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最前線  作者: TF
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Dead End ユUキ・サクラ 妖闘桜散 (99)

前々から、水そのものは薄茶色って感じで、飲もうと思えば…何度も何度も濾過して特製の装置の中で煮沸させて蒸発して気化した水分を冷やして一滴ずつ水の成分を抽出して、更に、沸騰させれば飲めない事も無い水だったんだけど、今回ので完全に成分が土と毒のみって感じになってしまったって感じかな?

元あった沼地は、前々から予定していた埋め立てをしなくても降り注ぐ土や木片で自然と埋められたって感じかな?まぁ、土台が安定していないと前線基地を安全に建設できないから埋めるけどね。


森を吹き飛ばしたおかげか、風が良く通るなぁ~騎士や戦士達からすれば火照った体に心地よいくらいの涼しい風が通り抜けているんだろうね。私?気持ち肌寒いかな?

周囲の森も殆ど吹き飛ばしたおかげで、見晴らしが良い事!!


まだ奥には煙が昇っている森があって目視できないけれど!あの先に、私達が目指す因縁の場所がある。

あと少しでデッドラインにある、あの…岩が目視できるかもね!!

ってくらい、吹き飛ばしたよ!!


えっと…目視で計算だけど、恐らく、沼地周辺の森林7割は吹き飛ばせれたんじゃないのかな?


こうやって冷静に見回してみると、反省すべき点として、地面の凹凸が激しいって事かなー?

冷静になって先の事を考えると、もう少し計算して慎重に撃てばよかったかも?

んー…そうだね、調子に乗りすぎてバカスカ撃ちまくったのが良くなかった、かも!

埋めるにしろ、足場がぐちゃぐちゃだから行軍しにくい、かも?


手前から埋めていく

固まるまで少しまつ

凹凸が激しいから埋めるのも一苦労

足場を安定させるには時間が必要?


…う~ん、うん、冷静に見つめなおすと

「やりすぎちゃった」

後ろを振り返ってテヘっと舌を出すと

「初めて使う魔道具だ調整が難しい、致し方ないさ」

両腕を伸ばしてくれるので少し腕を開き子供を持ち上げる様に両脇に入れられ慣れた手つきで高台から降ろされる。

「だよね~?」

あっはっはっはっと二人で和やかに笑っていると

「戦士長殿?聖女様?和やかにされておられますが、作戦としては、成功なのでしょうか?失敗なのでしょうか?」

知りたがりなピーカくんが引きつった笑顔で質問してくるじゃん

作戦にYES・NO、成功か失敗か、何て二択は無いの、その結論を出せるのは全てが終わって平和になって作戦概要をまとめて多くの方と協議してから出すものだよ?

っま、彼の立場として明確にわかりやすくしてほしいってことかな?

「成功だよ、誰が何と言おうと大成功」

おおっと、嬉しそうな声をだしてさ、不安を感じているのはわかってるよ?トラウマの場所だっていうのもね。立場的にも次の失敗は許されないだろうからね、宰相として。

そんな事を考える必要なんてないっての、今回の作戦、元より失敗なんて許される様な作戦規模じゃないっての。

「作戦の流れとしても多少の誤差がある程度、どの道、沼地は資材で埋める予定、周囲に穴ぼこが出来たところで、何も変わらない。沼地を埋めるのと同じ手順でこの周囲をまっ平らにするだけだよ?手順としては、石を投げ入れ、その隙間にセメントを流し、さらにその上に砂利と砂を放り投げ入れる、仕上げに、砂利と砂の上に土を盛って踏み固める」

ただし、未来永劫、この場所で作物は育たないだろうけどねっという言葉は飲み込む

下手にこんな場所で作物を育てたら毒に汚染されて食べれない作物しか育たないからね。

いや、敢えて毒で育った作物によって…なんて事を考えさせない様に未来永劫この場所は私達で管理するべきだろうね。


この先、この場所はどうするのかって?

沼地の毒は吸い出さない解毒しない、っていうか、解毒できるわけがない。


『今日以降、いいえ、毒を沼地に投下したときから、この周囲全ては汚染されている。

何もしなければ何時かは分解されるでしょう、100年?200年?…それでも足りないでしょう。』by毒と薬においてこの大陸一の頭脳と経験を持つ団長からのありがたいお言葉~…

作戦立案時に毒を使うって部分でその罪を背負う覚悟があるのかって念を押されたよ…


っへ、そんなの重々承知でございますってね。


自然毒じゃない、人や、獣共が扱う自然界にない毒が齎す未来なんてね、考えてないわけないじゃん。でもね、そんなの知ったことかってね!

私はもう、魔女として吊るされる覚悟は出来ている、未来にて後ろ指を刺される覚悟もある。断罪されるのは全てが終わってからだったらお好きにどうぞってね!


っていうかさ、解毒が終わるのは、自然に任せていたらの話だよね?

人の知恵と知識と頭脳と諦めない心を考慮していないよね?


仮に、私があと100年も200年も生きることが出来たら、術式による毒素の分解っていうテーマで研究し尽くして清浄なる大地に戻してみせるんだけどなぁ…

こればっかりは、どうしようもないから、知る限りの今回使った毒のデータを残して、後世の術士や研究員にこの大地の浄化を任せる。それしかないよね。


欲しがりなピーカ君が答えを求めて口を開く内容も予想済み、どうせ次はどうするのかって事でしょ?攻めるにきま

「では、次の段階に移行するのでしょうか?」

ん?んー…ちゃんと作戦概要を記載した書類に目を通してたんだね。

そう、だね、予定通り進め、ようかな。

防毒装備で吹き飛ばした木材とか集めて一か所で燃やして、手が空いている人達で一斉に埋め立てちゃった方がいいかな?

空っぽになった中型魔石に魔力をチャージして数を揃えておきたいし…


取り合えず、見える範囲で状況を確認してから考えようかな?

もう一度、高台に移動して望遠鏡を覗き込む


右部隊の様子はっと…

乱戦中っぽいけど、苦戦はしてなさそうかな?

図体がデカいのも混ざってるけど…ぁ、マリンさんがドタマかち割って倒れたか

問題は無さそう


左部隊の様子はっと…

ラアキさんが指揮をとっているのが見える。

心なしか合流した騎士達も活き活きと闘っている様にも見える。

敵の数も多いけれど、主に出てくる方角からして東の奥からって感じかな?

沼地エリアにいる敵の多くが右部隊に流れてるって感じかもね?

問題は無さそう


周囲が激しさに押されて危険信号が出ていたら応援に出ても良かったんだけど、要らぬお節介になるだろうし、私しか出来ないことをする方がいい。


その間、少しの間でもいいから、戦士や騎士達に安全地帯で休息をとって欲しいかな。

「うん…一旦、休憩、かな?」

出撃して一日も経過していないのに、帰るってのもなぁ、気が引ける部分はあることはある。でも、私がここで何が出来るのかってなるとね、やることが無いもんね。

街に戻ればやることはあるだろし、騎士達も休める時に休んだ方がいいし…

今のうちに、街にある大型魔石の様子を確認したほうがいい、よね?

うん。魔力残量がどの程度か、地下に在る大型魔石をチェックしたほうが良さそうだよね。

「わかった。では、ここは俺に任せてくれ」

そうだね、宰相だけだと大いに不安だけど勇気くんが居れば何があっても大丈夫じゃないかな?っていうか、騎士達もしっかりと休憩を取った方が良いんじゃないかな?色々とあったみたいだし。

「ははは、この程度の有象無象、我々だけでも問題なんてありませんよ?今のうちに戦士長殿もお体をお慈愛なされても?一向に構いませんよ?」

強く在ろうとするんだけどさ、指先が震えてるんだよなぁ、しまらねぇなぁピーカ君はさー

「お心遣い痛み入ります。ですが、折角の申し出…承服しかねます。現状を鑑みる限り最も危険なエリアとなりかねないエリアです、ここが少しでも手薄になれば、敵は攻め込んでくる恐れがあります、そうなれば、司令官より預かりしこの魔道具を失いかねない事態になりかねません」

言葉遣いは丁寧なんだけどさ、優しく諭すように説明してくれるのはありがたいんだけど、漸くするとお前じゃ守れないって言ってるんだよなぁ…勇気くんからすれば年下で頼りない王族かもしれないけどさ、周りからすれば勇気くん方が年下だし、立場も下なんだよなぁ…

ほら、宰相の眉毛がピクピク動いてるし、お付きの方は明後日の方向を見て何も見ていません聞いていませんを装ってくれているし、周囲の騎士達も視線をこっちに向けようとしない…

プライドを圧し折る様な言い回しはダメだよ?その役目は私だよ?

「司令官として命令だよ。戦士長は此方で待機!っで、申し訳ないんだけどさ、戦士長は私と一緒に共同研究もしてきているからお願いしてもいいかな?研究所の人達を寄こすから次の作戦に備えて、魔道具のパーツ交換をお願いしてもいいかな?」

なので、理由も添えて現場に残る様に此方から横やりを入れておかないとね。

「それと、ぴー…宰相も私と一緒に下がるよ?ずっと前線に居て休めてないでしょ?」

指令にモノ申したそうに、此方を見ている。

このまま黙っていると、ですがっと文句を言うだろうから、その前に彼としても大義名分が欲しいだろうから、移動する理由として断れない理由が欲しいって事かなぁ?仕方がねぇなぁ

「私を守るのでしょ?守るべき人物が移動するのだから付いてこないでどうするの?」

先の宣言を利用させてもらうと、不服そうな表情のまま頷くのでちょっとイラっとするなぁ…

「それじゃ、休憩に一旦、街まで戻るよー!後方支援部隊は全員!宰相の部隊は…」

ちらっと勇気くんを見ると頷いてくれるので

「私達と一緒に街まで戻るから!護衛宜しくね!」

恩威のままにっという返事が多方向から返ってくる、んー…まぁいいか。

「はい!そうと決まったら仕度してー!時期、夜がくるから、夜明けまでには、街に帰るよー!」

手を叩くと一斉に後方支援部隊や宰相の騎士達が動き出す。

街に帰るついでに武器の点検に、空になった木箱も運びたいからね。

支援部隊が順次、各拠点に物資を運んでくれたり、仕留めた獲物を回収してくれるけれども、手伝えることは手伝わないとね!



仕度も終わり、街に向かって行軍を開始する。




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