆けつけると、被疑者の西出雄三は、大人しく両手を出した。

 中町は、手錠をかけた。

 チエが『暴れん坊小町』とあだ名されるのは、凶悪犯で逃亡の恐れがある場合のみだ。

 午前11時半。東山署。取り調べ室。

 茂原と中町と副署長で取り調べを行った。

 従って、廊下には『叫び声』は漏れなかった。

 西出は「兄を包丁で襲いました」と容疑を素直に認めた。

「兄は、徹底して、借金した私をなじりました。母は止めに入ったんです。みんな借金した私が悪いんです。」

 母親は救急搬送中に死亡、西出の兄、西出雄一は、前頭部に切り傷を負った。

 西出は、『殺人』と『殺人未遂』で起訴されることになるだろう。

 午後1時。取り調べ室の外の廊下。

 西出は、茂原と中町に付き添われて拘置室に移動した。

 西出は、チエに深々と頭を下げた。

「チエちゃん、お母さんのこと思い出した?」と、小雪がやって来て言った。

 チエの母は事件の巻き添えで亡くなったのだ。

 チエが警察官を目指した動機でもある。

「代子さんのお陰で、また助かったわ。」

 白鳥がやって来て、2人にたこ焼きを差し出した。

 自販機の場所で、立食パーティーだ。自販機は、昔の大きさのままで大きい。

 そして、自販機横には、ベンチがある。だから、厳密に言うと、立ち食いではない。

 昔は、灰皿があったそうだが、今は痕跡もない。

 副署長が出てきた。

「白鳥君、私の分は?」「あ、忘れてました。」腰を浮かした白鳥に、「冗談どえーーすうい!!」と、船越は無理矢理戯けて、3人はたこ焼きを吹き出しそうになった。

 ―完―



「チエちゃん、お母さんのこと思い出した?」と、小雪がやって来て言った。

チエの母は事件の巻き添えで亡くなったのだ。

チエが警察官を目指した動機でもある。

「代子さんのお陰で、また助かったわ。」


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