sinθ≒0.574
迷路を攻略する正攻法として右手、もしくは左手の法則というものがあるのはご存知だろうか。壁に右か左の手をつき、壁沿いを歩くことで確実に迷路から出ることが可能であるというものである。これには明確な欠点がある。時間がかかるという点だ。しかも今回の迷路は立体的であり、この方法は不適切と言えるだろう。
それならば、この迷路どうやって攻略して見せようか。
「この迷路はとても複雑になっているので、行き止まりには宝箱を設置してある。その宝箱の番人がだす謎解きを解くことが出来れば迷路を抜けるヒントを与えてくれるだろう。」
迷路の入口にいる物々しい雰囲気の受付がそんなことを言っている。またこれも間違いである。今回、俺の目指すのは最速攻略であり、謎解きしている時間など無駄である。仕方ない…。使うか。ちょっと疲れるんだよな。
「次の挑戦者は、貴方ですか。くれぐれも命を落とさないように…。健闘を祈っていますよ。」
誰に言ってるんだか。入る前に元の体育館の構造を思い出しておく。そんなに頻繁に通う訳では無いが、体育や周回の度に来ていたので、苦もなく思い浮かべることが出来た。
よしっ。やるか。意識を体育館の天井に飛ばす。俯瞰視点で自分を眺め、行き止まりを避けていく。壁の構造と体育館の構造を照らし合わせる、そして多少のメタ読みを働かせながら迷路の構造を推測。最速で駆け抜ける。嘘嘘。走っちゃダメって言われてたから早歩きね。焦るな。ギャラリーへかかるハシゴをリズム良く登る。足を踏み外して時間を取られる訳には行かない。右。左。右。右。右。右。ふざけんな一周してんじゃねぇか。それにしてもよく出来た迷路である。攻略中の学生や、学外のお客さんの横を素早く通り過ぎる。普通なら迷ってもおかしくないなこれは。くそっ。頭働け。糖分が足りねぇ。こんな事なら甘いもの食べてくればよかった。確かワッフル売ってるとこあったな。後で仕事がてら行くことを決意。体育館の構造的にここを左に曲がれば。良かった。ゴールが見えた。早歩きする俺の目の前のゴールへの道が左の壁が動くことで塞がれる。。おいおい。そんなギミックまであるのかよ。進路を修正し、回り込む道を見つける。こんな難しい迷路の出口が見えた希望を全て壊すギミックとか…。可哀想にも程がある。
はい!ゴール!!タイムは?
「嘘でしょ…。この迷路力作なのに…。」
この迷路の考案者であろうか。
3分12秒
おおっ。たつ兄の誕生日じゃん。違う違う。えっと。賞品の規定タイムは。
5等:30分
4等:25分
3等:20分
2等:15分
1等:10分
まぁまぁか。半分以下で走破出来たなら充分だろう。
「りんくん。今から挑戦?」
「え?今出てきたとこだけど。」
「うそ…。私がトイレに行ってる間に終わらせたって言うの?まさかぁ〜。」
「琴葉ちゃん。それがね。ホントなのよ。」
名も知らぬ同級生が俺の無実を証明してくれる。
「壁壊した?」
いやそれも迷路の正攻法だけどー!!!!!
明日!!UNISON SQUARE GARDENのライブ行ってきます!!!
クリスマスに!!1人で!!!
新幹線で暇なので更新はしますよ。




