sinθ≒0.515
「ほぐほぐほぐ〜」
これはたつ兄ではなく、琴葉である。見分けるポイントは食べたものの美味しさにテンションが上がっているところである。とりあえず口に含んでいるものを食べきってから話しかけろ。
「りんくん〜。やっと会えた〜。たつ兄は?」
「たつ兄は忙しいんだ。ほら見てみろ。今も全店舗制覇の為に走り回っているだろ。」
我が校は中庭があり、それを囲うように長方形に校舎が建っている。片側が教室棟でもう片側が実験室などがある棟になっている。ほぼ全面に窓ガラスが貼ってあり、中庭を挟んで反対側を見ることが出来る。今俺たちは4階の実験室棟。たつ兄は2階の教室棟を走り回っている。あそこら辺に確か。
「琴葉。今すぐあそこに行くといい。間違いなくたつ兄が相手してくれるぞ。」
ほんと?!と、ちょっと跳ねたあと走り出した。猫かな?なぜ俺が相手してくれるかを確定させたかと言うとだな。
「い〜やぁぁ〜。」
琴葉の断末魔が聞こえてきた。そう。あそこには毎年恒例のお化け屋敷があるはずなのだ。たつ兄が、お化け嫌いの琴葉を見つけて巻き込まないわけが無い。厄介払いと、嫌がらせを兼ねていい提案をしてしまったなははは。
美術部は文化祭の準備を手伝った代わりに、出店は作品展示のみとなっており、琴葉は暇だったんだろう。あのままではずっと付いてこられてたので、機転をきかせた俺に拍手を送ろう。
中庭では、軽音部のライブや演劇部の劇などが行われる予定である。今は放送部のラジオの時間だったかな。とにかく、今のところ大盛況と言ったところだろう。
たつ兄に話しかけようと学外から大勢のお客さんが来ているが、余りにも行動が素早いので誰も捕まえることが出来てない。話を聞いたところ、写真にうつるたつ兄は全て残像らしい。
おっと、中庭の演劇部の劇が始まるらしいな。ん???なんか中庭がすごい混雑しているが。うちの演劇部はそんなに有名だったかな…。と思いつつ激を眺めていると…。あれは…!!たつ兄?!?!それも看板とおなじ姿をしている…。あの人まさか!
今週末はM-1ですね。僕は真空ジェシカとママタルトを応援しています。
まーごめ。




