sinθ≒0.669
後期体育祭。それは、究極の個人競技。各種目でのスペシャリストを決める。
「そんな、スペシャリスト。二階堂龍騎は、なれるのか!!」
変なナレーションをいれるな。
「だってだって。動いてるたつ兄を見れるのは今日が最後だよ!」
たつ兄は死ぬんか。
「たつ兄は走幅跳にでるみたいだけど、今回も喧嘩売るの?」
喧嘩は売ってない。
「俺は、走高跳にでる。たつ兄とは戦えないけど俺の得意分野でクラスの貢献しないとだからな。」
たつ兄も勿論高飛びが苦手という訳では無い。しかしながら、俺と身長差があり、そこでのアドバンテージを覆すほどでは無い。なにより、助走をつけるタイミングで注目を浴びることができる走幅跳はたつ兄の性分にあっているだろう。
「ちなみに、琴葉は何に出るんだ?」
全体的に運動はできないが、知識だけはある球技と違って、今回は陸上種目。つまり、知識だけではどうしようも無い、運動能力が試される。
「私?私は、障害物競走!」
なるほどな。障害物に妨げられる余計なものがついて…痛い!!!心を読むな!!
まぁ、せいぜい頑張ってくれ。俺は運営で忙しいからな。
「ちゃんと応援行ってあげるから。ちゃんと1位とってよね。」
無論。
開会式では、たつ兄ではない3年生に選手宣誓を頼んだ。たつ兄は怒っていたが、残念。もう俺が生徒会長なので。俺の挨拶?そんなの、程よく盛り上げつつまぁテンプレ通り。
たつ兄以外に挨拶を頼んた事で、まさかのたつ兄以外からのブーイングが起こってしまったがもうこの人卒業するんだからあなた達もファンクラブ卒業しなさい!存在することは聞いていたが、ほんとにファンクラブ会員がいるんだなぁとしみじみと感じた。
走高跳は午後の競技、それまでは運営に尽力しつついい感じにサボる予定だ。ずっと頑張ると疲れるだけだしね。走幅跳も、障害物競走も午後なので見に行きたい競技もない。さて、何しようかと。運営専用のテントでパイプ椅子に座り、どっかの晴れ女であると自称する誰かのお陰か雲ひとつない晴れた空を見上げるのだった。
そういえば、りんたろうと琴葉は2年生です。2年生は普通修学旅行あるからそのイベントがあると思うでしょ?残念。僕の母校は修学旅行が無かったのでそんな描写は描けないのであった。修学旅行代わりに林間学校だからってことで。




