sinθ≒0.682
午前の部のメインはトラック競技である。
トラック競技とフィールド競技は厳密には同時に進行することが出来るが、同時にやってしまうと応援する人員が分散するので、なるべく別で進行するようになっている。
陸上部員は自分のメイン種目は出ることが出来ず、例えばトラック競技をやってる部員はフィールド競技もしくはその逆に出場することが出来る。
とはいえ、陸上部員であることには違いなく。走幅跳をメインにしている部員は無論短距離走もはやい。長距離走はさすがに、バスケ部員やサッカー部員が強いが。
この後は、お昼休憩を挟んだ後午後のフィールド競技に入る。円盤投げや砲丸投げなどは野球部が活躍するだろうし、走高跳はバレー部などが活躍するだろう。各々得意分野で戦っている。クラスごとに部員の差があるのでその分得意な競技も差がある。各クラススペシャリストに託した形になっている。
「りんく〜ん。お昼食べよ〜。」
琴葉がなぜここに来たのかと言うと、そんなの勿論。
「あれ〜。たつ兄ここにいたんだー。たつ兄も一緒に食べよ〜。」
これである。たつ兄は今まで基本生徒会室でお昼ご飯を食べていた。クラスで食べると女子に囲まれるなどゆっくり過ごせないからだ。生徒会長を退いた今でも生徒会室を使っているし、今日もきっとここにいることを確信して琴葉は来た。
「おい。まだ元生徒会長ならいいが、完全に部外者じゃないか。」
「そんな野暮なこと言うなりんたろう。」
元生徒会長が何を言う!今は俺が実権を握ってるのだぞ!とは思いつつ、別に生徒会室と違って隠すものなどないのでまぁいいかとパイプ椅子を引く。
「どうしよう!箸忘れた!」
手で食え!って…え?なんでお昼ご飯がビーフシチューなんだ?確かに秋に入り、残暑も落ち着いてどちらかと言うと涼しくなってきたとはいえ。子も子なら親も親か。変人は変人が作る。というか。箸もクソもビーフシチュー箸で食えんだろう。
「そんな事もあろうかと、ちゃんと持ってきてるぜ。スプーン。」
いや。たつ兄よ。まだ箸を忘れるのを予測して予備を持ってくるのはわかる。しかしだな。スプーンて…。
「昨日の夜な。琴葉の家の前を通った時ビーフシチューの匂いがした。きっとお昼も持ってくるだろうと思ってな。」
謎解きはいいのよ。それにしてもいい匂いだ。現代のお弁当箱は進化している。朝に入れた内容物が暖かいままお昼ご飯として食べることが出来る。つまり、ビーフシチューの良い香りが生徒会運営のテントに広がる。こっそり母親へ今夜の夜ご飯はビーフシチューがいいと連絡してしまった。
体育祭で1位をとった褒美としては丁度いいだろう。あまり食べすぎると動けなくなるので、軽食で終わらせて体を動かし始める事にした。
昨日体調不良で更新できなかったので2話更新しちゃうよ




