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最前線  作者: TF
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Dead End ユUキ・サクラ 妖闘桜散 (97)

此方の部隊の様子はっと?

暴風壁の裏側で暴風壁が飛ばされない様にと支えていた騎士や、支援部隊の人達の様子を見ると、衝撃が凄まじかったのか、爆風が過ぎ去ったとしても誰一人、音を出すことが無い。

人生で一度も感じたことが無い激しい音に感情と思考が追い付いてこないんだろうね。


こんな状態で二発目を打つわけにはいかないよね!安全確認大事!

想定以上に威力が凄い!語彙力が消えてしまうくらいに凄かった!!

凄すぎた…思い返すだけでぶるっと震えてしまう。


好奇心からなのか、恐怖心からなのか、わからないけれど、もう一度見ないといけない気分となり、視線を向ける…

私達を苦しめた、されど、今は希望の一粒となった光が弾けた場所…


恐ろしき光景を見て、背筋が凍り付く。


…私、あんなのと正面切って戦ってたの?盾も無く?

…どうやったんだろう?時間がある時に詳細をお聞かせくださいね。


恐怖に支配されない様に頭を左右に振って気持ちを切り替える!


盾を構えていた宰相を守る為に残った騎士達の状況を確認…呆けている…

暴風壁の損傷具合はどうだろう?後方支援部隊に点検をお願いしてっと

宰相の様子は…笑顔が凍り付いて微動だにしない

暴風壁の近くにいた後方支援部隊の面々は…まだ帰ってきてないみたい。

口を開けたまま虚ろな表情をしている、衝撃で耳が痛くてそれどころじゃないのかもしれないね。


目に見える範囲でさくっと状況判断!

暴風壁の状態はっと?えーっと、支えの棒があるおかげで地面に倒れることなく耐えることが出来ている…けれど、風の勢いが強かったのだろう、支える為に突き立てた鉄の杭、その先端が地面にめり込もうとしている、っていうか、ちょっとめり込んでる、この状況で二発目を間髪入れずに打ち込んだら杭が抜けなくなってたかも?

まぁ、杭はその場に残して移動すればいいだけだから、別に良いんだけどね、抜いて移動する時間があるのにしないってのはさ、ほら?もったいないじゃん?


呆けている騎士に杭を抜いてもらって杭によって生まれた穴を他の場所から土を抜いて埋めて踏み固めるように指示を出す。


暴風壁を点検していた人達から報告を受け取る。概ね問題なし


口を開けて呆けている支援部隊に大丈夫なのか次を打っても良いのか状態を確認しておこうかなっと

「いけそう?」「…?」

あ、声が届いてないな、手の動きである程度の会話が出来るので手を動かして意思疎通を試みると、理解してくれたみたいでサムズアップして応えてくれる。


うん!問題はないってことでいいかな!


サクサクっと進めて行こうかな!次は込める魔力の量を調整すれば問題ないでしょ!

杖型魔道具に接続している魔力を送る魔道具にあるスイッチを入れる!

ガコっと音がして内部でケーブルが繋がり、杖型魔道具と繋がっている魔石が薄っすらとぼやっとした光りを放つように瞬く様に輝き消えると、杖の先端に小さな光が宿る


もう一度、スイッチを入れて接続しているケーブルを外す

「次!いくよー!」

暴風壁の前で待機してる人たちに声を出すと頷いて口を開けて耳を塞ぐように手を当てて姿勢を低くしてくれる。うんうん、訓練の賜物!なんだけど、二発目は初発に比べて威力がうんと落としているから大丈夫だと思うけど、別に伝える必要もないよね?


先ほどと同じ要領で杖に備えられている発射機構を使って射出する!

イメージは出来ている、その通りに動いてくれるといいんだけど!!


杖の先端付近にある球体構造から光の粒が飛び出てくる。


光の粒が先ほどと同じよりも、ううん、前よりも速く飛んで行っている!イメージ通り!!

先ほどと同じよう軌道を描き対象物に当たるまで真っすぐに飛んでいく。


予想通りながら、先ほど吹き飛ばした箇所よりも奥に飛んでいくだろうから更に奥の木に当たって光が弾けるから、爆発するまで、もう少し時間がある。


先ほどと違うのは込めた魔力量が半分以下ってところ、かな?

それと、出来るかどうかわかんなかったけれど、イメージ通りにやってみたら出来た!

射出機構である球状の物質、開いてから閉じるっていうか押し出すが正解かな?その押し出すスピードを速めれるかやってみたら出来た!

何とかなる!言語が理解できなくても、構造さえ理解すれば、強引に動かすくらいわけないっての!…ぶっつけ本番だし、出来たらいいなぁってくらいだけどね。


爆風に備えて、杖型魔道具の裏に回って、光が弾けるまでの間、特に何もすることが無いので、愛する人が駆けつけてくれるのだから身だしなみは整えておこうかなっと。

手櫛で髪の毛を整えていると何かが砕けるというか避けるというか、破裂するような音と、強烈な力で生み出されたうねる様な風の音が通り過ぎていく…

うん、距離が離れているのと、込めた魔力量が少ないから初発に比べて音が小さい。


ってことは、吹き飛ばされる破片は私達の頭上を飛び越えていかないっとなる。

予想通り、私達の周囲に枝などが上空から落ちてくるので、当たると痛いから術式によって生み出せる防御壁を杖型魔道具と私を守る程度の大きさで展開する。


地面に色んなものが落ち地面を叩く音が聞こえてくる。展開しておいてよかった。

っていうか、うっかりしてた、杖の上側に屋根をつけておけばよかった前面はある程度、飛んできたものを守る為にカバーしてるけど、上空からの落下物は考慮してなかったや


二発目によって浮き彫りになる問題点…って程でもないか。

だけれど改良するべき箇所があるのであれば、修正しないとね


二発目の爆風に備えていたのに拍子抜けし首を左右に動かして周囲を確認している、後方支援部隊を手招きして呼び寄せ、即席の屋根を作れないか相談する。

「その程度であれば!お望みのままに!」

運んでいる資材の中に、大工道具も用意してあり、その辺の木材で作ってくれるみたいなので、その間に、二発目による衝撃波によって暴風壁に損傷がないのか点検をしてもらい、損傷があったり、問題点があれば報告してもらう。


事前に用意していた物だけで戦う時と違って、今あるモノで出来る事をしていく。

準備万端と比べたら進むスピードが遅いかもしれないけれど、致し方ない。


現実は甘くないってやつ!

そんなの、何回も何回も苦汁を、辛酸を舐めさせられてんだからわかってるてーの

何時だって理不尽で、超えることが許されない壁を永遠とぶつけてこられたからこそ、私の心は不屈へと至ったってね!


理不尽を押し付けてくる何かに中指を立てていると点検を終え現状の報告が届くので、爆風でボサボサになった髪の毛を手櫛で直しつつ、報告と共に暴風壁がどの程度耐えられるのか、この先、起こりえる問題点と修正点を把握し、それらを未然に防ぐために修正案を考案し改良を施していく。




「作業終わりました」

杖型魔道具と接続している魔道具の点検をしていると三発目が打てる状況が整ったと教えてくれる。早いね!やるじゃん!修繕作業、改良作業が終わったってことは!


お楽しみの三発目が撃てる!!ひゃっほい!待ってたよ!!

何処を狙えばいいのか点検をしているフリをしてずっと考えてたんだから!!!


順次この場所には、魔力が込められた魔石が運ばれてくるからね!

とっくに、新しい魔石の補充も終えているから弾は幾らでも精製できんだよね!!


三発目を初発よりも魔力の量は少なく!

二発目よりも多く魔力を注ぐ!!


狙う箇所はー…点検作業をしているように見せかけて考えていた場所!

うん!初弾よりも沼地に近い右側がもっさりしてるよね!ならさ、も~ちょっと殺風景にした方がバランスが良いよねぇ!!


三発と言わず、四発目も!ガンガンいくよー!!うひゃひゃひゃひゃひゃ!!にひひ!!

背筋が凍り付くような風景?それは私達に向けられたらでしょ?相手に向けて撃つときは頭の奥がすぅっとするくらい爽快!爽やかだっての!にひひ!!


杖の角度調整ヨシ!照準あわせー…ヨシ!

「撃つよー!」

声を出すと宰相の近くで背筋を伸ばしているお付きの人がその辺に落ちていたのか、念のために持ってきたのか、手にはフライパンを持ち、鉄の塊を叩いて周囲に知らせてくれる。

音に反応した人達で戦闘能力がない人達は風に備えた姿勢を取り、騎士達は盾を構え流れ込んでくる風に備える。


全員が瞬時に警戒態勢を取ってくれる。

三発目ともなれば慣れてくるよね!


三発目を発射、そして直ぐに次弾をチャージする!

ちょっと試してみたいことがあるのでそれを試してみる!

光の粒って弓矢ほど速くないから、連射出来たり、お互いが干渉しないのか試してみたい!

なので、着弾までに時間が掛かるこの状況を利用して実験!発射後、この状態で直ぐに次が撃てるのか試す!!


魔力を流し、魔力によって光の粒が精製されるのを確認後、直ぐに射出する!!


スピードは先に放った三発目よりか速くなるように撃ってみたけれど…

三発目に追い付かない、んー、アレが最大速ってことかな?

それでいて、込めた魔力が少ない=質量が乏しい=軽い=弾速が速くなるってわけじゃないのね


連射は可能だけど、先に撃った光の粒に追い付き衝撃二連続ってわけにはいかないかな?

四発目の軌道を眺めていると、三発目に放った光の粒が弾ける


三発目の光の粒が弾けると間髪入れずに四発目の光も弾けた。

三発目の衝撃で弾けたっていうよりも、飛んできた何かに当たって弾けたってことかな?


ってことは、連射は出来ない事も無い、ただ、一定の衝撃で弾けるって可能性が高いから、下手に連射すると此方の陣営で光が弾ける可能性がある…連射はやめておこう。

それと、今更だけどある危険性が浮かび上がってくる…敵が杖に向かって特大の面積が広い何かを投げてこないのを確認してから撃たないと自爆しかねないってことか…


敵が杖の特性を完全に理解していたら対処はどうとでもなるってことだよね。


…敵と接近戦になるのであれば、この魔道具は使えないね。

敵の手へと奪われてしまって再度、此方に向けられると厄介だしなぁ。

後に…爆弾でも仕込んで遠隔操作で壊れる様にしておこうかな?


…火薬あったかなぁ?んーむ、もうない気がする。

配分…ミスったかもなぁ…盗られないように気をつけないと。


起こりうる危険性と、三発目と四発目から得られた情報を脳内でまとめていると爆風が収まったので、光の粒を精製するために魔力を流し高台に登って前方の状況を確認。

うん、狙う場所を変えよう。


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