sinθ≒0.017
かっこいい苗字憧れるよね…!
メインの登場人物にはモデルがいます。
隣の席から地響きのような、それとも動物のうなる声か…?
この時期は、俺の通う宮城県立陸奥第三高校では中間試験が行われる。一週間前ともなると部活動は禁止され、各教室からは仲間同士で勉強する楽しそうな声が聞こえるようになり、自習室や図書室では参考書などを机に広げ、静寂の中、淡々と試験範囲を洗っている生徒も大勢いる。
俺たちは生徒会室を借りて勉強するのが一年の二学期からの恒例である。
「sinってなぁぁぁにぃぃぃ。」
と、ガチ泣きをしながら隣で勉強しているこいつは二年三組御伽琴葉。俺こと二年三組梔子凛太郎とは小学校からの幼馴染で、現在生徒会長の革でできた椅子で優雅に昼寝をしている三年一組二階堂竜騎と三人で過ごしてきた。
「たつにぃぃぃ。勉強おしえてぇぇぇ」
「そもそもだな。普段からちゃんと授業を受けていればこんな問題くらい簡単だろう。授業中に寝るか絵を描くかしかしていないからそんなことになるんだ。」
チョップ!!!
「りんくんが暴力振るった!!暴力はんたーい。」
生徒会長の席からおれも暴力はんたーいという声が聞こえてきた。起きているならこの問題児をどうにかしてほしい。
たつ兄は入学からいままで学年一位を譲ることのない天才だ。普段から漫画とゲームばかりで勉強していることを見たことがない本物の天才だ。身長こそ170cmに満たない、185cmある俺からしたらちびだが、その容姿と万人受けするキャラクターで、とてつもないカリスマ性を持ち生徒会長にまでなっている。ファンクラブすらあるという、この学校で知らない者のいない男だ。
「最近170cmにのりましたぁぁ。身長以外で俺に勝ってから文句を言え。」
心を読むな。気持ち悪い。
「いいか琴葉。」
ついに琴葉に勉強を教える気になったか
「まずはちゃんと教科書を読むだろ?」
琴葉は真剣に縦に首を振っている。あかべこ…?
「すると問題が解ける。」
前言撤回。それができるのはあんただけだ。なんの頼りにもならない。中間試験まであと五日。俺の全身全霊でなんとかせねば…。
陸奥第三は県内有数の進学校
琴葉はどうやって入学したのか??
フィクションなんでね(´>∀<`)ゝ