sinθ≒0.485
体調不良で仕事休んで1日寝てしまっていました。
遅くなり申し訳ない…
「私がやりました…。」
思ったよりも早く引き下がったな。たつ兄の指示で当直の先生を調べた時点でかんたか先生が犯人であることは分かったが、その考えに至る早さはさすがと言える。
「琴葉。そこにいるんだろ。出てこい。」
たつ兄に言われると、職員室の扉の裏に隠れていた琴葉がちょこちょこっと出てくる。巣穴から出てくるリスにしか見えない。たつ兄の横に立つと、たつ兄からチョップを食らった。
「痛い!たつ兄が暴力なんて…。」
「琴葉。現況はお前なんだ。もちろん神田先生は器物破損で刑事事件レベルではあるが、授業中居眠りをし、説教から逃げるなんて、我が校の学生として恥ずべき行為である。」
「だって…」
「だってじゃありません!!」
おかんか。しかし、たつ兄の言い分が正しいことはこの場にいる人全員がわかっている。
「神田先生。ここは穏便に済ませませんか。子供っぽいかもしれませんが、お互い謝って。」
ごめんなさい。とまるで親に怒られたあとの子供たちのように見える。心做しかかんたか先生のサイズが小さく見える。たつ兄と変わらないくらいの身長のはずだが。
「さぁ。これで解決。とは行かないですよね?校長先生。」
いつのまに!!というような顔をするかんたか先生。琴葉ははてなマークが頭に浮かんでいる。きっと、このおじいちゃんは誰なんだと思っているところだろう。そうそう。たつ兄のセリフを頭の中で反芻させて、びっくりする。ははっ。琴葉の行動は簡単に読めるぜ。
「そうだな。二階堂くん。この度は神田先生が迷惑をかけた。彼には看板製作の手伝いを、土日献上で行ってもらおうか。もちろん。材料調達からね。」
「寛大な措置に感謝します。」
「あと、御伽くん…だったかな。」
琴葉がビクッとする。
「また、リーダーシップを働かせ、彼をこき使ってくれたまえ。」
ははぁー。と、いつの時代の武士か。失礼なやつだ。校長先生はほっほっほっと笑ってくれてる。良かったな琴葉。
「それでは先生方。お騒がせしました。それでは失礼。」
およそ、30分前と同じように職員室の扉をがらがらと開け、少し得意気な雰囲気を纏わせたたつ兄と生徒会室へと向かった。




