sinθ≒0.469
まず、とたつ兄は話し始める。
「犯人の動機からいきましょうか。文化祭の看板を破壊する理由としていくつか考えられます。文化祭を延期、若しくは中止したかった。美術部や生徒会への怨恨。まぁ私は違うと思いますが、破壊衝動があるなどだと思います。この中で、文化祭の延期や中止を目的としていた場合中途半端であると私は考えます。ほんとにそうしたいなら爆破予告などを送るのがいちばん早いですからね。そう考えると、美術部や生徒会への怨恨が1番可能性が高い。では、生徒会や美術部が誰かに恨まれるようなことをしたか。それはまぁ知らないところでは分かりませんが基本ありえないでしょう。生徒会長としてこの学校を見てますが、そのような事を私がさせません。」
たつ兄は理系なので、順序だてて推理を披露する。論理を展開させることが彼の特徴である。
「だから、外部犯だろ。警察に連絡するか職員会議があるんだ。もう帰ってくれ。」
「いえ、神田先生。これは内部犯です。外部犯こそ、破壊する理由がないですから。しかも、我が校は8時以降門を封鎖し、当直の先生と警備員さんが交代で見回ることになっているはずだ。外部犯なら監視カメラなどですぐ確認できる。しかし、それをせず。いや、したのでしょう。それでも侵入する犯人は写っていなかった。学校としては外部犯にすることで、事件を有耶無耶にしようとしているんだ。そんなことは俺がさせない。」
内部犯。可能性としては校舎に潜んでいた生徒か。いや、当直の先生が。まさか。
「先程、ここに居るりんたろう君に調べてもらいました。昨日の当直は。神田先生。あなたですね?」
かんたか先生は少し動揺したように見えた。
「そうだが?だからこそ、内部犯はありえないと言っているんだ。きっとカメラに映らない侵入経路があるんだろう。」
「いいえ、違います。犯人は神田先生。あなただからです。」
「証拠を出せ!!俺がなぜそんなことをするんだ!!」
「あなたの授業。国語でしたね。そうだな。丁度この前、1年生の御伽琴葉さんが居眠りしていて叱ろうとしてましたね。もちろん居眠りする彼女が悪いのですが。逃げられた。これは間違いないですか?」
「あぁそうだな。」
「彼女に逃げられたのは初めてですか?」
「いや、過去にも同じことがあった。」
琴葉は何をしているんだ。いや、そんなことよりまさか?
「そう。あなたは、自分の授業で居眠りする生徒を叱ることがよくあるが、琴葉さんだけはいつも逃げられている。自分の授業では居眠りをするのに、看板製作には精を出し見たことがないほど積極的に頑張っている姿を見てしまった。そんな貴方の当直担当がちょうどいいタイミングで回ってきた。魔が差したのでしょうね。」
かんたか先生はなるほどね。と微笑む。
「動悸が小さいな??それで??証拠はどこにあるんだ?」
「貴方さっき、看板破壊されたのは"昨晩"と言いましたよね?何故昨晩と分かっているのですか?朝イチかもしれない。誰よりも早く登校して来た生徒の仕業かもしれない。それなのにも何故、自分の当直していた昨晩と断定できたのでしょう。それは貴方が昨晩壊したからだ!!!」
ほかの先生達からの視線がかんたか先生へと注ぐ。かんたか先生は…。肩から力が抜けた。観念したのだろうか。
「私がやりました…。」
長くなっちゃったよ…。
2話に分けようにも中途半端だから許してちょ




