Dead End ユUキ・サクラ 妖闘桜散 (93)
んーまずは、基本的な情報を過去から漁ってこないと。
あれと対峙したことがある瞳から情報を提供してもらう…ありがとう。
その情報を元にある程度の情報を得ていく。
発動時に反動が無いタイプだから、反動を受け止める機構はいらない
重さは私じゃ持ち上げれないけれど、騎士なら余裕で担げそうかな?
長さは…2メートル弱ってところかな?重さは…10キロは超えてそう
うん、特に変更点は無いかな?杖の先端から光の球体を飛ばして何かに触れると爆発する、光の弾は左程早くないので、質量を圧縮しているから遅いのかも?
圧縮しながらの質量の移動だと考えると、術式は多重に組み込まれているって考えるのがベストかな?
だとすれば、解析するのは無理、かな?単純な仕組みじゃないやつは発動条件さえわかればいいや。
反動も無く緩やかに飛んでいくのであれば、杖を寝かせて発動すれば…はつど…ん?過去の私が物申す?横はダメ?どうして?杖の先端を見てこい?
解析作業をしている人達の間に割って入って杖の先端、恐らく光の粒が放たれた箇所を念入りに探ってみる…
特におかしな点は見当たらない?形状としては杖の先端がとがっていて、尖った箇所から直ぐ下に窪みがあって、その窪みに球体がある、だけだよ?
先端を見てみろ?うん、尖ってる…尖ってるだけだよ?
球体をみろ?…うん、まる…ぃ?ぁ、何か彫られてる?
試しに指先で触れ軽く魔力を流してみると反応がある…なるほど…なるほど!そういうことね!
これ、先端はこの球体を壊させない様に守る役目もあるのか。
っで、恐らくだけど、この窪みに嵌め込まれている球体から光源が飛び出る様になってるってことね!つまり、横向きにセットすると真上か真下か縦軸にしか打てないって事ね!横軸にセットした場合、台座を傾けて調整しないといけないから大変だって言いたいんだよね?
ほぉ~ん、でもさー、横向きにセットしても良くない?
寝かせたとしても、先端から出ないってのが分かれば、横向きで球体が撃ちたい方向に向いていればいいんだから、横向きでもいいんじゃね?台車もそれように…ぇ?発射機構の起点?高さ?な~る…
確かにね、横向きで運用するとなると台座の高さを調整する機構を作るとなるとギアを絡ませてハンドルを回せば上下の高さを調整できるけれども、低い位置から高い位置に変更するのに時間が掛かるか、なら、高さを調整しないで常に低い位置で放つと、弾道が低くなるってことは、背の高い草木に当たっちゃう。
何かに衝突すると弾ける性質であれば、そこで爆発するから奥地を狙いたいのに手前で爆発しちゃうってことだよね~…
草よりも高い箇所…木の幹に当てたいのなら下から上に向かって斜めに打つって考えもありなんだけど、下から上に向かっての軌道を見たことが無いから、発射して外れたら何処まで上空に飛んでいくのか弾道が、軌道が読めない。
なら、高い位置から地面に向かって振り下ろすように打ち込む方が狙った箇所に当てやすいってことね?
なら、立たせるのが正解かぁ…ふぅんむ…まぁ、その方が合理的かな?傾ける程度であれば、角度ごとに微調整できるようにしておけば、調整も楽だし、土台を回して左右に調整できるようにすればいいんだもんね。縦の方が合理的か…角度調整の機構も単純にできそうだし。
理想は縦にも横に360度回転させれたらいんだけど?…ぁ、誰かに持ってもらう?支えてもら、うのが良いんだろうけれど、力に溺れない人じゃないとだめだよね?…魔力を注いで発射できる状態になった瞬間に此方に向けて何か要求してこられたら面倒だもん。
中央にそんな人いないなぁ、ラアキさんを中央に配置しなおす?綺麗な花火、撃ち放題だよってことで?
それも、ありかぁ…
解析を進め乍ら、どの様に運用していくのか同時に考えていく…
気が付けば常に長考状態…
何個目か忘れてしまうくらい図面をひいては机の端に置くを繰り返す。
その間も、戦場に様々な変化が起きていた。
簡易作戦書類こと、メイドちゃんが帰還した時に各地の戦況も聞いて来てくれたみたい
右側は人型が異様に増えてきたので休憩時間をカットしてカジカさんが出撃してマリンさんとカジカさんが対処に追われる様に激戦が続いているため、沼地をセメントで埋めるために用意した資材を一旦、右側のセーフティエリアに避難させ襲い掛かってくる獣共の殲滅を優先している。
中央部隊も人型が溢れるように出てきたので応戦を開始
左部隊は、セーフティエリアから様子を見ている限り、大きな問題は無さそうで変化はなく、森林の奥地へと炎が燃え広がろうとしていると良い、希望的観測かな?
爆弾全てを投げ終えた投石機がセーフティエリアに帰還して、整備が終わり次第、右部隊に運ぶ予定。
現時点での敵の動きから判断できるのは物量戦?
此方が放った非常識な炎の塔に対して、打ってきた次の一手が物量戦ってこと?
先生にしては…大雑把すぎる作戦だよね?
…そうせざるを得ないってことかな?それ程までに奪われたこの爆裂魔道具が危険だってわかってるってことだよね?
…取り返しに来る?いや、それだったら、デッドラインの奥にいるであろう特別な奴が出てくるはず、それを出さないってことは、様子見?私達では起動できないとふんでる?
んんー、考えても考えても敵が何を考えているのか…
…読めないなぁ
…そもそも、この杖を持ってきた人型が弱すぎた様な気がするんだけど?
まるで、私達に杖を渡したいため?…まさか、先生は敵に協力していると見せかけて、私達を助けようとしている?…敵を騙すにはまずは味方から?そんな事ができるの?そもそも、私の前提として考えていたのが死者の魂を意のままに操り強制的に協力させているって考えていたんだけど…
その考えが間違っている可能性もあるってこと?
先生ほどの人物であれば、表面上は敵に協力して、密かに私が有利に動けるように尽力してくれている?って、こと?
っふ、っと笑ってしまう、あり得ない可能性、私の弱い心が見出そうとしている幻影
…そんな希望に縋ってたら先生に怒られちゃうね。
先生の格言?忠言?を思い出しちゃったよ。
敵の陣営に潜んだ隠者を期待するな、運良く得られた敵陣からの隠者が示したサインを垣間見たとしても全て信用せず、されど、それが信であることを忘れず、巧妙に、狡猾に、敵に悟られずに起こり得る可能性を忘れてはいけない。
突如得た閃きに近いサインを判断する材料は自身の中に、片隅にでも入れておきなさい…
だっけ?長いよ先生、そんな長い忠言、幼い私が覚えきれて尚且つ理解できるわけないじゃん。
机に座なりがらも考えることは複数の事…
頭を悩まされることが多いってのが、司令官として当然なんだけどね~…
考えて悩んで決断するのが最高司令官!だったらさー…
開発に関してくらいはさー、私以外の超絶優秀な人も欲しいよねー!っま、無い物ねだりは良くないよね。
前向きに頑張ろう!!さぁやるよ!!
戦場の事は勇気くんを、ううん、皆を信じる!!
たかが物量戦くらいなら何とかするでしょ!!
…中央部隊からの情報が少ないのが気がかりだけど?何かあったのかな?まぁあちらはあちらで何とかするでしょ、王都騎士団つっても、私達の事を見下してる人たちも一定数いるからね~、それを何とか宥めたりしてるでしょ?宰相が。
「でーきた!!みんなぁ、お疲れ様ー!!いい仕事したよー!!」
盛大な拍手に咆哮が湧き上がる、見渡すと全員が疲れ果てている、目の下にクマが住んでる
今回だけじゃなく、解体作業とか、魔石の精製とか、魔道具の点検とか修理とか、やることが終わらないって状況なのに、突貫作業で寝ずに作業してくれて、本当にもう!感謝しか出てこないよ!
研究所全員と討論に次ぐ討論!全員、作業に追われ続けてテンションが壊れちゃったのか思ったことを口に出してくるくらい脳が停止しているっという今までの皆ではありえない状態での話し合いの末!無理難題?何のその!やってみせらぁ!
ド根性によって一日で完成させた砲台!!
完成した時の咆哮後、研究所の頭脳達は椅子の背もたれに体重を預けてからピクリとも動かなくなってしまっている。
死に物狂いで完成させたのだから、直ぐにでも配備するべきだよね!
寝てない+完成した喜びで色んなネジが吹っ飛んだ状態で動こうとすると、メイドちゃんが抱き着く様にして「休みましょう!」っと、懇願されるように制止させられてしまう。
徹夜で動きすぎだって?でも…使い方の説明は研究員でも出来るから休んでくださいと後方支援部隊全員から提案というなの数の暴力に押されてまう。
その結果、休みたくないけれど、4時間ほどの休憩っということで場がまとまりるとほぼ同時?直ぐにメイドちゃんに連れていかれる…
4時間って、一瞬何だね。
よっぽど疲れていたのか、気が付けば4時間経過していた…
おかしい、背中のケーブルを外されて、お風呂に入れられてベッドに寝かされて目を閉じ、目を開くと4時間も経過していた…
英気も養ったし!今日も元気に殲滅だ!…えっと、今日が…ん?もう、わかんないや。
今が何時で今が何日目なのかわからなくなってきたなぁ…
空を見上げる、珍しく雲が空を覆ってる…珍しくも無いのか?森を焼きまくってるからその影響かな?
向かう先は宰相が居る中央部隊!そりゃぁ、こんな凄まじい魔道具?左部隊に配置してドッカンドッカン楽しみたいけどさ、まずは、中央部隊を前に進めて最終拠点を築き上げて前線をあげないとね。
歩き出すとケーブルに引っ張られる感覚に一瞬だけ世界が切り替わる…が、即座に通常の世界へと切り替える。
うん、気のせいじゃない、っか、ちょっと嫌な兆候が出てきたかな?でも、まだ大丈夫。
夢の世界に行くのは寝てる時だけで充分




