sinθ≒0.630
陸奥第三高校文化祭も終了まで残り10分となった。終了まで10分ということは、迷路の攻略を時間までにすれば、1番上の賞品を得ることが出来る。片付けの時間もあるので、終了時間が来た時点で攻略できてない人は強制終了となる。まぁ、こんなギリギリに迷路攻略しようという人なんかいなんだけど。
「りんの記録は3分ちょいだっけ。じゃあ残り5分になってからでいいか。」
たつ兄は、1位以外興味が無い。俺の記録を抜かす以上の時間は必要ないのである。
「琴葉。最後に確認だが、特にルールとかは無いんだよな。」
「うん。頑張って!」
任せろと。背中向きでグッドポーズをする。残り5分となった。たつ兄は迷路の入口から10mほど距離をとる。助走?まさかあの人!
「よっしゃ!片付け楽にしてやるよ!!!」
走り出したたつ兄は迷路の一番最初の壁を飛び越え、パルクール様子で迷路の壁を乗り越えていく。奥に行き、見えなくなってからは、バキッだのボコッだの音が聞こえ、最後のギミックの壁をぶち壊し帰ってきた。ゴールしたたつ兄は、ふぅー。と息を吐き。
「さぁ。タイムは"何秒"だ?」
「…58秒です。」
1分切っていることを確信した秒数確認。ガッツポーズをするたつ兄。
「どうだ!琴葉!すごいだろ!」
「うん。たつ兄。すごい。めっちゃ早かった。」
どうだどうだと、ドヤ顔をしているたつ兄に琴葉は現実を見せる。
「でもね。たつ兄。しっっっっかく!!!」
「視覚?四角?vision?square?」
「違う!!失格!!!」
ちゃんと備品等壊さないようにくださいと。書いてあるのだ。
「なぜだぁぁぁ。ちゃんと俺は確認したぞ!!特にルールはないかと!」
「たつ兄。これはルールでは無い。モラルの話だ!!」
がーーんという効果音が聞こえてきた。と同時に、文化祭終了を告げるアナウンスが聞こえてくる。
たつ兄はロマン主義者である。目の前に壁があろうとぶち壊して最短ルートを目指すのがたつ兄のロマンである。この人なら腐った政治を壊すためにクーデターを起こしかねないなと、つくづく思うのであった。
年末年始はどう過ごすんだい!
僕は実家に帰るよ!!
更新ペースは守るようにしたいよ!!日曜日は休むけどね!




