sinθ≒0.559
「そういえば、琴葉のクラスの出店はどんななんだ?」
美術部が暇だからって別に、クラスの方が暇な訳では無い。生徒会に入ってでもいない限り、クラスの出店をサボることは許されない。まぁ、うちの学校はみんなやる気だからそもそもサボるやつなどほぼほぼ居ないんだけども。
「私のクラス?なんだっけ。ええと。迷路だ!体育館全体使った迷路を隣のクラスと共同で作ってたはず。」
体育館全体を使った迷路だと??楽しそうじゃないか。
「ちなみに、タイムアタックもやってて規定タイムより早かったら賞品もあるよ。」
もちろん。最初の1回のみのタイムらしいが。これは唆る。迷路、謎解きは大好物の一つである。たつ兄は論理立てて推理を構築することが得意である半面、閃系の謎解きや運が絡むものは不得意な印象である。まぁ、俺と比べてなので他の人と比べたら得意なんだろうけど。
余談ではあるがヨットというゲームをご存知だろうか。ダイスを5つふり、出た目によって役を作り合計得点を競うゲームなのだが、要するに運に大きく左右されるゲームである。俺がたつ兄に勝てるゲームの少ない1つではあるのだが。琴葉と3人で勝負した時は、たつ兄が全敗していた。
結論、たつ兄はロマン主義者なのである。ヨットをやれば常にヨット(全部の出目が同じ。11111など。)を狙うし。一撃必殺技を沢山盛り込んで常に相手を一撃で倒そうとしたりと。つまり、迷路は運で道を決め、行き止まりに当たれば負ける。運良く行き止まらず、ゴールまで行ければめちゃくちゃ速いが。たつ兄は運が悪いので全部の行き止まりに向かうのが目に見えている。
「りんくん。付いたよ!いらっしゃいませ〜。」
「なぜ琴葉も付いてくるんだ?」
たつ兄はもういいのかと、暗に仄めかすと。
「実はね、私の担当時間10分前からなの。」
そうか。
「遅刻じゃねぇか!」
「(ノ≧ڡ≦)☆」
遅刻した琴葉は、クラスメイトに心配されていた。琴葉の事だから、迷っていたのか、人混みに巻き込まれそのままミキサーにかけられたようになったのでは無いかと推測されていたらしい。可哀想に。女子高生の心配のされ方では無い。
ははっ。全容を見た俺は笑うしか無かった。体育館全体を使った迷路は壮大で、体育館に設置されているステージやギャラリーなども使った立体的な迷路となっていた。
これは、ちょっと興奮してきたな。
令和ロマン2連覇えぐいなぁ。
バッテリィズは来年からが難しいだろうし。今年のヤーレンズみたいなね。
真空ジェシカは最終年までずっと出て欲しいから優勝しないで欲しいし。
ママタルトはデカすぎるにも程がある。




