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最前線  作者: TF
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Dead End ユUキ・サクラ 妖闘桜散 (132)

歯を食いしばり直ぐに、霧散しない様に停滞している魔力の塊を呪詛へと犯し変換させ歌い混ぜ、範囲を広げる様に爆ぜさせる!!

私が前へ出たことによりさっきよりも効果範囲は敵が警戒している奥へと届く!この瞬間だけだけどね!!


放出した魔力を全て変換したあと、即座にケーブルがある場所へと自分の体を飛ばし着地するぅ!ぅっぐ!衝撃がきっつい!!痛覚を軽度遮断してるけどぉ!伝わる衝撃はカットできるわけがない!…明日が怖い。


即座にケーブルを念動力で持ち上げて接続する

簡易的に脱着できる構造だから出来るとは思っていたけれど!出来て良かった!

ぶっつけ本番!でも何とかなった!見えない場所で念動力を動かすのって怖いんだよね!暴発すると軽く私の体くらい軽く捻じ切っちゃうからね!


クィーンから魔力を吸い出し、魔力を放出し、呪詛を練り込み術式を放つ!!

即座に『後ろへ』勇気くんの近くで音を発生させる


私が移動したこの一瞬だけ、術式の効果が途切れてしまうかもしれないが、そんなの問題ないでしょ?だってさ、敵が術式の範囲を検知できているわけがないと見ているから!

先生が嫌なことを考えさせれば天才かもしれないけれど!術式に関しては天才じゃない!術士が突拍子の無い動きをしたとしても!咄嗟に!即座に!対処できるとは思えれないってね!

今までの動きを見ていたら後の先を取る様に私達の動きを見てから策を講じてる!それが証拠!!


視線を勇気くんの方へ向けると、敵を倒したのかどうか見えないけれど、深追いせずに下がってくれている


爆発した様子がない!この作戦は有効と見ていいよね!これを繰り返せば!!

っと、全部の部隊に同じことが出来れば良いんだけど…出来ないんだよなぁ。

これを見て無謀無策な人だったら勇気くんが合わせれたってことは、マリンさんやカジカさんも出来ないことは無いだろうっていうだろうね!

たぶん、ううん、マリンさんとカジカさんが同じ動きが出来るのかって言われると難しい。

彼らだとね、今の一つのミスで部隊全滅もありえるような、今まで敵が見せたことのない連携力を膠着した状況で勇気くんのような柔軟な思考で打ち合わせなく動けれるほど…術式に精通していない。

もっと、もっと、マリンさんもカジカさんも…私と深く関わっていて連携を取っていて術式の講義に真面目に!参加しているっていう経験があれば可能かもしれないけれど~…

出来るのかどうかって考えると、五分五分?ううん、もう少し下がるかも。

だとしたら危険な賭けになる。


だから、しない。

そんな危険な賭けをしなくても私と完璧に連携が取れる人を動かせれる様にすればいいだけど!勇気くんをフリーにさせる!!


術式を維持しながら魔力をめい一杯、吸い出そうとすると

『こちらは片付いた』

心臓が飛び跳ねそうになる…唐突に耳元で囁かれれば驚く!うん!これはマリンさんやカジカさんに出来ない!音がした方へと振りむいちゃう!


むぐぅ、それとは別に、その才能にちょっと嫉妬しちゃうなぁ。

ユキさんが見せてくれた音を何もない空間で生み出すっていう術式、こうも簡単に!何でできるの!?それも私よりも文字数多い!!


驚いたり嫉妬したり…流石は私の勇気くんっと惚気たくなる湧き上がる衝動を抑え、視線を向けるとマリンさんが居る場所に向かって駆けだしている

勇気くん部隊を追いかけるような新たな影はない、追撃用の人型は用意していない。

敵も余裕がないってことかな!敵の駒も数が尽きてきてるのかもね!!


勇気くんが移動し合流するまで一時の間がある!

敵が術式の範囲にいるかどうかは把握しきれていないのであれば!

術式を一時中断!クィーンから吸い出した魔力を使って私の筋肉を回復させつつ!次の一手の為に魔力を体内で圧縮!!勇気くん達が攻めるタイミングを合わせる準備!


先の一手でわかったよ!この術式を常時展開する必要はない!

敵は、私が放っている術式がONなのかOFFなのか理解していない!わかっていない!

この術式に対してのカウンターは用意できていない!自爆タイプは自身の中に仕込まれている爆発するための機構に干渉されているのかどうか、わかっていない!!自爆する瞬間にしない?どうして?って感じだろうね!!


こうやって、一つずつ一つずつ、敵の意図や敵が持つ情報を推察し考察を積み重ねていき、それが正しいのだとあっているのだと感じるこの感覚、懐かしいと感じてしまう。


一手進めるごとに、相手を知っていき

一手進められるごとに、自分の間違いに気づく


何処となく、本当にどことなくだけど…感じる、先生の意思を…

情報こそが大局を見極める全てって、先生は言いたいのかな?

この戦いこそが先生としての最後の授業であり集大成とでも言いたいの?

自ら望んだのか強制的に操られているのか知る術はない、されど、人類の敵となったことを断罪し解放してあげてこそ弟子の務めだと噛み締める…


なんて殊勝な考え、生まれるとでも?


ごめんね先生、正直に言えば先生を救いたいとかそんなの一度も思った事ないんだよなぁ!この局面の中で箱一つ分もそんな殊勝な考えが生まれるスペースなんて無いよ!寧ろ!苛立ちしか湧き上がってこねぇっての!!

私を突き動かすは怒り!そこから生まれる激情!そこに明日を望む希望というスパイスを混ぜて狂わない様にコントロールする!混沌とした私達の歩んできた苦悩の日々を導く!!


体内に魔力を圧縮!幼き頃にお母さんと一緒に練習してきた成果が出てる!

勇気くんも合流する!


その前に!再度周囲を警戒…

見晴らしが良い場所ってのは敵からも私からも好都合!

潜みようが無い!敵の影は見当たらない!


…なら、私はクィーンから解き放たれた飛車!真っすぐに前へ奥へ!敵に近づいて牽制する為に飛ぶ!


勇気くんが合流するタイミングに合わせる!先ほどと同じように背中のケーブルを外し先ほどと同じ方法で前へ飛び出て術式の効果範囲を広げると、此方の様子を見ていたのかそれとも完全に合わせてくれると信じているのか、何も連絡することなく完璧に合わせてくれる!!

マリンさんと勇気くんが前に出て敵を…此方側に吹き飛ばしている

私が下がるのも見越しての行動!敵を確実に効果範囲内で仕留める為にぶん投げて戦士達が人型を潰す!当然、爆発はしない!

それだけじゃない、敵の数が減れば減る程、私達への危険性が下がる

…これなら、メイドちゃんを近くに呼び寄せても良さそう!


視線をクィーン号へ向け、勇気くんに向けて音声を飛ばしたようにメイドちゃんにも飛ばすと運転席のドアが開き、ケーブルが巻き取られていく


後は近づいてくれるのを待ちつつ、戦況を見定めないとね!当然!歌を歌い続けてね!メイドちゃんが近くに来るまで圧縮した魔力と解き放った空中の魔力で何とかなる!


これで、マリンさん達の危険は去った、次!視線を先の地点に向け、少し悩んでしまう。

カジカさんの番なんだけど、ジワジワと此方に近づいて来てるんだよね。

ジワジワとじわじわと、敵に弓矢を放ったり石を投げたりして挑発を繰り返し敵の神経を逆なでし誘い込もうとしてる。

今であれば効果範囲内なんだけど、ごめん、魔力の残量的に無茶は出来ない、カジカさんに知らせても行動に移す前に…ぁ、うん、歌が止まった…

これ以上、歌い続けるのであれば私の内臓を魔力へと昇華しないといけない、それは最後の最後!本当にどうしようもない時の切り札、死の一撃をこんなところで使うわけにもいかないっての。

んー、カジカさん部隊はこのまま近づいてくれれば楽に倒せれるけれど、これ以上、此方に近づくとカジカさんの狙いが敵に見破られそうだし、私の歌が止まっているのを見破られるかもしれない、歌を止めたとしても即座に全ての効果が消えるわけじゃない、メイドちゃんが間に合うと思うけれど、取り合えず、勇気くんには伝えておこうかな?


音を飛ばす為に魔力を捻り出す!圧縮していた一欠けらを使って彼に伝える!下がってと!


音を飛ばすと即座に下がって敵を威圧する様に剣を構えているとマリンさんも下がって敵が近づいてきたらぶち殺すという意志を見せつける様に斧を振り回してる

「お待たせしました!」

声がした方向に背中を託すとケーブルが取り付けられたので、魔力を吸い出し身体を強化して荷台に飛び乗る、視線を運転席に向けるとメイドちゃんが運転席に急ぎ足で飛び乗りドアが閉められた

「敵の増援は無い!っであれば、私達が前に出ればいい!様子見はお終い!攻めるよ!」「はい!!」

荷台の上で術式を展開し、歌い続ける

術式を使う私が近づいてきても敵が離れる様子がないあたり、敵も下がれる範囲に限界がある?

近づいていくと聞こえてくる声「爆発はしない!仕留めろ!」その声に反応する様に荒々しい雄たけびが広がり平地を支配していく


うん、先生が一手打ってきた今回の奇襲!結果だけで見れば勝ち!

戦士達の苛立った勢いを止めれるわけもなし!爆発しないただの人型じゃ不可能!!此方が自爆タイプを封じる術を持っているのは知ってるはずなのに、それに対してのカウンターを用意できなかった先生の負け!


…って踏ん反り返りたいけれど、楽観的に喜べない。

此方もかなりの痛みを味わってしまった…

視線を向けたくないけれど、向けなければならない、自分の弱さを愚かさを噛み締める為に振り返る…転送の陣があった場所を見るのが辛い、祈りを捧げる。



私が近くへと到着するころには全ての敵が倒されていた。

自爆という最大の攻撃手段であり最大の牽制手段を封じてしまえば自爆タイプなんてちょっと小さな人型、余裕を持って戦士達が蹂躙できる。

自爆タイプの首を撥ね落した後、全員が此方に駆け寄ってくれる。


被害状況の説明をお願いし受け取ると心が、胸が締め付けられるように苦しくなる。

怪我をした人たちを帰還させ、何とか耐え抜いたって感じ。一言で言えば辛勝…


私が此方に向かって飛び出してきた状況と照らし合わせると、恐らく、怪我をした戦士や騎士達は、勇気くんが手配した転送の陣を運んでいる人達と出会って帰還したとみて良さそう。ただ、予想外の出来事が起きたってことだろうね…

転送の陣を開く準備をしているその最中に敵に襲われた結果、非戦闘員を含め多くの負傷者が出た…医療班も例外なく。


彼女はきっと、負傷者を助ける為に自身の腕を犠牲にしたんだろうね。

医療班の皆は優しい、誰も傷ついて欲しくない、そう願っている人が多い。


救わなければいけない、彼女達を、命を守ろうとした彼女達を死なせてはいけない。


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