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最前線  作者: TF
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とある人物が歩んできた道 ~実は神采配~

それから、数日の間は、何事も無かった。事件らしきものは何も無かった。

ちょっと戦士の方で何かざわめきがあった感じがしたけど、あれはなんだったのかな?こっちですることが多すぎて戦士の皆様が居る場所にいけない。


騎士様も、お仕事が忙しいみたいなので、お互い、何か進展があれば、定例会議を行うっという話の流れになっているので、当面の間は何事も無いと思っていた。


だけど!


戦士の人達がずっとうるさいっていうか、ざわめている?

何事かと思って向かって騒ぎの近くに行くと、坊やと乙女ちゃんが仕留めてきたのか、どえらいもので広場に転がっている。

普段であれば、10人以上の体制で挑むような難敵をたったの二人で仕留めてきて、ちゃんと獲物を持って帰ってきたってことで大騒ぎになっていた。


何を仕留めてきたのかと広場に置かれているのを見ると大きな大きな熊タイプの獣だった。

熊タイプは過去のデータによると、非常に難敵で体力も非常に高く、攻撃力防御力全てにおいて二足歩行タイプの猿共に匹敵する

単独で出会えば死を連想するほどの難敵!これを二人だけで倒してくるなんてすごいじゃない!!


坊やが、戦士達に囲まれてやいのやいのと褒められたりしている。これでもう、彼は一人前として認められるのだろう。騎士様の思惑通り進んでいる、この戦果があれば、彼に部隊長として任務を任せても問題ないと思う、もう、坊やなんて呼べなくなる日も近そうね。


相方の乙女ちゃんはっと?ん?どうやら相当、消耗しているみたいでみんなに挨拶を終えた後は自室に向かってよろよろと歩いていく、んだけど、歩き方おかしくない?足を怪我してるわけでもないのに?内またで歩いているけど…?


医療班のTOPとして見過ごせないし彼女を診察しないと!

ふらふらと鎧を装着したままで自室に向かっていく乙女ちゃんの傍にかけよると

隣に人が来たのがわかると同時にビクっと体を震わせたと思ったら恐る恐るこちらを見て、私を見た瞬間ほっとしている様子だった


…何か様子がおかしい気がするけれど、本気で大丈夫かな?


歩くのも辛そうだから、肩を貸してあげると「んぅ」ビクンと体がはねる?何今の艶めかしい声?…っは!?ぇ?あ…ぁ~なる、ほど…

「よかったね、おめでとう」

何が起こったのか瞬時に察し、耳元で誰にも聞こえないように囁くと乙女ちゃんの顔がぼっと一気に真っ赤に染まり

「…はい」

とても小さな小さな、声で恥ずかしそうにだけど、とてもきれいでステキで輝いている、史上最高の笑顔で返事をしてくれた。

かは~、長年の恋物語に終止符がうたれちゃいましたかー

ここからは、恋から愛の物語になっていくのよねー!!いいじゃんいいじゃん!!夢は願えば必ずかなうのよ!!


こんな状態じゃぁねぇ、そりゃねぇ?確かに、うんうん、誰かに見られたくないし警戒するよね、ごめん、たぶん敏感になっているのもきっと、アレのせいよね?

こればっかりは謝罪しないとね、悪いのはきっと調合の加減を間違えた私だよね。

ほんっと、ごめん、まさか、そこまで敏感になるなんて思ってもいなかったのよ。アレの扱いに気を付けないといけないわね、あの組み合わせ…


デンジャーね…ぐへへ


乙女ちゃんの自室に就いたらささっと鎧を脱がして、ある程度、体の汚れをふいてあげて、後は、ゆっくりとベッドに寝かせてあげると、一瞬の瞬きで眠りについた

よっぽど疲労が溜まっていたのか、心が落ち着かせれる場所にこれた安心感からなのか、本当に一瞬だった。


さて、寝ちゃったことだし、鎧の手入れをしてあげたいけれど…よくわからないのよね、う~ん、このまま置いていくのが無難なのよね~

静かに部屋を出ていくと、廊下の向こうから坊やが駆け寄ってくる

「ぁの!」

近くに来ると心配そうな顔と声で聴きたいことがあるのだろうと声から察する、聞きたい内容なんてわかってるわよ

「大丈夫、ケガも無し、異常もなし、貴方も大丈夫なの?」

こくりと頷くので

「なら、傍にいてあげなさい、これからもずっと傍にいてあげるのよ?」

ぽんっと肩を叩くと驚いた顔をした後は、きりっとした大人の顔つきになって静かに「はい」っと返事をする。

その姿に心から任せれると安心して離れていくと、坊やは静かにゆっくりと部屋に入っていく。


うんうん、恋が成就して愛になるなんて良いことじゃない。いつか、どうしてそうなったのか~とか、私の知らない恋の物語を根ほり葉ほりきいてやろ!

一番気になるのが初のあれが野外ってのはどんな気持ちだったのかきかないとねぇ。ぐへへ


淡い恋心の経緯なんて、王都にいたころじゃ世間話ってレベルだもの、懐かしいなぁこの感覚、私の周りはいっつも、恋の話題ばっかりね~

学生だった頃に友人たちと会話する内容の殆どが恋バナだったなぁっと懐かしさを感じながら離れていくとふと、大事なことに気が付いてしまう。


そう、私達の常識では16で妊娠当り前!!避妊してねぇんじゃねぇのか!?っという事実に!!


…っはあ!?しまった!?避妊はしとけって言うの忘れてた!!これから大事な時期だってのに!おめでたになって戦力ダウンは避けたいってのにさ!!

一瞬、引き返してドアに入って忠告しようかと思ったけれど、それは余りにも無粋ってものよ!

まぁ、いっか、今は二人だけで甘い甘い幸せを噛み締めさせてあげましょう。

何処かの機会に釘を刺してあげましょう、こればっかりは、騎士様からじゃ指摘しにくい部分だものね。


・・・・今日ので一発でおめでたなんて、そんな、ねぇ?奇跡ないよね?…ないよね!?ってか、これから二回戦とかもないよね!?ぁ、すんごい不安になってきた!!溢れる若さってさ、怖いよね?


大丈夫、あの疲労感だと朝まで起きてこないと思うし!寝てる人を襲うようなことはしないと思う!…きっと、うん、きっと大丈夫。


広場に戻ると研究塔のメンバーが専用の汚染されても問題ない服に着替えて熊を解体していたので、私も着替えて一緒に解体作業を行う。


解体して得られたのが、爪と内臓って言っていいのか内部機関って言ってもいいのかよくわからないけれど、研究塔のみんなが大喜びだった。

これ程、綺麗で傷のない、魔力を保存できるタンクをゲットできるなんて思ってもいなかった!っと歓喜の声を上げていた。


四肢をばらして適当に転がっている腕を指さして

骨とかって何かに使えないのかな?めちゃくちゃ硬いよね?って質問をしてみると

肉は使い道がないけれど、骨は色々と使い道があると教えてくれた。それじゃ、骨から肉をそぎ落とす作業をしないとね。


手持ちのナイフでそぎ落とそうとするがめちゃくちゃ硬くてびくともしなかったので、どうしたものかと悩んでいたら

薬品につけて人の力で切れるようになってから切るので大丈夫ですよっと目元しか見えないけど微笑んで教えてくれた。


普段、解体作業とかしないから、手順がわからない、専門の人にお任せしよう、何か私でも出来る作業があれば手伝おう。


あ?もうない?それよりも、奥様の作業を手伝ってあげてほしい?


そういえば、見当たらない、何処にいるのかと解体している人に尋ねてみると、研究塔でこいつらの爪を矢じりに加工しているので手伝ってあげてほしいっと、爪なんて何に使うのかと思ったら矢じりに加工してたんだ!へー使えるところは何でも使う。医療と一緒ね。


返事をしてから研究塔で作業をしている奥様のもとへと向かっていく。

これからは、もう少し解体班とか、敵のパーツを使って作られる道具とかも知っていった方がいいよね。

何処かにお金になりそうなものがあると思うし、新しい発見もあると思うからね。

自分の目的以外にも、知識を高めないと来る日に向けて、準備をしていく過程で知識不足によって、いつどのタイミングで来るかはわからないけれど、何をしたらいいのかわからなくなって、足止めを食らってしまいそうだから、時間を無駄にしないためにも!そんな事態にならないようにありとあらゆる物に目を光らせていかないと!


あ~あ、もう、ほんっと、全てにおいて知識があって、発想力が高くて全体を指揮できる凄い頭脳の持ち主こないかなー。

私みたいな凡人じゃ、限界なのよね~、毎日がいっぱいいっぱいで処理しきれていない気がするのよね~。


研究塔でクマの爪を加工している作業服の奥様に声をかけて手順を教えてもらい加工していく。

加工そのものは非常に簡単でサクサクと終わらせていく。


っていっても、矢じりに出来る数も決まっているし、3本だけ作っておしまい。

全部で7本出来たのかな?たったの7本か、少ないけれど、強固な皮膚や毛皮をもった獣には有効的で弓兵達の切り札として渡されるのね。


作業服を脱いでいると他のメンバーがどうやったらあんなに手際よく綺麗に作れるのかコツを聞きに来られても、私は奥様の指導通りにしただけよ?っと伝えると、天性の器用差の違いだというのかっと落胆して帰って行かれた。


奥様もこればっかりは指先の感覚が物を言うからしょうがないのよーっとのほほんっとされていた。

後は、日々の魔力コントロールの訓練のおかげかわからないけれど、微細な動きとか指先に魔力を込めながら動かすことが凄く滑らかに動かせれている気がする。

その影響も少なからずあると思う。


その事を奥様に伝えると、あげた魔道具が役に立ったみたいでよかったーっと喜んでくれた。

うん、違う、伝えたいのはそこじゃないのよ?練習方法よ?私、研究塔の主になる気はないのよ?医療班のTOPとしての仕事もあるのにこれ以上背負いたくないのよ?

だから、実質、研究塔のボス的立ち位置の奥様には頑張ってほしいのよねー、それとなく練習方法などを伝えると魔道具がないから無理じゃなーい?っとさらっと流されてしまう。


私には交渉する能力が低いのだと前々から、ううん、薄々気が付いている。

押しが弱い気がするのよね~…押し切れないのよ、何時如何なる時も。


それから、数日の間は研究塔で解体の手伝いをさせられることが増えてしまった。

手先が器用な人が少ないから助かるわぁじゃないのよーそれよりも、術式の研究をしましょうよー奥様ー?


私と奥様の貴重な時間を割かれるわけにはいかないので、徹底的に解体班の指先のコントロールを訓練する方法を考案し、まずは、先輩に叩き込まれた裁縫の技術とかを指導していく。


指導も終わって、ちょっと休憩してから次は医療班の夜勤だぁっはっはっは、あれ?忙しすぎない?仕事がさらっと増えてない?大丈夫?持つの私?

騎士様も最近はずっと遠征でいない、坊やと乙女ちゃんが大物を倒した影響で疲労困憊だから暫くは休ませようってことで、その分、騎士様が二人の代わりに外で頑張ってくれているのだけど


私の癒しが、心のオアシスが遠い、遠いのよぉ…


ふぇぇ、ちゅらい、ちゅらいのぉ、もう、やぁだぁ…


中庭のベンチでごろりと横になる、ぼーーっと何も考えずにただただ、横になっていると坊やと乙女ちゃんが修練場とは反対方向に向かって歩いていく。

何逢引?あーもーやってらんねーみせつけてくれんじゃないのさぁ!!!


ゆっくりと、二人に気が付かれないように後ろをつけていくと、木陰の裏で、二人で仲良く抱きしめあってんじゃないのさ!!

きっと、私の知らない場所で隠れてデートとかしてたんだろうなぁ、いつか根掘り葉掘り聞きだしてやる!そしてからかってやる!!覚えてなさいよね!!


二人がキスをし始めたあたりで、ばれないように、その場を後にする。


結婚式に着ていくドレスって、まだ私の体に合うのかな?長いことドレスなんて着てないし、新調しとかないとダメな気がするなぁ…

だって、この街に来る前と比べると確実にふと・・・・


さぁ、運動もかねて医療班でガシガシ歩き回るぞう!!

特に何もすることなく巡回しまくっていたら先輩に怒られてしまった。仕事をしろやこら!っと…してるじゃないのー、失礼しちゃうなぁ。

今は入院してる患者ゼロだけどな!誰もいないけれど、診療の為に各、入院用の部屋見まわってるじゃーん。ぁ、患者が居ないのにうろつくなってことね!!


っち、しっかりと私の動きチェックしてるじゃん。


まぁ、巡回しながら色々と考え事もして、良いアイディアも浮かんだことですし、それらを紙にまとめながら仕事をしましょう、そうしましょう。


それから数か月間は奥様と一緒に解体班の訓練を行って、みんなの手先が非常に良くなりました。

更に、騎士様が鳥型の獣を見つけ次第、上空にいるやつを投擲のロープ?みたいなのを投げて空中にいる鳥を、頭部を損傷させないように地上に引きずり込んでから、首を落としてくれるおかげで、大量の眼球が手に入りました。


意気揚々と笑顔で、箱にみっちりはいった鳥の生首を渡されたときは絶叫しそうになりました。後で軽く文句は言わせてもらいましたよ!まったくもう、褒めてほしそうにくるあたり、子供っぽさがあってかわいいんだから~もう…好き!大好き!!


あの日の約束を果たしてもらうためにも、頑張らないと、出来る限りの手を尽くさないと、倒れそうになってもここが踏ん張り時なのだから!!



そんなある日、乙女ちゃんが珍しく診療所で私を名指しで来所したものだから、何事かと思って話を聞くことに


いやーな予感がずっとするんだけど…まさか…ね?違うよね?



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