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最前線  作者: TF
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Fine 音は終わりを告げる 4


「…しま!」

目の前に広がるは森林!!!私達は!あの岩が見えるであろう広場!

敵が何処に潜んでいるかわからない森林で陣なんて築かない!!!

腕で上半身を持ち上げ振り返るがゲートが消えている!!!


「やられた!!干渉できるのか!!!」

今の今まで!何一つ!!そういう素振り何て見せなかったくせに!!

どの時代でも!こんな、こんな芸当やってこなかったじゃん!!

今代の私も、私も!どの時代の私も知らない!!!これは…完全に想定外、意識の外!!!


この魔道具は対となっていてそれ以外の干渉は出来ない

そう、おもって、た・・・かいせきも、ぶんせきも実験もしてきた!!!


敵が、魔道具の全てを理解し把握しているなんて、あるわけがない

そう、思っていた、ううん、思わされていた!!!

今の今まで魔道具を完全に使いこなせていた獣なんて居なかった!!

それすらも布石だって言うの!!ほんっと!!先生ってやつは!!

気が付かなかった私の落ち度だって言いたいんだろうね!!!


「・・・」

パチパチと何かが叩く渇いた音

腹が立つ音が鳴る方へと視線を向けると


「・・・」

森林の暗闇から覗かせる気色悪く一目見るだけで殺意を抑えることが出来ない薄ら笑いをしている私を、私達を嘲笑い苦しめ続けてきた異形な人型…その姿が見えるが、私の時とは幾ばくか造形が違う

でも…私にはわかる、お前は死霊使い、私に愛する旦那を殺させた、憎き獣!!


湧き上がる憎しみの炎を飼いならすように抑えて

「色々と、やってくれたね、どう?敵が罠にはまって狼狽えているのを見るのは?」

投げかける…お前は話すことが出来るのだろうと問いかけ少しでも情報を得て、私の予測が正解だという最悪な確信が欲しい。

次の一手を間違えない為にも…


此方の苦汁を辛酸を舐めて飲み干してからの問いかけだというのに

「・・・」

愉悦でも感じているのか、ニタニタと邪悪な笑みを浮かべた馬面がこっちに向けて小さな拍手をし続けるだけが返ってくる。

嗚呼、ダメ、ぶち切れそう…

自然と奥歯を噛み締めてしまう。

「…あれは敵だな」

抑え込む殺気に触れたのか?ううん、どう考えてもその答えに辿り着くよね…

金色の鎧が、既に鞘から刃を抜き敵に向けて構えている。

当然、ついて来た三名の近衛騎士も刃を敵に向けて構えている。

敵としても予想外だったのか、分断する必要が無いと判断したのか、幸いにしてこの場には私と団長と王に、近衛騎士がいる。


正直に言えば私としてこの状況であればまだ、ひっくり返す自信がある。

この策略によって各々のメンバーと分断されてしまったこの状況、もし私と団長だけだったら、どう足掻いても負けていた。


まだ、この人数なら幾ばくかの時間を稼げる


分断された?だからなに?皆がここに到着するまで踏ん張ればいいだけ!!

皆がこの場所へ合流する時間くらい


稼いで見せる!!


っが!その前に!敵から情報を得るべき!私の予想が正しいのだという確信が欲しい!

皆が私の場所を知るために備え付けてある合図を送る為の道具がある!

直ぐに使えばいいのだろうけれど、躊躇う理由がある、それを使えば敵にも私の位置がバレる!大勢の敵がここに集まってくる…いや、今はそんなの言ってる場合じゃないか。

現時点で、敵が目の前にいるんだから…敵としても有象無象の獣共がこられるのは…嫌がるかもね!


だったら!時間を稼ぐ方へとシフトする!!

嫌な予感予想ってのはどーせ当たるだろうからね!

こういうときの私の予想って正しい事が多いからね!!


車椅子に取り付けてあるボタンを押すと瞬時に上空へ向かって一つの弾が飛び、一定の高さに到達すると爆ぜる、そう、まるで花火のように


光りと音の信号


これで、皆に…この大地にいるもの全てに、私の場所が伝わった、はず!


現時点で私の居場所、予想は出来ている。

場所的に恐らく、ううん、ここは、確実に因縁の場所!

…ここには忌まわしい記憶しかない、あの森の中。


こいつがいる時点で察したよ!恐らく、デッドラインの左側にある森!!

幸いかなぁ!陣を築いている場所からここってね!左程距離が離れていない!


戦士達であれば、10分いや、もう少し…うん、10分でもいいから時間を稼ぐ!!

10分もあれば近くまで駆けつけてくれる!!


こいつをぶち殺す為にも!!

こいつを悦に浸らせて会話を…時間を稼ぐ!!!


「ねぇ、どうやったの?何をしたの?」

「・・・」

やれやれっと首をふり嘲笑うかのような視線を向けてくる…ぶちころしてぇ…

「下手な芝居何ていらない、お前、言葉を理解しているし言葉を発することが出来るでしょう?」

この発言に敵は驚くことも無く

「計は成った」

この場に来た時に頭の中に響いた音

「お遊びが好きなお人形、お前は、何時だって邪魔をしてくれた」

…今代の私はこいつからすればそういう評価なんだ、何で…私は死霊使いなんだろうか?そんな術式あつかったことないよ?■■■くんなら別なのに…まぁいい、どうせ敵の戯言、気にする事じゃない。

「策略を退けれたのはお前たちの運がよかった?違う…違う…お前らに引っ付いていた厄介なモノ、あれがあったから、お前たちでは防げるわけもなし」

迂闊な獣…その僅かなセリフで気が付かない私じゃない。

その言動で理解したよ、お前…始祖様が私達にもたらしてくれた寵愛の加護について何かしら知ってるな。

「お前たちの匂い、疎ましい、故に、手を打ち続けた」

人の匂いが嫌いってこと?って、動き出した!

瞬時に警戒を高めるが、動き出した腕はゆっくりと止まり一点を指さす。

…腕を上げただけ?指先を此方に向けてくる?いや、違うその先は…団長?いや、違う

王、様?

私じゃなくて、あいつ?どうして?

「不敬な、獣如きが俺に指を刺すか」

「お前、愚鈍だな、まだ、気づかないか?」

ニタニタと王へと指先を向け続けている。


あいつの言葉の意味?気づかない?王は獣と何か繋がりがある?

あるとすれば、悪魔信仰の部分?まさか、こいつ

「…気づくも何もお前の音が耳に入った瞬間に吐き気がした、お陰で王家の悩みが一つ解消されたよ。お前だったのか獣」

王家の悩み?因縁があるってこと?この感じだと…

「なんだ、気が付いている、なら、忠告通り獣となればよかった、運命を変えれた哀れな」

やっぱり、この感じ、こいつら、お互いを知っている?

「王家にまとわりつく亡霊、悪魔の囁き、王家を悩まし続けてきた狂言、そう呼ばれてきた現象がな王家には伝えられている…これらはずっと我らが滅ぼしてきた悪魔信仰の呪いだと思っていたが、よもや…獣の仕業だったか」

「なら、狂言ではなく真言である、愚かな」

「世迷言ではあるがそれもまた真理、認めよう歴史が語っている人は愚か、愚者の王。ではあるが、呪詛のような世迷言を輝きを知らぬ頃から、引き払い誰も居ない場で、呪詛という熱した泥を耳の奥へと流し込まれ続けてきた俺の苦悩、お前のような獣には理解できるわけもないだろう、獣故にな」

呪詛?ニュアンス的に若い頃から耳元で囁かれ続けてきた、こいつの戯言を?

…もしかしなくても、時折聞こえる耳鳴りのその奥から聞こえてくるあの声って、私に、ううん、私達に語り掛け続けてきた変な声は

「愚かな愚者は獣とならず、お前は、屍となる愚者の王よ、お前は終わり」

こいつ、人の心理を理解しているのかジワジワと挑発してくるじゃん、狙いは一人ずつ殺す為?まずは、目障りな金色から潰すって魂胆?

「終わりとするのなら、終わりとさせて貰おうか、お前の世迷言!聞き飽きたゆえにな!」

ああもう!あからさまな挑発にのって!殺気だって前へ出ようとするなっての!

まってまって!開戦しないで!時間を稼ぎたいんだから!

慌てず冷静に言葉で割って入る。

「ねぇ、その世迷言ってなに?」

分かってはいるけれど、わかっていないふりをする

「お前は、聞いたことが無いのか?…そうか、不思議とお前の近くにいる時は目の前にいる獣の声が聞こえてこなかった、っということは、お前の耳にはこの耳障りな音が無かったという事か」

今代の私が前々から耳鳴りの奥にある声には気が付いてる!

声の主が誰かってのはさ、断定が出来ていなかったけれど確実に、って…なんでここで?


耳鳴りがする

耳鳴りで みみなりで しこうが くる、う


ヒィィィィンっと耳鳴り独特の響く音が頭の中を脳を駆け巡り

思考が鈍磨してく


「愚かな人形、愚かな白き人形、愚かな…」

リィーンっと耳の奥に音が鳴る

「全ては、人の知恵、人の心、ひとの…浅はかな願い」

リィーンっと耳の奥にノイズが走る

「時間稼ぎは、すんだかい?」

心が凍り付きそうになる

「ほぅら、この魔道具、授かりし久遠なる迷宮を内包せし魔道具」

しかいに うつりこむ ゆるしては いけない


あいする だんなを けがした あいする だんなを あやつった

あいする いもうとを けがした あいする いもうとを だました


魔道具


ゆらゆらと ゆらゆらと 青く白い輝きを放ちながら

ゆらりゆらり 異形な人型の前を忌むべき魔道具が浮遊する


壊すべき魔道具


「これが何を意味するのか人形にはわからない、すでに始まっている」

はじ、まって、いる?

その言葉にこれ以上は時間を稼ぐのは良くないと判断し鈍磨した思考を加速させ歯を食いしばって思考を切り替える

「やらせるかぁ!!!」

祈りを!体内にある臓器!何でもいい!魔力に変えて!

「お前の手札は知っている」

手を上げる前に私の体に鎖が巻き付いてくる

「な、これって!?」

鎖に見覚えがある!!私と一緒に闘ってくれた、共に…力を貸してくれた!!


ルの力!!!

ある聖女の無念の歌!愛する人が離れて行かないで欲しいと願った切ない歌!!!

『「穢したな!!!」』

咆哮する、体から湧き上がる怒りをぶつけるように喉を裂きそうな程に咆哮する

愛する旦那と私の声が同時に重なって怒りをぶつける



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