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最前線  作者: TF
727/733

Cadenza 私の、私達の…皆の歩んできた道 11

「お邪魔、ってことでしょうか?」

間違っているかもしれないので、ストレートに言葉にすると

「お邪魔?…なるほど、付き合いが長い故に相手の行動も読める、わかっていたのか。では、俺の言葉なぞ必要なかったか、そうだとも、最後くらい親子、血のつながりはない親子であれど…お互いを支えあってきた月の使者同士として、語らいもあろう、今宵は月が眩く微笑んでいる、無粋な真似は止せ、そう、俺らしくもない気遣いっというやつだ、気まぐれだ忘れるがよい」

あー、え、っと?月の、何ていったんだろう?

月が頬んでいる?


上を見てみると、お月様が今日は確かに眩しい。

無粋なまね?って、何が無粋なのだろうか?


空を見上げて悩んでいると背中を突かれ

「いま、姫様はNo2さんと一緒にいられるので、邪魔をするなって意味です」

言葉の意味を理解することが出来た!


確かに!私達よりも長い永い、計り知れないほどに二人は共に歩んできてた。

この瞬間、姫様からすると…


うん、こればっかりは空気の読めない私でも読めちゃうよね。

「そうですね、お邪魔してはいけないですよね。では、私達は先に、えっと、いとま?を」

休憩とか食事とかって何て言えばいいのだろうか?っと言葉に詰まると

「気兼ねなく普段通りに話すがよい、俺もまたそうしよう」

そう言いながら私に近づいてくるけど?

「そしてな、俺もまた先が空けてな、可憐なる花、燦然と輝く宝石の傍にいるのも心が満たされるというものだ」

優しく微笑みながら隣に立つのかな?手が触れそうなくらい近づいてくるのを何もせず立ち止まっていると、背中に熱い溜息と共に、っげ、っという声を背中にぶつけられる。

うーん、メイドちゃんの吐息が少しずつくすぐったく感じてきちゃった…

正直に言うと止めて欲しい。


メイドちゃんや近づいてくる王様、立ち尽くす私…

そんな私をからかうような月の光…

「えっと?」

今一つ状況が飲み込めない。

どうしたらいいのだろうか?


「ふは、そうか、下々っというものは、そうであったな。いかんな俺から申しておきながら、言いなおそう、寛大な心に触れ心を許すがよい。俺は暇をしている俺を持て成せとは言わぬが、幾ばくかの間、付き合え」

えーっと、つまるところ?

「王様は、私達についてくるっていってるんですぅ!」

背中におでこを押し付けられ軽くこすられ続けながら苛立ちのこもった声が聞こえてくる。


ついてくるって言われても?私達の行き先しってるのかな?私達も姫様のとこへ行く前に

うん、王様のお腹の空き具合なんてわからないし聞くのが早い。


「私達、お腹が空きましたので、ご飯を食べに行こうかと」

食堂がある建物へと指を刺すと

「ふむ、食事か」

指を刺す方向へと体を捻ると丁度、王様のメイドさんが視界に入る。

王様の近くにいたメイドさんが直ぐに小さく手を上げて物申したい様子だったけれど、王様はそれを見ているだろうけれど、メイドさんの事には一切触れずに

「うむ、良いな、軽食もあるのかそこは?」

小さく頷いてる。

「はい、おばちゃんに言えば材料さえあれば作っていただけると思います。料理のレパートリーについては、姫様がけっこう無茶ぶりをしてきたみたいで、おばちゃんが作れる料理の種類は多いってお聞きしてます。です、よ?」

美味しくないご飯もけっこうあるけどっというのは黙った。


そこの部分以外は素直に答えたのが良くなかったのかな?

前からも後ろからも凄い殺気が飛ばされる。

私、何かやっちゃった?


「では、行こうか眩き宝石よ、花は不服であれば何処かで咲き誇るのを許そう」

ぽんっと肩を叩かれる?えっと、ん?一緒に行くって事?

「場所はご存じです?」

「知るわけが無かろう、エスコートっという言葉は知っているか」

えすこーと、案内しろってことかな?

「あー、はい、では付いて来てください」

食堂がある方へともう一度、指を刺すと頷き隣を歩く様についてくる、王様を見張っていた?守っていた?人達も私達の後をついてくる。


メイドちゃんも私の背中から隙間を空けることなくぴったりとくっ付いて離れる様子もないんだけど、機嫌が悪いのかずっと殺気を飛ばしてくる。

って、痛い!

何?って後ろを確認すると頬を膨らませたメイドちゃんが涙を浮かべながら睨んでくる。

それだけじゃなく、脇腹というか背中というか…抓ってくる。


私、何かやっちゃったのかな?


自分の行いで何が問題なのか考えながら歩いていく。

食堂へと向かって歩いて行く間、全員が無言…


少し考えても何が問題なのかわからないので考えるのを止めてふと、周りの状況を見てみたんだけど

誰も話そうとしない…


さすがの私でもわかる、これが気まずいってこと!

どうしたらいいのかなぁ?


話題を振ろうにも知らない人達ばっかりだし、メイドちゃんはずっと不機嫌で私の背中に張り付いて歩いてるし


近くを歩いている王様を見ると、王様は何も感じていないのか時折、空を見上げてついてくる。

後ろへと視線を向けてみるとお近くにいる人達も無言で歩いてる。


人が多いのに誰も何も話そうとしない!

えすこーとしろって言われてしまったから、何か、した方が、いいのかなぁ?


こういうとき、どうすればいいのか、頼りになるのはただ一つ!

私の中にあるお姉ちゃんの経験!!


この状況に対してどのような行動が最も適しているのか!

是非ともお姉ちゃんにお聞きしたいのですがぁ?


腕を組んで首を傾げ思考を巡らせてみても

何も思い浮かぶことが無い


…駄目だ、姉の記憶から何か得られるかと思ったけれど、お姉ちゃんもこういう経験無かったっぽい。


そのまま、無言で歩き続けていくと、当然、何時かは目的の場所に到着する。

私達は一言も話すことなく、目的の場所である食堂に到着してしまい、そのまま、流れるようにドアを開き、連れ立って団体さんで中に入っていく。


幸いにして、月が傾き始める時間、誰も食堂にいなかった。

カウンターの奥で作業しているおばちゃんの前に立ったは良いのだが

「…えっと」

今の状況をおばちゃんに説明をしようとしたのだが、どう説明したらいいのかわからず固まってしまうと

「団体さんのお出ましだね、出来合いの物でいいかい?」

今の状況だからこの食堂にも多くの部外者がくることもあるのか、おばちゃんは見慣れない人達に得に驚くことも無く何時ものように黒板を指さしてくれる。


黒板には本日のメニューが書いてあることが多い。

好みに合わせて一つや二つ、メニューを用意してくれているし姫様みたいにアレが食べたいとリクエストを言えば用意してくれる。


今日のメニューは何かと黒板を読み、私も好きな内容なので、味に関しては問題ないと思う。

「お」王様はどうされますか?っと振り返って声に出そうとすると唇に王様の人差し指が触れ

「気軽に名で呼ぶことを許そう」

名前で呼ぶようにって言われたけれど…これ、不敬罪ってやつにならないかな?


だって、王様の名前、覚えてないよ…

困った顔で王様を見つめていると


「いや、まて、名も困るな、ここでは名を名乗らず特殊な呼び名を用いるのであったな、では、俺の事はキミと呼べ」

すっと唇から指が離れ

私が名前を憶えていないのを見破られちゃったのかな?その温情に甘えてそう呼ばせてもらおう

「ぁ、はい、キミさん、今日の献立は此方になります、如何でしょうか?」

黒板に指を刺すと、王様が黒板の方へと視線を向けて黒板を眺めている。

書かれている献立は、女将特製シチューとパン、後は欲しい人はサラダゆで卵付っという無難も無難なメニュー。時折、姫様がリクエストするよくわからない食べ物じゃなくて!味の想像がつく!


「ほう、特製か。して、女将っというのは目の前の女性か?」

女将って書かれていると、私達じゃないとそう思うのも致し方ない、説明をしてあげるべき、だよね?

「いえ、粉砕姫さんのことです、彼女が開いているお店のメニューにあるシチューかと」

「そうだよ。リクエストがあったんでね、今夜はそれにしたんだよ、お肉ゴロゴロたっぷりとはいったシチューが食べてぇってね、昔なじみの女将ちゃんが言ってくれたから作ってあげたのさ、味に関しても女将ちゃんお墨付きだから安心しな、なにせ、レシピに関しても共有して貰ってるからね、遜色ないと私も女将ちゃんも感じてるよ?」

だったら、味は問題ないかな?私も好きだし

背中に隠れているメイドちゃんに大丈夫だよね?っと視線を向けると頬を膨らませて視線を合わせてくれないので


私が進行役を務めるしかないってね。

人によってはお肉が食べられない人もいるのでまずはそこの確認!

「お肉は食べれますか?」

「いただこう、給仕の女性よ、量の調整はきくのか?」

「大盛りかい?」

ドンっとカウンターの上に置かれる大どんぶり、女将さんが食べる時につかってるどんぶり

っというか、私が特にエスコートしなくてもいいのでは?

彼が前にでるのなら、私はそれを見守るのが一番。

「お気遣い痛み入る、だが、その逆だ、少なめが好ましい」

「ほいじゃ、このサイズでどうだい?」

姫様が普段使っている小食用の器が置かれ

「それで頼む、パンも…そうだな、食べきれない分は誰かに渡してもよいのか?」

「シェアってことかい?そんなの気にせず食べな、ここでのルールってわけじゃねぇけど、決まってるって言うのは、そうだね、これだけかな?残して捨てる、これだけはダメだよ」

おばちゃんの豪快な説明が面白かったのか、王様がふふっと小さく笑ってから

「構わぬ、この人数だ各々シェアすればちょうどいい量になろう」

そう言いながら後ろを振り返ってついて来た人たちを見ると、全員困った顔でどうしたらいいのか慌てている。

何を困ることがあるのだろうか?私も名案だと思うんだけど?

「なら、全体的に量は少なめにしておくよ、足らなかったら各々お代りにおいで、そうときまりゃ席に座って待ってな出来上がり次第、呼ぶからね、えっと…8人前っでいいかい?」

私とメイドちゃんと王様とその他5名だから、いいのかな?

メイドちゃんが服を引っ張って小さな声で私も食べますっと返事を返してくれるので

「はい、それでおねがいします」

「あいよー」

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