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最前線  作者: TF
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とある人物達が歩んできた道 ~ 贖罪の果てに ~

「どうしたの?」ほっといて

「なんでもないわ、忘れ物が無いか見ていただけよ」きやすく こえを かけるな

かばんを もって はなれて いく


すたすた歩いてくテクテクあるいてくスタスタあるいてく


誰もいない場所、夜も遅い、窓ガラスに映る私の顔は屈託のない笑顔だった

どんなことでもね、願って待っていれば叶う


待ち続けるのは得意だもの


行動を起こそうとかと動こうとするが…あいつ、私の体で無理をしすぎ!全身の動きが非常に鈍い、なにこれ?あいつはラグとかなんとか言っていたけど

おかしい、もっともっと動きが鈍い…近くにあるベンチに座って目を閉じ意識を高める…あいつは知らない魔力ってのは全ての細胞に宿る



つまり、細胞の代わりも出来るのよ



あいつがご丁寧に魔力を練ってくれているおかげで体内の魔力を保持する臓器に魔力が満ちていることがわかる。

魔力を脳に行き渡らせる


ゆっくりと目を開く


視界は白と線だけ、だけど、色を感じる、色は見えないが手を見る、手は肌色、髪の毛を見る、髪の毛先は白っと脳が音で知らせてくれる。

遠くを見る、見えそうで見えない、上を見上げる、見えない。みえそうで みえない やはり わたしでは だめ


始祖様に会えない


脳に魔力を満たして脳神経の代わりをさせる、手をぐっぱぐっぱと開いたり閉じたりする


ラグを感じない、神経の伝達は問題がない、医療の知識っていうのは便利だ、体の構造を理解できる。

さぁて、困ったことに計画の殆どがとん挫しちゃった、どうしようかな…


暗殺は失敗した、だけど、計画を立案したもの、無能兵士を集めたもの、周りの関連各所に無理を通したやつら、あの事件を裏で糸を引いていたやつ、殺すべきやつはとっくに殺してもらった、私の大事な大事な人に危害を加えようとした不届き物。


身内同士の争いに巻き込ませて殺してもらった


私は、医者を装い、現場にかきつけ必死に生かそうと試みて、生かさないようにしただけ…


あいつは私が殺したと思っているかもしれないが、直接は殺していない、ケガを見るふりをして治療をしなかっただけ、それっぽく動いて救わなかっただけ…

必死に襲撃された人の家に駆けつけ懸命に治療する、その姿こそ聖女様そのものっと印象付けにも成功している。

後から駆け付けた教会側の人達は、私を聖女だと疑わない、だって、殺される可能性が高い人の家に誰よりも早くに駆けつけるもの


嗚呼、全員死んでしまったら犯人と疑われるから、あの事件に関わっていない、襲撃される予定のあった人はしっかりと救ってあげたわよ?命はね…後遺症?しらないことばね


その賊二人も死んでしまったし、利用できるものが殆どなくなってしまった、いくら考えても■■■を殺す作戦が思い浮かばない。

降ってわいたような幸運を祈るしかない、始祖様なら何かしら加護を与えてくれるだろうと期待はしたが、私には見えなかった。


始祖様にアクセスするのは巫女でしか、できない。


アイツの言う通り八方ふさがりってやつ、毒の知識は難しい、どれがどれなのかわからなかったから、取り合えずアイツの記憶から引っ張り出せた毒だけを使ったけれど、混ぜ合わせるのはうまくできなかった、思った通りの成分に至ることが出来なかった、まぁ、そのおかげでアイツを足踏みさせることが出来たので運がよかったよかった


私は導かれているもの神に…私がすることすべてが神の御業、理に到達する。


当初の予定とは大きく変わってしまったけれど、ある程度の浄化はできたかな?愛しのダーリンを迎えに行くまでにまだまだ時間が掛かるし

ゆっくりと計画を進めていけばいいか、たのしい たのしい 時間も お し ま い 足らないのよね、必要な物が


それがそろうまで、寝てるふりをするのも悪くない手よね。美容とかそういうの私、めんどうだもの、どうせなら愛するダーリンを迎えに行くまでは綺麗にしておきたいじゃない?

だったら、アイツにその辺りを任せて、時が来れば…奪えばいいのよ主導権を…


全ての願いが叶う その時に アイツから 全てを 奪う ううん、 いいえ、 違うわ 取り戻すのよ 私の 全てを


それまでの間、私の体を



貸してあげる、だから、死んじゃったら駄目よ? ちゃんと 綺麗に 綺麗に するのよ? 純潔も 守るのよ?





揺れてる、ゆれてる、ほほを、誰かが頬にふれている?だれ?

「…おき…おきな…おきなさい!疲れているのはわかるけれど、もう少ししたら迎えの人が来る時間になるんじゃないの?お風呂はいりなさい汗くさいわよ!」

目を開けるとお母様が頬を含まらせて怒っている?…え?どうして、家にいるの?あいつは?内なる私は何処に行ったの?


「目も開けたことだし、支度ちゃんとしなさいよー?あと、汗を流しなさい汗くさいじゃない、使用人に湯あみの準備してもらっておくからね」

鼻をつまんで手を振るお母様、汗くさい?ぁ、そうか昨日、走り回っていたから汗は凄くかいていたのだとおもう、いや、そうじゃない!?

ぇ、どうして私の意識があるの?どうして?もう…戻ってこれないと思っていたのに


手を開くと青い宝石が輝いてこちらを見ている、見つめられている、見守ってくれている


バタンっとドアが閉まる音が聞こえる、お母様が部屋から出ていくと同時に青い宝石を握りしめ祈るように感謝の言葉を述べると自然と涙がこぼれ頬を濡らし、涙は腕を伝って落ちていく。


祈りを終えて、顔をあげる、その瞬間、自身の体からほとばしる香りにうげっとなる、アイツ!どうして帰ってきたのか知らないけれど!お風呂くらい入ってから寝てよ!美容意識ないんじゃない!?鏡を見てびっくりする寝巻に着替えないで、っていうか裸!!!誰かに見られたらどうするのよ!!


はぁ~もう、最悪、床に転がっている下着や昨日着ていた作業着がその辺に転がっている。

畳みなさいよ!せめて、床に置かないで机の上に置きなさいよ!!ぁぁ~やだーもうやだー!いつの間にか手のかかる子供が、見えない子供が傍にいる気がするー!!


替えの肌着を出して着ようとするが一瞬躊躇う…汚れた体で汚れてない下着、、、ちらっとみる床に落ちた下着。。。


っふっと乾いた笑いを鼻から漏れた後、躊躇わず新しい汚れていない下着を着て、汚れていない村娘風の服を着て使用人が準備してくれているであろう湯あみへと向かう

ついでに、床に落ちていた服も拾って、湯あみが終わった後に着る為の服とか下着も持っていきましょう


使用人には申し訳ないけれど、洗い物増えちゃうわね…


全ての身支度を終えるころに迎えの人が来てくれたけれど、服を渡されたので着替えてから行きましょうっと

一旦自室に戻って渡された服を取り出すと修道服に、以前にお借りした洋服もはいっている?紙がはさまっているので内容を確かめると

『その洋服は貰ってください、幸いにもサイズ的にお辛そうではなかったですし、色々と手を貸してくれたお礼です』

末席の王子の名前も添えられていたので、ありがたく受け取るべきなのでしょうが…この手紙をこのまま自室に置いて外に行く方のは、危険性が高い、紙だけは別のどこかで燃やそう


どうしてかって?決まってるじゃないの


家の人が勘違いするからよ!!このようなステキな贈り物なんて!?王子のお嫁さんになるのね!?ってなってみなさい!?

周りから逃げられないようにされて、結婚させられるのが目に見えてるからよ!!!


あの夢見る坊やだったら、確実にYESっていうのが目に見えてるのよ!!伝説に連なる人と一緒にいれるなんて王族として箔が付く上に、あいつぜったいに


巨乳フェチズムの持ち主よ!!!ちらちらちらちら、見てるのわかってるのよ!!!!

しかも、絶対、年上好きでしょ!?伝わってくるのよ!頑張る僕を甘えさせてほしいなぁって意志が伝わってくるのよ!隠しなさいよ!そういうのは!だからガキなのよ!!!


だから、お洋服は返却したかったのよぉ!!!っくっそ、あいつ、腹黒いわねぇ…しっかりと搦め手を使ってくるじゃないの!!身の危険を感じる前に、後戻りできない状況になる前に、全てを終わらせて帰ろう!私を待つ職場に!!!にげたい!騎士様、私の貞操を守って!!!



違和感を覚えた、あれ?どうして私、服の色が全部わかるの?騎士様と一緒にいたときのように色がいろが、、、ぜんぶみえる、、、

青い宝石を手に取り眺める、涙があふれ出てくる


かんしゃしてもしきれません、ありがとうございます。きしさま、また、わたしにいろをおしえてくれて みせてくれて・・・


色が見えるということは希望が見える、私は生きていいんだよっと騎士様から伝わってくる。

全ての罪を洗い流したら贖罪が終わったらすぐにでも駆けつけようと思っていたけれど、私にはまだ成すべきことがあるのだと

騎士様から伝わってくる、わかりました、私は生きます。


そうよ しんだら だめよ


一瞬だけ耳鳴りが聞こえたけれど、もう、耳鳴りが聞こえない…


さぁ!泣いてばかりいてはだめね、修道服に着替えて医療従事者として責務を果たしましょう!!

ぁ、貰った洋服はカバンの中に入れて鍵かけておきましょう。


それから、午前は診察と経過観察を行い、午後は王都錬金研究所で薬を精製し使用人たちに薬を渡すようにお願いする


そんな日々が三日ほど経過する


その間も寝ないように薬を投与し続けてきたけれど、とうとう、薬が切れてしまった。

騎士様から見よう見まねで覚えた座禅によってなんとか動けているけれども、薬が切れてしまったら動けなくなる…

寝たらアイツに意識を奪われるという不安もあって、どうしようかと悩んでいたら


いきなりいしきがかりとられた





目が覚めたら声が、歌が聞こえたのでゆっくりと音のする方向に視線を向けるとお母様が傍に居て歌を口ずさみながら本を読んでいた

私の視線に気が付いたのか

「あら、目を覚ましたのね、もう、起こしにいっても起きないから今日は休ませてもらったわよ、おかげ様で色んな人からお見舞いの品を貰ったわよ?」

どうやら、寝てしまったみたいで、お母様に恐る恐る確認する

「私、ずっと寝ていました?」起きて何処かに行ってたりしてない?

「ずっと気持ちよさそうに寝てたわよー、向こうでも限界超えて仕事してない?ちゃんと休息とるのよ?」

心配そうに頭を撫でてくれる。よかった、あいつは私の体を動かさなかったみたい、限界を迎えていたから、あいつも動きたくても動けなかったとか?


ってことは、限界まで脳と体を酷使して寝れば、アイツは動けない!!いいじゃない!最高の解決策じゃないの!!


その後はいい大人になったけれども、久しぶりにお母様に甘えさせてもらった、そのついでに、色々と情報を得た

亡くなった人の名前とか、人数とか、いつか、墓参りにいきますね。


次の日からも限界を超えるまで全力で医者として研究者として動き続ける

帰ってからはもうくたくたで使用人に流れるように湯あみをしてもらって、寝る前に適当な果物を胃に放り込んでから

いつ意識が落ちてもいいように、ベッドの上で座禅を行う


ある程度、魔力を練り終えると突如、いしきをかりとられる




起きるとしっかりとベッドの上で私がベッドから降りたらわかるように床にちょっとした薬品を塗ってある、そう、特殊な魔道具から出る光で反応する薬品

それが足裏に付着していないか魔道具を使って照らしてみるが反応がないし、床を照らしてみると足跡がない。

つまり、私は一歩もベッドから降りて歩いていないっということになるし、誰も侵入してきていないことになる。


右腕を上空に掲げて心の中で叫ぶ


完全勝利!!




自分の作戦が全てうまくいったことに喜びながら床に塗りたくった特殊な液体をふき取っていく。

問題はこの特殊な液体が残り少ないってことで、使っても後二日しか持たない…


取り合えず、寝起きのストレッチをして、お化粧を軽くしてからいつものようにお母様に朝の挨拶をして使用人にも挨拶をしてから

食卓にいくと、普段なら何も用意されていないのだが、医者として朝早くから活動している私の為にわざわざ早起きしてくれてスープとか用意してくれている

使用人たちの粋な計らないに心から満たされる朝として、優雅に過ごした後、用意してくれた使用人に感謝の気持ちを伝えると

「自分たちも王都の為に頑張っているお嬢様の手伝いが出来るのが誇りだと感じています」っと涙ぐみながら返事をしてくれた。


まがい物の聖女だけど、マッチポンプだけど、感謝されるのは気持ちがいいものね。


その後は診察にいく、場所もわかっているし道具も預かっているので一人で行ける、門番の人も修道服を着た私を何も言わずに通してくれるのだけど、今日は違った

「毎朝、本当に本当に感服いたします。貴女が遅くに出歩くのも全て、王都の為だったのですね、疑ってしまった自分が心から浅はかだと思っています。陰ながら応援しております」っと同じように涙ぐまれてしまう。


そりゃねぇ、事件がいっぱい起こってるときに夜中出歩く、長いこと実家に帰ってこない娘が唐突に実家に帰ってきたら、こいつ犯人では?なんて思っちゃうよね、普通に考えたら怪しさ満点じゃないの。


全員の診察がさくさくと終わっていく、もう訪れる屋敷の人達も私を見たらすぐに通してくれるようになった、荷物の検査もせずに通してくれる。

完全に信頼されているのだとわかる、その信頼を裏切らないようにしないとね、彼らは確かに罰するべき人達かもしれない、でも、誰だって気の迷いはあるだろうし、圧をかけられてしまってどうしようにもない状況に陥った人達もいるのだと診察を通して知ることが出来た。


殆どの人が、脅されて計画に少なからず加担したのだと、脅されてお金を工面したり、人質を取られて人を工面したり、家を潰されると脅されて関係各所に根回ししたりと、本当に色々な人が関わっているのだなっと思い知らされる、首謀者が自身の持つ権力の使い方が上手いのだと。


アイツを暗殺するのは非常に難易度が高い、そりゃ、王都全土を巻き込んでいいのなら問答無用で殺すことも出来るけれど、罪なき人々や


・・・騎士様のご家族を巻き添えにするわけにはいかないものね


少しずつ皆も体調が良くなってきていて、仕事に復帰している人が数多く、もうそろそろ診察も不必要になってきた。

だからか、色んな人から嫁に来てくれ!ってしつこく、勧誘される、嫁がダメなら私のとこの息子はどうだ!?じゃないのよ、息子まだ6歳でしょ!私にそっちの趣味はありません!!!


早くに診察を終えちゃったものだから、午後からの王都錬金研究所に行く時間よりも、かなり前…何かしようかっていうかね、うん。そうよね。


こういう時に行くのが一番よね


足を運んだ先は墓地


主に貴族の方が埋葬されている墓地


ある家名が掘られている墓地の前で膝をつき祈りを捧げる、ううん、祈りじゃない懺悔ね…


独り静かに懺悔をしていると

「これはこれは、シスター様、お昼のお勤めですか?祈りを捧げてくださり感謝します」

声を掛けられたので声の方に向かって視線を向けると

「ぁ!?」

私の顔を見た瞬間に驚いている、どうやら、私を知っている人?最近亡くなった人の墓地…そうね、考えるまでもないわね、この墓地に関係する人、ご家族とかかしら?


「聖女様じゃないですか!そんな、膝までついて俺の親父に祈りを捧げてくれていたんですか!!??」

慌てて片膝をついて目線を合わせてくれる、貴族に膝を地面につけさせるのは良くないこと、周りが見たら指を指されてしまうわね

「いいのですよ、片膝をつかなくてもお立ちください」「ですが!」ですがじゃないのよ・・・

すっと立ち上がり膝の土を払うと、相手も立ち上がって同じように膝についた土を払っている。


「親父も喜んでいると思いますよ、最後まで懸命に治療を続けてくれた聖女様が、亡くなった後も祈りを捧げに来てくれるなんて」

墓地に視線を送りながら亡くなった人を想っているのだろう、目が愁いを帯びている。


「・・・申し訳ないです」いたたまれなくなり懺悔の言葉が口を濡らすと


「何を言うんですか!!親父や俺たちの悲鳴を聞きつけていの一番に駆けつけてくれて、それだけじゃなく、貴重な薬をつかってまで必死に救おうとしてくれた人が、あんな状況で誰がどうみても助かりっこないのに!懸命に必死に自分の手が血で汚れようとも服が血に染まろうがお構いなしに必死に、ひっしに、たすけようとしてくれたひとに、もんくなんてありませんよ」

…ん?あれ?どういうこと?殺した現場が目撃されていて、その後から私が駆けつけた?

考えられるのであれば、私が一目で瀕死とわかるようにナイフか何かで急所を切りつけて、即座に現場から離れるときに現場がすぐに人が来るように仕向けて、

悲鳴を聞いて駆けつけたのだと言わんばかりに近くに待機して、治療行為をするふりをしてた、とか?


「あの、大変、大変お聞きづらいのですが、どういった状況でああなったのですか?」

家族からしたら死の現場なんて思い出したくもないだろうしこんな場所で聞かれたくもないだろう。

「…そうですね、思い出したくもないのですが、聖女様の願い、答えないわけにはいかないですよね、きっと、何かしらの意図があるのだと思います」

悲しそうに空を見上げた後、ゆっくりと現場で起こった出来事を教えてくれた


親父が外で最近、王都で流行っている葉巻煙草を楽しむ時間があって、俺も一緒にどうだっと、誘われていたので庭に行くと、賊が侵入して来たみたいで親父と賊が戦っている現場に遭遇して俺も加勢しようと思った矢先に親父の首をナイフが深くささってしまった…

その姿を見て俺と一緒に付いて来ていた使用人が悲鳴を上げたんだよ、その悲鳴を聞いて聖女様が駆けつけてくれて必死に血をとめようとしてくれたけれど


俺だって貴族だ、あんな風に深くナイフが刺さってしまったら助かりようがないことくらいわかる…


「嗚呼、そうだったのですね、賊に襲われて…申し訳ありません助けることが出来なくて」

悲しそうな表情で俯くと

「謝らないでください聖女様、誰しもが絶望している中、必死に救おうとするその姿勢だけでも親父は救われますよ」

先の言葉でわかったのが交戦した状況で的確に急所を刺して、手際よく逃亡した、その直後に現れるなんて芸当、どう考えても一人ではできない。

直接的に手を下したのは私ではないけれど、賊を利用したのだとは解る。


「それに親父たちを殺した賊はこの間、捕まって処刑されたので、もう犠牲者が出ることはありませんから」

やっぱり、件の賊は貴族たちを殺しまわっていた二人ってことなのね…そんな明確に敵意をもって計画的に殺しを行う人がたったの二人なのだろうか?

確実に何かしらの組織に関わっている人だと思うけれど、内なる私はどうやってその二人に接触したの?


謎ばかりね…


必要な情報も手に入れたので、賊が殺しまわった人達の名前が書かれている墓前の前で同じように祈りを懺悔を捧げていく

全部に、いいえ、全員に祈りを捧げ、王都錬金研究所に行かないとっと立ち上がると先ほど会話した男性が待ってくれていたみたいで声を掛けてくる

「噂に違わぬ、その姿、その姿勢、本当に聖女様なのですね、これを見て心を決めました、俺は親父を殺した派閥を許せない、聖女様を支持する派閥に鞍替えします!戦う心を失いません!!心に決めました、俺の心は聖女様と共にいます!!」

ぁ、えと、その…はい、よろしくね、そんなつもりじゃなかったんだけどなぁ…


熱い思いを受け取って最後に手を握って聖女様っぽく祈りを捧げてあげると感涙して墓地で叫び始めるし…

熱くるっしい人ね。。。


叫び声を背に背負いながら、目的の場所に向かっていく。


目的の作業を行う前に、もう少しでなくなりそうな特殊染料を手に入らないかと研究所の人に材料があるか確認してもらうと

材料があるみたいなので、苦手だけど自力で錬金することに

流石は王都錬金研究所、普通では持っていない大穴の獣が持つ体液まで保存してあるなんて思わなかった

作ってる最中に先輩の娘さんが私が別の作業をしていることが気になっているみたいなので、特に秘匿するようなものでもないので作り方を教えてあげると

「すごーぃ!ぁの液体ってどのように扱えばいいのかみんな知らなかったのに!すごいすごい!」っとぴょんぴょんと跳ねながら新しい知識に感動している。


可愛いなぁ、こういうのをみちゃうと子供欲しいなぁってすっごく思っちゃう…


何とか染料も出来上がったので、魔道具の作り方もついでに娘ちゃんに教えたし。

帰って寝よう


実家に帰ってから、湯あみをして、しっかりとストレッチなどをして寝る準備を整えて、何時でも意識が落ちてもいいように座禅をしていると

突如、意識が刈り取られる


朝になってぱちっと目が覚める。もう意識が突然、堕ちる感覚にも慣れてきたし、朝のチェックも何も問題ない。


そんな日々を過ごしていると、目的とした薬も全部作り終えたし、貴族含め、関わりのある人たちにも全員分の薬を作り終えた。

当然、飛沫感染するタイプなので私も服用しているし、王都錬金研究所も皆も飲んでもらっている、薬の作り方も全員が熟知してくれているので

何かあれば薬を自分たちで作れるだろう。


患者も全員、後遺症無く綺麗に治り切った…


もう、王都で私がすることはなくなった、修道院で修道服を返却すると司祭様がずっと聖女としていてくれませんか?っと長いこと引き留められてしまったけれど

私が戦う場所はここじゃない、この数日、過ごしてやっぱり私のいくべき場所は


騎士様が眠る大地


あの場所で最後まで戦い抜くことだと、騎士様の想いを受け継げるのは私だけ、戻らないと


私の戦場はここじゃないの、居心地は凄くよかったわ。

出来れば、内なる私の策略に巻き込まれた人達に贖罪を込めて自決するべきなのだろうけれど、私が出来ることがまだ残されていると騎士様が教えてくれたのだから

私は生きる。最後まであの大地で出来ることを続けていく。


医療班のTOPとして


それに、あそこで頑張れば頑張るほど、犠牲になる人が減るし、遠い場所からでも騎士様の息子を守ることに繋がる。

直接的に傍に居て守ってあげれないけれど、遠くから見守ることだってできるはずよね。


帰ろう


実家に帰って荷造りをする

夜に馬車は出ていないので早朝一番の馬車に乗るように馬車の人に乗りますと手配を使用人の人にしてもらった。

たぶん、王都に帰ってくるのはこれが最後になるだろう、お母様といっぱいいっぱい話をして

お父様は結局、殆ど会えなかったけれども今日は時間を作ってくれたみたいで家族みんなと楽しく食事をした


まぁ、お父様からすればここは別邸ですものね、側室の娘に会いに来てくれるだけでも嬉しいものよ。


早朝に馬車に乗り王都から離れていく

遠目に末席の王子らしき人が見えたので見えるわけはないだろうけれど手を振ってお別れをする


ながい、ながい休暇になっちゃったな、全然休めた気はしないけれど

心は…明日へと迎えれるようになった、明日を見ることが出来るようになった

色んな人に迷惑をかけてしまったし、命を奪ってしまった、罪人として生きていくことをお許しください。


私は騎士様の意志を受け継ぎ、あの街で絶望と共に歩んでいきます。


内なる私も最近は気配を感じないし、王都から離れればきっと、アイツはもう…出てこないと思う。


だから、王都にはもう帰れない、帰らない。

咎人は流刑の刑になるのよ?



そう、最前線の街、誰がよんだか人類にとって死が身近過ぎる街、死の大地であり死の街


私にとって騎士様の心が最も近い街 最前線 へいきましょう。




とある女性が愛の為に走り続けて物語

様々な苦難を乗り越えた先、彼女が彼女だという保証はどこにもない。


今の彼女がどの彼女なのかは誰も知らない


そんな彼女が街に戻ってきて日々を過ごしていくと出会ってしまう


最後のカギに…


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