cosθ=1
おまたせ!
「あぁ。その問題か。その問題難しいよね。そこはね、二倍角の公式を使って…。」
日本で2番目の大学。国民からそう思われている大学に俺は進学した。1番目も別に入れない訳ではなかったし、担任の先生とかにはそっちを勧められていた。しかし、俺は世話をしなければいけない奴がいて、そいつが京都に行くと言うんだから俺にとって選択肢はひとつしか無かった。
「じゃあ、今日の授業はここで終わり。来週までにここからここまでやっておいてね。」
所謂、日本で2番目の大学。家庭教師としてのアルバイトの募集には直ぐに受かった。高校の頃から手間がかかる奴に教えてきた経験が活きる。難しい問題を噛み砕いて説明することは性に合っていたみたいだ。そういう性にさせられたのかもしれないが。大学生と家庭教師の二足のわらじは少し忙しいけど、忙しすぎないくらいには充実していた。サークルにも興味はあったが、自分の気を引くようなサークルはなかった。サークルとは言わば趣味の延長であり、俺の趣味は一人で完結するものだからわざわざサークルに入る必要はない。同じ学部学科の友達もできたし。同じ授業を受ける人達はお互いのために友人になるのだ。課題の提出期限などのアラートをお互いで鳴らし合うことで忘れることは無い。
「しかし、あっっついな。」
今はまだ4月末。明日からゴールデンウィークに入るという時期だと言うのに、夏のように暑い。盆地になっている京都という土地は熱がこもりやすく暑くなりやすい。夏休みになったら実家に避難しようと決意した瞬間であった。
琴葉はまだ帰ってこない。専門学校は朝から夕方まで高校のように授業が入っているようだ。その話を聞いた時は琴葉なんかがついていけるのか?と疑問にも思ったが、好きなことの勉強なら問題ないらしい。
でもなんだろう。大学生活って楽しいな。休み時間の度に色々とうるさいやつがいないし。時間的な自由も効きやすいから静かに過ごせる。これから喫茶店にでも言って小説を読もうか。うん。それがいいな。どうせならチェーン店じゃなくて、個人経営のオシャレなとこを探してみるか。暑くて重い空気とは裏腹に足取りは軽かった。
本日よりcosθ編始まります!
まぁ暫くは導入かなぁと思いますけど。




