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最前線  作者: TF
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とある人物が歩んできた道 ~目覚める母性~

黙々とご飯を食べる、いつも同じ朝食のメニューを黙々と食べる。

シャワーを浴びてきたのか髪の毛がしっとりとしている乙女ちゃんがお盆をもって目の前に席に座る。


「おはよう、朝からお風呂?」

口の中にあるものを飲み込んで、挨拶をすると


「はい、朝の鍛錬が終わったので、軽く汗を流してきました」

にこやかに笑顔で答えてくれる、最近っていっても半年以上も前かな?

乙女ちゃんが会話に慣れてきたのか物怖じしないで、ちゃんと受け答えが出来るようになった、それも親しい人以外でも問題なく全員に

来た当初に比べて張り詰めたような空気も減って、誰でも丁寧に受け答え出来る為、この街でファンクラブが出来つつあるくらい人気が上昇している。


美貌も、まぁ、私には、ま、まけますけどぉ?凄い美人さんになった、もう、あのあどけない感じが無い、それが少し寂しく感じてしまう。

ある日を、境に心にゆとりが出来たみたいで、凄く雰囲気が柔らかくなった、きっと、坊やの件で進展があったのだと思う。

本人が報告してくれるまで変に突かないようにしているので、いつか、紅茶を飲みながらあの場所でお話をしてくれるのを待てばいいかな。


二人とも美味しく朝食を食べ終えて、ゆっくりとお茶をすすっていると、気になることを思い出した。

「戦士長から教えてもらったんだけど、二人で遠征にいくのよね?」

最近はずっと外に出ないで街の中で訓練しているみたいだけど、いつ出発なのだろう?

「ぁ、はい、明日です。なので、今日はお休みなんです」

ハニカム笑顔がステキね~、笑顔が一番一番。

それにしても、明日かぁ、念のために仕込んどくか興奮薬…


「それじゃ、念のために、魔力回復促進剤とうがい薬も準備しておくわね」

その一言で眉間に皺が出来てしまった、やっぱり苦手なのは変わらないのね。


その後は、栄養補給の為に用意されている丸薬の味がどうにか出来ないのか乙女ちゃんから質問があったのだけれど、あれを考案したのが先輩だと知ってしまった以上、つつけないのよ!怖いもん…弟子としては、師匠の作品に手を出すのって怖いのよぉ…

ちゃんと改良点を念入りに作ってデータを用意してから理論っと言う武装も完璧に練り上げないとガチで説教されるの、

「思い付きでやれるほど医療はあまくねぇぞこらぁ!」って怒鳴られるの嫌よぉ、もういい年齢になったのに、怒られるのは堪えるのよ~


まぁ、過去にやらかしたのが両手じゃ済まないほどやらかしてるから、先輩は私にすごく厳しい…現時点で一応、医療班のTOPってのもあるからかもしれないけどねぇ…


その辺りの事情も説明し、何かいい案があれば教えてねっと乙女ちゃんに言うと「…私も料理はしたことがなくて」っと、困惑した顔をされてしまった。

貴族出身の人達で料理に興味がある人って少ないのよ。


取り合えず、製法と材料の見直しをするべきなんだけど、私一人では改良できる自信がないので食堂のおばちゃん、もとい、お姉さんに、また、ご協力を願わないといけないので、私一人で頼むとちょっと、頼みづらいので乙女ちゃんも一緒に頼んでくれる?っとお願いしてみると

「戦士のみんなで今度、頼んでみます」

笑顔で引き受けてくれた、頼もしくなってお姉ちゃんは嬉しいよ…


明日への準備をするために食堂から離れて、研究塔で魔力回復促進剤セットを受け取り、念のために二本とも興奮剤を仕込んでおくとしましょうか!

きっと、効果は抜群でしょう!場合によってはね?夜、二人、焚火の近くで!!なんてことも!?あるかもねぇ~。


ニヤニヤとしながら、食堂にあるでっかい氷を入れて箱の中を冷やし食材などを保存する為の大きな箱の中に仕込まない魔力回復促進剤セットを入れて、食堂を出るときにお姉さんが勝手に変な物をいれないでよっと睨んでいる気がするけど、置き場無いのよ、ご協力感謝です~っと手を振りながら食堂からでていく。


準備を進めていく為に、自室の裏研究用のラボに向かう。っていっても、機材は常時、部屋の片隅に置いてあるので全然、秘密感はない。

自室も特に鍵はかけてない、盗られるものなんてないし、そんなことをする人がいるとは思えないし、盗られる可能性があるとすれば、魅力的な私が身に着けているせくすぃな下着だけかもねー、なっはっは!

さて、悲しくなる冗談は置いといて、自室に入ろう。


自室のある一角に鍵付きの箱がある、私の給料2年分くらいの殆どをつぎ込んで作った特殊な魔道具の箱。

下手に開けようとすると箱の中に向かって炎を打ち出す仕様になっていて、鍵を使わないで開けたら中身が焼失する仕組みになっている。

その箱の中から、特製に調合した世の中にレシピを非公開にしてある、ちょっと刺激が強い興奮剤が入った瓶を取り出して、蓋を開けてみる

うん、匂いも特に問題なし、騎士様から教えてもらったこの日に備えて作成しておいて、日付もそこまで経っていないので悪くなっていないと思う。


媚薬ほど強烈な物じゃないけれど、これを飲んだら体が火照って、熱くなるって程度の興奮剤。

本当にちょっとした興奮を得られるまんねりとした日常に刺激を与えてくれる薬

レシピを非公開にしている理由は一つ!!材料が王都では比較的、手に入りやすいので何かに悪用されてしまう気がして封印


日常で使ってもそこまで悪影響のない範囲を目指して調合してある。

なお、自分の体で実験済みなので、どの程度の反応があるのかは把握しているが、魔力回復促進剤接の中に入れてどういった反応が起こるのかは…未知数

え?どの程度か気になるって、あなたもエロスの権化なのねぇ、ちょっと●●が普段よりも盛り上がる程度よ、あと、一回じゃ満足できないくらいかな~


王都の貴族に伝わる媚薬なんて一晩は正常な判断が出来ないくらいガツンと脳に響くやつしかないから、依存症になる恐れがある為、一部では危険な薬として認識されてて、市場で売ると騎士たちに取り調べを受けてしまう程、危険な薬品として認識されてるのよね。当然、レシピを知ってるから作れるけどね!!

…自分の体で試したときは本気で死ぬかと思ったものあれは危険よ…


ささっと二本瓶を取り出して蓋を開けて中身をフラスコの中に入れて、調合を開始しましょう!!


手早く調合して、瓶の中に戻して、蓋をする。これで完璧!

後は…出発前に二人に渡すのもなんか変だし、坊や達に予め渡しておく?ん~、前日に飲まれるのはちょっと違うし、当日に飲んでほしいのよね~。


さて、どうしたものか?


深く考えないで、出発する直前に渡せばいいか。

取り合えず、今日は夕暮れまで奥様と一緒に魔道具の研究とかいろいろとやることがあるからね。


夕暮れになって奥様も旦那とでぃなーなのうふふっと惚気ながら研究塔を後にする、旦那さんかー最近、ぜんぜん医療班に顔を出していないんじゃないかって?

そうでもないよ、夜勤で顔を出してるし働いてるよ!ただ寝てないだけ!!8時間以上の睡眠はとれていない、けど、お肌が荒れちゃうのがネックなだけで、体力的にはまだまだいける!


それにね、一時間とか30分の仮眠とか結構、所々で取っているから意外となんとかなってるのよね~。お肌が荒れてさえいなければ今のままでもいいんですけどね!!


今日は、元々、医療班としては休みなので、夕飯を食べた後は~…定例会議も無いし、今日は久しぶりに早く寝ようかな、お肌のケアをしてからね!

どっかで、マッサージしてくれるお店ないかなー、長期休みがあれば王都に帰って昔ちょくちょく通っていたマッサージのお店があるからいきたいのよね~。


食堂で夕飯を食べていると乙女ちゃんが前の席にくるので、ご飯を食べながら世間話をしているときに肩がこるのよね~っと話題をふると胸が大きいからですか?っと睨まれてしまった。

違うのよ?そういう意味じゃないのよ?実際これのせいで肩が凝ってる可能性は無きにしも非ずだけど、肩がこらない人は貧しているってわけじゃないのよ?って言うか、貴女BかCくらいあるじゃないの!平均よりも少しあるくらいだからいいじゃない!


話題を変えるために戦士長の話題を振ろう!どうやら、騎士様は朝早くから巨躯の女性とこの街に来て日が浅い新兵達を連れて少し遠くまで遠征に出ているみたい。

一言位、教えてくれてから行ってもいいのに、まったく、まぁ、朝早くなんて夜勤でもしていない限り起きてこない私が悪いよね~。


今頃、騎士様は野営しているころかな?それとも戦っている最中かな?元気に帰ってきてくれれば、それが一番ですから、無理をしていないか少し心配。


乙女ちゃんに明日の準備は万全なの?っと確認すると坊やと一緒に最終点検もしてあるので問題はありませんっと、仲いいじゃない一緒に支度するなんて、支度…今のうちに渡した方がよさそうよね?朝早くに出発されたら、見送れないかもしれないし。

乙女ちゃんに渡すものがあるから、ちょっと待っててと言うと自室に急いで戻る。


例の瓶セットをもって…も、自室にある大人の■■■■(未使用)が目に留まる…渡すべき?いや、初手でこれは、なしか?うん、なしなし、それよりも、エチケット用に汚れてもいい布を渡してあげた方がいいよね。


後は念のために消毒用のアルコールを渡しておこう、うん、念のため念のため、小瓶にアルコールを入れて蓋をする。


支援セットをもって食堂に戻るとちょうど坊やもご飯を食べてて乙女ちゃんと楽しそうに会話をしていた。

この二人の仲睦まじい感じがあちこちで繰り広げられているのに、この光景を見ても、ファンが生まれる辺り、乙女ちゃんも罪深い女になったものよ…


二人に例の瓶セットを渡すと嫌そうな顔をされたので、「野営前にでも飲んで疲れを少しでも取って常に万全の体制にしておきなさい」っと強引に渡す。

更に念押しで、「これは明日の分だからね?今日は訓練してないのでしょ?」二人ともこくんと頷く、朝方に乙女ちゃんから今日は体を明日に備えて休ませるようにと戦士長に言われているのでハードな訓練は一切していないのは確認済み。


「だったら、明日飲みなさい」年長者としての威厳で有無を言わせなくする。

二人とも渋々返事をしたので、今日は私もお風呂にゆっくりと浸かって寝ることに。



早めに寝たので自分でも驚くぐらい早くに目が覚めた、まだまだ夜勤組と交代する時間じゃないので、久しぶりに、朝の散歩でもいって目を覚まそうかなっと広場に行くと、完全装備に遠征の荷物を持った坊やと乙女ちゃんが居た。


結構、朝早くに出るんだ、どうせだったら見送ってあげようと近くに行くと坊やと乙女ちゃんが祝詞を歌いだした。

その歌が目の前にあるってことは、私がすることは一つ、戦士が戦場から無事帰ってくることを始祖様に願う為に祈りを捧げる姿勢を取り、祈りを捧げる。


この歌も、始祖様が戦場に行くときに、教会にいる全員で歌った歌が始まりって言われているのよね。

それが、代々と伝わって、騎士や戦士が大事な戦いに赴くときに無事帰ってこれることを祈って歌う様になったのよね。まぁ所説ありますけどね。


二人が仲良く歌を歌い終わった後は、二人に声をかけて、戦場に行くのを見送った…


どうしてかわからないけれど、二人を見送るこの感覚ってきっと大事な子供たちが危険な仕事場に行くのを見送る母親の気分なのだろうかと思ってしまった。

そんな年齢じゃないってのにね!…いや、適齢期で結婚していれば、ちょっとまって?…もしかしなくても、8歳くらいの子供が居てもおかしくない?

王都での平均的な、貴族の娘は16か7くらいで結婚したり妊娠するのが普通だものね?…


さすがに、あの二人ほどの大きな子供は私の学友たちも産んでいないからセーフ!セーフ・・・よね?まだ私若いよね?

あれ?14で結婚した人もいたよーな?…


っさ!頭切り替えて、早めに診療所に行きますか!!年齢を考え始めたらいよいよおばちゃんだからね!!やべぇ、おばちゃんのことバカに出来ない年齢じゃないの!反省しよう…


天を見上げると薄っすらとお月さまが見える、なら大丈夫、朝でも始祖様が二人を見守ってくれているもの、始祖様がいる裏側まで連れていくのはまだまだ、早いですよね?

あの二人には幸せになってほしいもの…私が掴めるかどうかわからない夫婦としての幸せを願うばかりね…


乙女ちゃんの子供って可愛いんだろうなぁ~出来たら抱っこさせてほしいなぁ~なんて考えちゃう辺り、母性が爆発寸前なのかしら?…年ね、こればっかりは年なのね…

っさ、職場に向かおう…ぁ、朝ご飯食べてない・・・まぁいっか


朝早くでしか得られない独特な空気に満たされながら明日を祈り、今日を生きる。

来る決戦に備えて、出来ることをやろう、後悔はしないさせない為に、私が騎士様を守る、その為に出来ることを今日も頑張ろう。




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