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最前線  作者: TF
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Dead End ユUキ・サクラ 妖闘桜散 (98)

三発目&四発目は、気持ちやや角度を1度くらい?1ミリくらい?杖を寝かせて放って、地面を抉り過ぎないように撃ったけど…

もう少し上を狙った方がいいかな?何となくだけど、角度も込める魔力も掴めてきた。


五発目は、先ほどとは違う箇所を狙う。

右側に少しだけ傾けて、もう、0.5ミリくらい杖を寝かせた方がいいかな?

高台から降りて杖の角度を微調整!…難しいなぁ…こんなもんかな?


脳内で三発目、四発目を放った時の光の粒の軌道を再生&シミュレーション!


二発撃ったことで何となく掴めた光の粒、得られた情報…軌道をベースにして五発目に適合し、軌道を予測演算!…脳内で発射、問題なし!!

「撃つよー!!」ガンガンっと音を鳴らし周囲に知らせてくれるのと同時に五発目を放つ!!

軌道を確認するために直ぐに高台に登り軌道をチェックする。

五発目の光の粒が前へと飛んでいき、光の粒が木々の隙間を通って狙った箇所にはじ…違う、狙った箇所に当たる前に光が弾けた!?


高台から降りて周囲の騎士にジェスチャーで要警戒のサインを送る

暴風が駆け抜ける間に、周囲の騎士達に警戒のサインが伝わっていく。


予想よりも違う箇所に着弾したことに違和感しか感じない!何かされた!暴風壁の前で待機している後方支援部隊に警戒を促そうとしても後方支援部隊は頭を下げているからこっちに気が付いてくれない、かといって音で知らせることが出来ない。轟音で声が届きそうもないからね!

音が過ぎ去るまで待つしかないっと言う状況、この間に攻めてこられると厄介だなぁっと考えていると違和感の答えが空から降りそそぎ、地面に飛び散っていくのが見えた。

視線を上に向けると、上空から敵の肉片や、透明なようで若干白く濁った液体が降り注ぐ。


そういうこと…先生は相も変わらず人の心がありませんね?

捨て駒は捨て駒として扱うのが当然ってことですか?


っま、そんなの関係ないけどね!っていうかさ!

敵がそうやって防ぐしかないって判断しているのであれば、敵諸共吹き飛ばすだけだっての!!この魔道具によって敵がどの程度損傷するのかいいデータが取れるってことだよね!!にしし!!


白く濁ったアメが降り注いでるが気にせずに次弾の魔力を込め光の粒を精製し、周囲に知らせる。

「じゃんじゃんいくよー!!」

「はい!」「Yes Ma'am!!」「いきましょう!」

まとまりがない返事に笑ってしまいそうになる。




魔石から魔力を流しては光の粒を放ち

空っぽになった魔石の交換が終わり次第、即座に魔力を込めて光の粒を放つ


何度目かもう、数えるのを止めてしまう程に放った。

目の前にある森林が林となり、目の前にあった森は野原へと変化した。

野原と言っても大地は窪みだらけで、周囲には砕け散った木片が転がり荒れ果てた野原になる。


毒の沼地は気が付けば吹き飛ばされた土や石、枝などの木片によって埋められていき、溢れた毒の成分が大量に含まれた泥が窪みに流れて行っては奥地から吹き飛んできた土や石などで埋められていく。


暴風壁も何度も何度も交換しては整備し再利用しているけれど、光の粒が遠くで弾けるようになり、飛んでくる破片も少量になってきているので損傷も少なくなってきている。


込める魔力量も調整しているし、段々と作業に近いレベルにまで至ると…全員が今の状況に慣れてくるのか、余裕が見られる。


ただねー…爆風に慣れてきたと言えば慣れてきたけれど、髪の毛が乱れるのが嫌になるかなーご自慢の長くて真っ白な綺麗で麗しい髪の毛がさー、愛する人に見せらんないじゃん?

「湿度のある土埃が混じっているからな、帰ったらメイドさんに綺麗にして頂いたらいいさ」

手櫛で梳いていたのを見られてしまい、てひひっと照れ隠しをしてしまう

「俺達の出番は無さそうな気がするが、君に万が一があるわけにはいかない、守りは任せてくれ」

兜の隙間から見える微笑みに吸い込まれそうになってしまう、嗚呼、もう、どうして、彼は私の心を鷲掴みにするのが上手なの?ここが戦場じゃ無ければキスをねだるのに!!


何発目か忘れてしまう程に光の粒を放ち続けていたら、気が付けば勇気くんの部隊が合流してくれた。

これにより、後方支援部隊も安心して作業に取り組めるようになっている。

まぁ、敵の襲撃何て一度も無いんだけどね、敵だった物質が降り注ぐのはかなりあるので、支援部隊の皆も油断せずにしっかりと兜をかぶってもらっている。

彼らにね、甲冑を用意していないのは理由がある、全身鎧だと彼らからすれば重すぎてさ、それを着た状態で長時間作業したり行軍するだけで後方支援部隊の皆さんは体力不足筋力不足でダウンしちゃうから、装備していない。

一応、軽くてそこそこ丈夫な敵の皮で作った隊服を着てもらっている。


念のために後方を確認すると、欠伸こそしないけれどちょっと暇そうにしてるね?後方支援部隊の人達は飛んできた肉片を集めたり、点検したりと忙しいよ?

暇そうにしているのが、宰相と共にある騎士達、彼らは勇気くん達が到着したから仕事が一気に減って、ノンビリと周囲を警戒している。


それじゃ、勇気くんと一緒に来た戦士達は警戒しているのかって?んー…

戦士達は光が弾けた爆発による衝撃波によって生み出される壊滅的な世界に酔いしれているね。


その気持ちはよくわかる!

私もそうだったもん、でもね~…最初は楽しくて楽しくて仕方がなかったけれど、流石に飽きてきちゃった。


だってさー、ただ、爆発して、風景が変化する、時折、敵の破片が飛び散るだけ!

なんだもん…おんなじ結果を見続けるのは楽しくないよね?


…んーむ、何だろう?もっとトリガーハッピーっというものを体験できるのかと、ちょっと楽しみに思ってたんだけどさー、そんな快楽的な楽しさが湧いてこないんだよなぁ…

湧いてくるのは、土木建築をするために必要な土地を確保するために爆破しているっていう作業感しか湧き上がってこない。


あれかな?敵の断末魔とかを聞かないからかな?

敵を攻めているっていう、実感がわかない、手ごたえがない…ってやつかなぁ?

純粋にあいつらの事を滅ぼしたいと心の底から…魂底から願ってるから罪悪感が湧かないんじゃないかな?

…罪悪感?なんで?爽快感や達成感を感じたいはずだよね?鬱憤を晴らしたいんじゃないの?

っふ、何を血迷った事を考えてんだか


一瞬だけ湧いてきた不思議な感性を笑ってから、作業を繰り返す覚悟をする。


っさ、馬鹿な事を考えてないでありったけの魔力をぶつけてやんよ!!





爆発音が何度も…何度も…

空を震わせ大地を揺らすように鳴り響き。

突風が頬を叩く様に撫でていき、馬の尻尾の様に白く長い髪の毛を乱していく。


もはや、開墾作業と化し危機感が薄れた現場では

宰相は優雅に紅茶を飲み、お付きの人と談笑しながら森が吹き飛ぶさまを楽しんでいる。

時折、顔を出してくる人型共は、此方が撃ちだした爆発に巻き込まれ軽度損傷した状態で前に出てくる、軽度の損傷で目の前に出てこれたら向こうからすれば良い方なんだろうね。


だって、殆どが直撃を喰らって木端微塵に吹っ飛んでいるから。

あいつ等だったら避けようと思えば余裕で避けれるのにね


賢い奴は腕だけを犠牲にしようとして肩から先が無い状態で出てくるけれど、あの爆発の直撃を食らっているのだから、腕だけで済むはずがない。

足も損傷しているからあいつらの…敵として脅威と感じていた素早さ・力強さ・頑丈さ、その全てに致命的なダメージを負って出てきたところで、私達の敵じゃない。


損傷した人型何て雑魚以下、サクサクっと勇気くん達が虫を潰す様に易々と仕留めている。


時折見せてくるこの低脳な動きに苛立ちを感じてしまう部分もあるけれども、考えたって仕方がない、敵の事情を全て知るわけでもないのだから。





えっと、今何時だろう?時間という感覚が鈍磨していく…

流れ作業の様に光の粒を装填するためにガチャリと音を出しながら魔力を送信するためのスイッチを動かしてみるが…


杖の先端が輝かない。


ん?光の粒が精製されない?どうしたんだろう?繋げるケーブルが焼き切れちゃった?

交換作業しないといけないかな?まさかとは思うけれど、もう燃料が無くなったとか?

後ろを振り返って魔石の状況を確認しようとすると

「魔石の予備が無くなりましたー!補充するまで、しばしのお時間をください!」

此方から交換の指示を出すまでも無く素早く教えてくれる…補給が追い付かなくなるまで撃ち尽くしちゃったんだ。


我を忘れるくらい、っというか、純粋に飽きつつあるくらいの単純作業と化してしまった破壊作業…その結果!死の大地を揺らしまくった成果を目視しようかな!!待ってる間、やることないし!


背筋を伸ばすように両腕を天に向かって突きあげ気持ち後ろに反ると背中の器具が突っ張ってきて痛みを感じ、やるせない感情に襲われながら、数歩前に出るとお付きの人が丁寧に足場を運んでセッティングしてくれる、宰相以外の重要な人のサポートもするように命じられているのかちょくちょくと手伝ってくれる。ありがたい。


用意してくれた高台っというか足台を登っていくっつっても3段くらいの足場だけどね!

高台で望遠鏡を使って前方の状況を観察し、作戦を練り上げる為の情報を得る


地面を吹き飛ばさない様になるべく調整して撃ってはいたけれどなぁ…

何度も何度も光の粒を弾けさせて生み出した爆発力によって吹き飛ばした結果。


眼前は穴ぼこだらけとなっている。

クレーターっていうのかな?あれが幾重にも重なってあの広大に広がる沼地エリアが見るも無残な状況になっている。


沼地だった箇所をなるべく避けて威力を抑えて放っていたので、ある程度原型を保っているけれど、作戦を開始する前と比べると大きく変化している。


沼地と称していた箇所は以前よりもより一層…元から濁っていて飲めそうもない水だったけれど、今となっては、更に濁って生命が寄り付きそうもない程に濁った色をしている。



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