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最前線  作者: TF
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Dead End ユUキ・サクラ 妖闘桜散 (109)


幸いにして敵が光の粒に対して命がけの特攻等をする様子が無い。


戦士達が動きを封じてくれているのだろう上空には鳥型の魔物もいない。

そもそも、鳥型の魔物はレアだからね!あまり見かけない。

たまに見かけるんだけど、見かける度に絶対に仕留める様にしてるからね!!

ある意味一番厄介な敵だもん!!


光の粒が飛んでいくのを全員がぼんやりと眺めている。

その間に、次の移動先を決めないと…うん、カジカさん達が居る方向へ向かった方が良いよね

「次の移動地点を言うけれど~…運転交代する?」

「しません!」「しましょう!」「運転したいです!!」

運転席にいる一人だけが反対意見。私達は民主主義なのだよ!

…いや、違うか私って言う絶対的な存在が居るから民主主義じゃないか…

「はい、多数決で運転交代が決まりました!次は誰運転する?」

運転席から聞こえてきた、もっと運転したかった!っという叫び声を無視して次は誰が運転席に行くのか、どうやらいつの間にか決まっていたみたいで、直ぐに次の人が荷台から降りて運転席に乗り込み「えっと、あっと…い、いきます!」不安しかない掛け声に皆が安全運転で頼むぞーっと笑いながら声を掛けている


エンジンが動き出すのと同時に光が弾けたのか、辺り一面に一瞬だけ光の華が咲いたかのように輝き、その直後に音と共に風が通り抜けていく。


今度は光が地面を照らした瞬間に視線を向けたから、爆発によって吹き飛ぶ姿が良く見えた。


衝撃波によって上空へと飛ばされている人型、良くわからない肉片が飛ぶ、まさに地上で大きな花が咲いたかのように大きく開き、そして…花弁が周囲へ飛び散っていく。

この一瞬で生命の全てが垣間見えたかのような気がする…これが風情ってやつ?


歓喜の叫び声がまたも大地を震わせる

歓喜の大声援に応えるかのように、戦士達の後ろを大きなトラックが通っていき、その姿を見た戦士や騎士達が盾を叩き吠えるような歓声を送ってくれる、まさに、強者の凱旋


「姫様、俺、術式班に所属して心の底から良かったって感じてます」

涙を流し見たことが無い程の笑顔

術式班って私が居ないと何もできないお荷物部隊って言われ続けていたからね。

滅多なことが無いと戦場に出ないってのもあるんだけどね。

だって、悪いんだけど、戦士や騎士達で対処できるのなら術式班の魔力は魔石に込めておきたかったんだもん!無駄遣い禁止!

「この杖から放たれる光の粒、その一発が、大地を震わせ空を開き風を飛ばす凄まじい一撃。これが叶ったのも、君たちが日々、溜め込んでくれた魔力のおかげだもんね。言うなれば君たちの努力のおかげなんだよ」

にっこりと微笑み返すと全員が一斉に顔を抑え大きな声で泣き出す。

まったく、仕方のない人達だね。その想い、報われるのはまだまだ先、術式班が輝くのは

世界を救ったその先、私と一緒に研鑽を積み研究を重ねてきたその全てが活きるのは平和な世界になってから。


技術者が居るからこそ世界は発展していくんだから!

絶対に、その世界を、未来を掴み取る!!


踏ん反り返って胸を張っていると、地面から伝わってくる衝撃で膝が折れ慌ててロープに手を伸ばし掴まる。


っとと?車が揺れるなぁ~?運転席を覗き込むと「ふぐ、うぐ」涙で前が見えていないのか正面をしっかりと見据えながらも嗚咽が聞こえてくる

「ちゃんと運転しないと私が運転するからねー?」

「だいじょうぶです!だいじょうぶです!!」

その必死さについ、っふ、っと笑ってしまう。

貴方の溢れ出る感情はどれ?

運転が楽しい感動なのか、報われた感動なのかどっちなんだろうね?

ふふふ、楽しくって仕方がねぇや!


ガコガコと揺れる荷台に揺られながら世界が虹色に輝いてる様な気がする。

笑い声、鳴き声、色んな感情を乗せたトラックが死の大地を駆けていく


「はは!凄いじゃないか!あれは姫様が開発したのかい?」

「お待たせ!凄いでしょ!!」

戦場とは思えれないくらい、豪快な笑顔で出迎えてくれるのが、遠くからでも直ぐに見つけれるほどに誰よりも、大きな大きな、近くで見ても女生とは思うことが出来ない巨躯!弾けんばかりの肉体美!

鎧を着たとしてもその勇ましさは輝きを隠し切れない!

ぱわーつぅざふゅーちゃー!

力こそパワー!

褒める言葉が尽きることが無い天性の肉体を持つ女性、巨躯の戦士マリン!


本当は、戦場に出て欲しくない人…

私が守りたい人、彼女にはどの時代の私も頭が上がらない、守ってもらってばかりだから…彼女もまた私のお母ちゃんだもん、娘さんが居るから呼んだことが無いけれど、心の中ではお母ちゃんって呼んでる。


「残念だけど、私作じゃないんだよね~…これはね、敵から奪ったの!詳しい経緯は今度ね!っで、戦況は?」

「何だい姫さんのご自慢の秘密魔道具じゃないのかい、戦況の方は…そうさぁね、御覧の通りさ、敵の勢いが一気に落ちたさ!!姫さんの二撃のおかげで敵が一気にしり込みしてくれてるさぁね!お陰様であたいが後ろに下がって姫さんを出迎えれるほどに此方が有利になってきたさぁね!当然、この隙を逃すあたい達じゃないぜ?一気に歩を進めさせてもらってるさぁね!」

おっと、言葉を間違えた、私達の一撃で誰か被害が出てないかってのを確認したかったんだけどね

「えっと、被害は?」

「?えっと、どうだった、か、ねぇ…おい!」

近くにいた衛生兵を手招きして呼び寄せてる、ってことは、狙った箇所的に被害が出るとは思ってなかったんだけどなぁ、計算を間違えたか…

「被害者は、どれだけ出てるんだい?」

あ、更に言葉を間違えた、足らなかったか

「っは!直近であれば、怪我人は4名ほどで、うち3名は時期戻ってきます、1名は先ほど姫様からの援護が行われる前に衛生兵と共に拠点へと帰還しに走っております!」

言葉が足りなかったと解っていても、報告を遮ることなく受け止めてから言葉を足して確認する

「えっとね、ごめんね。言葉足りなかった、私の攻撃で誰か被害がでたりは?」

この一言で二人がきょとんと、目を開いて此方を見てから

同時に笑いだす

「だっはっはっはっは!合図があって対処できねぇようなボンクラがあたいらに居るかっての!」「そうですよ!爆発だって俺達が構えている場所よりも遥か…ってほどでもないですが、遠くで爆発してるんですよ?巻き込まれようが無いですって!」

明るい返事に一安心!あんな爆発に巻き込まれたら即死を免れたとしても戦線復帰は厳しくなるからね!

「再確認だけどさ、マリンさんは、休憩中であってる?」

「休憩中であってるね、今の状況であれば魔道具持ちでも来ない限り、カジカとあたいが交代で前線を維持してるって感じさぁね~、正直言うとね援護が無かったら敵の数が多くてね、前に進めねぇから、ぁ…ぁ~!泣き言じゃねぇぞ?団長にあたいが弱腰みたいなことを、言ったなんて言わねぇでくれよ?酒の席であいつにからかわれるのが目に見えてっからよー!」

だっはっはっと豪快に笑って失言を誤魔化そうとしている。

本音は私に弱い部分を見せたくないだけでしょ?深くは掘り下げないでおこう。

「えっとね、戦況を見てきたマリンさんの直感だと、次はどの辺りから敵が攻めてきそう?」

「ん?…」

ちょっと上を向いて空を眺めながら考える、長考する程、重要視したいわけじゃないんだけど?っと、思ったらすぐに視線を下げて

「そうさね、姫さんが、おっと…こほん、姫様が燃やしている沼地んとこから溢れ出てんのか?そっから出てくるのが激しいと感じるさぁね、後は、奥の方から人型が引っ切り無しに襲い掛かってきやがるから~。何処からつっても両サイドから攻めてくるって感じさぁね、幸い、地中や空は平和ってところさぁね」

概ね予想通りかな?…ん~、次狙うとすれば何処が一番、敵が嫌がるかな?純粋に全てを吹き飛ばすのが一番なんだけど、速度がなぁ…光の粒って飛んでいくのがおせぇんだよなぁ~…近距離だと左程気にしないけど、中距離、ないしは、長距離だとおっそって感じるんだよね…だから、敵の集団が出てくるタイミングを狙い撃ちしてみるのもって考えたんだけどなぁ~。ん~、マリンさんにもう少し相談してみようかな?

「なるほどね…マリンさんは今って暇?」

「まぁ、休憩中だからね、暇って言えば暇さぁね」

マリンさんは暇かぁ、その肉体を持て余してるってわけでもない、か。休憩できるときに状況を見守りつつ休憩するのは良い事だよね。

うーん、でもなぁ、勿体無いっていうとブラックな考えだけどさ、マリンさんほどの肉体だったら爆弾とかを剛速球で投げれるんだろうなぁ…ってかんがえ


ピーンと閃く


「ちなみに10キロぐらいの重い棒を体をねじって横向きにスイングする様に振って、途中で止める事って、余裕?」

「こういう事かい?」

床に置いてある自慢の斧を手に取り横にスイングして、スイングの途中でビタっと止める

…うん、やっぱりこの人は化け物だ、その戦斧10キロなんて軽々超えているのに

「さっすが!」パチパチと拍手し脳内で新しい戦法を試せれると笑みを浮かべてしまう。

「こんな芸当で褒められてもねぇ?」

ふふんっと自慢げにしているあたり嬉しそうじゃん。

「私が止めてって言ったら止めれそう?」

最後の問題が反射神経の部分、マリンさんがここで止めるって予め決めてるからこそ、止めることが出来ているってこともある、私が狙いたい場所に止めてくれないと狙った箇所に飛ばせれないんだよね。ここ重要。

「ああ、問題ないさぁね!この程度の重さであればだけどね!」

「OK!ちょっと試したいことがあるからさ、ちょっと待ってね」

台座にセットしてある杖を外す様に伝え、素早く杖を固定しているのを解除してもらい

「この杖持てる?」

台座の杖を指さすと

「ああ、問題ないさぁね」

片手でひょいっと持ち上げている…長い得物ってさ、持ち上げる時に重心の影響で先がぶれたりするのに、一切ぶれる様子が無い、どんな握力してるんだろう?

「試しに横向きに振ってもらってもいいかな?出来れば先端についてる丸い球体が前側で」

「こうかい?」

杖の根元を片手で持ってブォンっと鋭い音と共に振ってくれる、ちゃんと言うとおりに振れてる!


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