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最前線  作者: TF
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Dead End ユUキ・サクラ 妖闘桜散 (92)

思考を加速させ、意識を泥の中に向けると瞳達も協力的に反応してくれる。


瞳達と共に今後、起こり得る可能性を探っていくと、ある危険性に警鐘が鳴らされる。

瞬時に探り出し提案された答えに、愚かさと醜さが私の中で交錯するどころか正面激突し醜悪な姿へと変貌していく…はぁ、先に滅ぼしておくべきだったかなぁっと聖女としてううん、人として考えてはいけない答えに辿り着きそうになると、ダメだよ?っと平和主義者の瞳が釘を刺してくる。わかってるよ?もう…


不安が消えない状況に頭が痛くなる、敵は一つだけでいいってのにね!後顧の憂いに溜息を止めることが出来ない、さしずめ今の私はダムってね、溜め込んでいるのは水じゃなくて溜息だけどな!


はぁ…

外も中も油断できない状況ってやだなぁ、何も考えずに目の前にある人類の天敵だけを考えていたい。

先生が…ご存命で、この状況に対して的確な助言を出してくれたり相談してくれる右腕として此方側にいてくれたら、どれだけ心強かったか…


仮に先生だったらどうするのか?っという思考を走らせた瞬間、笑ってしまう程に刹那的な答えに行きついてしまう、私が望んではいけない愚かな考えだった


…ぁ~、ダメだ、あの人の計略の行きつく先は滅する事だから。和平何て温い事を考える人じゃない。敵対するなら滅ぼしましょうって、ええ勿論、禍根を残さずに生きとし生けるもの全てを無くしてしまいましょう。ってね、笑顔で駆逐する事を選ぶ人だもん…


相容れぬ考えだと否定し、悲しくなってしまう。その選択肢を選ばさないでほしい。


仮に、私の立場にそんな人が居たとして、全体の指揮を振るう立場だったら…

考える迄も無い、とっくの昔に大国が跡形もなく解体されて、大国の土台を利用して足掛かりとしてその先を狙う、その願い正に大願、世界統一への思想…


この大陸にある王都が全世界天下統一という覇道へ突き進み

この星は人類同士が生み出す戦乱の世界へと溶けていく


先生はどうして、あそこ迄、容赦がないというか非情というか、己が信念の為なら命を奪うという選択肢に躊躇いが無い、相手が非戦闘員だろうが何だろうが関係ない、敵と見なしたら鏖って考えなんだよなぁ?何でだろう?

戦略とかを除けば、普段の様子だと、根はとても優しくて命に対して真摯に受け止めて道徳的なんだよね。何処からどう見ても牧歌的な人。

話し方も、おっとりとしていて、怒ることが無いんじゃないかってくらい温和な人なんだけど、やる時は徹底的にやる人なんだよね。

なんでそんな人が家にいるのかってさ、疑問に思うこともあるよ?なので、お兄様やお姉様にお尋ねしたんだよね、軽くというか、それとなくとういか?先生の事を教えてもらったのが、お父様に悪知恵を授けた人、らしいってくらいの情報しか得られなかったんだよなぁ。


幼い時は先生の過去に興味が無かったから、過去の経歴をなんて知らなかったけれどさ、大人になってから方々と繋がりが出来て知ったよ…意外と知る人ぞ知る人だったんだよね。

「ルィンティア先生…」

つい、一度だけ教えてくれた先生の本名を口に出してしまう。誰もが先生と呼んで名前で呼ぶことを禁じていた人だから、一度だけしか名前を教えてくれなかったんだよね。


私の口から聞き覚えの無いであろう人物の名前に、メイドちゃんがすぐに反応をする。

まぁ、メイドちゃんが知ってるわけないだろうけどね、古い人だもん。

「何処かでお聞きしたお名前ですね?」

予想外の反応が返ってくる。誤魔化しておこう。

「よくある名前じゃん、気にしなくても」

自分で言っておきながらよくある名前じゃないんだよなぁ、これくらいで誤魔化せれたら楽なんだけど、そうはいかないんだろうね。

ほら、何か引っかかったのか、ん~っと腕を組んで考えている。

メイドちゃんは人の名前を覚えるのが得意だから、似たような名前なら彼女の頭の中にありそうだもんね。

それに、引っかかってるんじゃないかな?いくら、聡明なメイドちゃんでも知らない人の名前なんて

「あ!ぁー?ぇ?覚え間違い、してない筈なんですけど…その人の名前、危険人物リストに載ってませんか?過去に大罪を犯したとか?過去に王都から指名手配されてたりとか?」

名前一つで辿り着いたかもしれない。先生の過去に…そうか、名前を呼ばせない理由ってそういうことか!

だって、あの頑固者でひとの言葉に耳を傾けてない傑物であるお父様に悪知恵を授けたって言い回しだもん…

考えらえる事じゃん!過去に何かをやらかしていたってことでしょ?

だとしたら、載っているかもしれないなぁ、あれ程の知恵者だもんね~。

あれかな?政治とかに絡んでしまって何処かの派閥に知恵を貸して責任をなすりつけられた、とか?…


ん?まって?古い記憶の蓋が開いたかも?


えっと、確か、何かの政でやらかしたとか、何とか、そんな事を、会話の中でぽろっとこぼしていたような気がする。

有ることに関してお父様に知恵を授けたことがある、って、にこやかに言っていたのもあるし…

成程、考えた事も無かったや、あの先生が犯罪者だなんて、あの雰囲気に騙されていたかも?

大人になっていろんな経験を経てからよくよく考えると、戦略が悪辣すぎるじゃん…

成程ね~どうしてあんな尊敬に値する人物が、こんな辺境にいるのかって考えたこと無かったなぁ。お父様も借りがあるから、先生を街に招いたんだろうね。


普通に考えれば、あのような切れ者が王都の…王族に関与していないのがおかしいよね。


「人違いじゃないかな?先生はとっくの昔に病で亡くなってるよ」

「ぁ、そう、なんですね。大罪人であれば亡くなった場合、民衆の不安を取り除くために何かしらの連絡がありますもんね、なら、人違い、ですかね?同じ名前の人なんて居ますよね」

うんうんっと、納得してくれるけどルィンティアなんて物騒な名前、先生以外居ないと思う…

先生も自分の名前が嫌いだって言ってたもんなぁ…えっと、確か、先生の大旦那が名付けて、あれ?先生が大旦那って言うくらいだから位が高い人、まぁそうか、教養がある人だから、貴族、だよね?…家名が無い?ん?…今になって先生の事を調べなかったのが悔やまれるかも?


…今度、実家に帰ることがあったら、お父様にお聞きしても…やめとこ、自慢話に繋がりそうな気がする、デブでハゲで見栄っ張りで業突く張り頑固で…形容詞が被っちゃった…それくらい悪辣な人の話なんて聞きたくなーい…ぁ、でも、勇気くんの事は紹介しないと、いけないか?てひひ。


そんな事を考えていると研究所に到着する。

既に杖型魔道具は大きな机の上に置かれて研究員が調べ始めている!

机の周囲には、粘土の欠片が落ちているってことは

既に粘土で魔道具の型を取っているってことだよね!

この杖を運用するために必要な台座作成も進めているってことだね!


さぁ、開発しようか!!光の砲台を!!


つっても、杖に魔力を流すだけの魔道具だけどね!!

私の背中に付いているやつのちょっとバージョン違いの魔道具だけどね!

それとの接続と発動を確認したのちに!中央部隊に配置するよ!!


これが完成したら、私と言う砲台が左に!中央部隊に光の砲台を配置!

左と中央から徹底的に畳みかける様に攻撃して!右部隊に損傷が激しい獣共が流れ込んでくる!

それを投石機やシャインスパークで更に削って確実に仕留めていく!!

その為に戦士マリンとカジカを配置してるんだから!!


先生が何かする前に!さくっと沼地を撃破して、沼地に此方の最終陣営を設置して!!

左奥の森を焼く!その後にデッドラインに向けて地形が変わる程にありとあらゆる物資をつかって遠距離攻撃!爆破してやらぁ!!

こっからは力こそパワー!魔力こそ全て!!蹂躙してやる!!


にゃっはっはっはっはっは!勝ったな!!にゃっはっはっはっは!!!


「姫様?くひぃーひっひっひっと、現場の皆が困惑するような笑い声が喉からすり抜けていますよ?それよりも指揮をお願いします」

宥められるように注意され、周囲を見渡すと古くからいる魔道具関係を先行している技術者は真剣に分析を続けている、中堅はその人のサポート、若手は何か指示が無いか待っている。

指示待ちなんてよくないぞ?なんて言うわけがない、敵の魔道具は下手に扱うと暴発する恐れがあるから長年の経験と知恵と知識が無いと危険極まりないからね。


特に今回のこれ、暴発したら全員即死だからね?


「品物が品物だからね、各員!気を引き締めて解析と改良!この魔道具を敵の手から私達の手に変えるよ!!」

「はい!!」

若手の返事が静まり返ってから、各々に指示を出していく。

この杖を設置するための土台は発注済み

杖の内部に仕込まれている術式の解析実行中

発動に必要な魔力量の逆算は、私が今からする

各部署への作戦通達…まだしてなかった、即席の作戦書を作って通達してもらおうかな

指示を待っている若手の子には…


周囲を探る様に眼球だけを左右に一瞬だけ動かして把握

魔石が足りないっかな?運んでもらおう

他のパーツは…一瞬だけ動かした眼球から得た情報によって把握。

車輪既に用意済み、

発動に必要な魔石を運ぶ台車は用意済み、

砲台を作る為に必要な木材はある、杖をどのように運搬するのかっていう運搬するための設計図がまだかな?


うん、状況把握完了!

まずは即席の作戦書を作成しよっと!

「メイドちゃん!」「はい!」

ちょいちょいっと手招きして、口頭でこれから行う作戦概要を伝える

「復唱する?」「いいえ!行ってまいります!!」

バサっと認識阻害のマントを羽織って現場に駆けていく即席の作戦書、うんうん、優秀な人材に恵まれて感無量だよね~♪


次に若手の…ぁ!

「マニーロ君!魔石の補充お願い!中型魔石を五つほど!」

「!任せてください姫様!よし!手が空いてるやつは付いてきてくれ!」

ドンっと胸を叩いて魔石保管庫に複数人の若手が走っていく。

マニーロ君って、若手っていっても、彼は術式研究所兼研究塔所属でかれこれ、1年?近く前からこの街で頑張ってる若人、年齢は…何歳だっけ?15とかそのあたりだったかな?フラさんとこの親戚が才ある貧民だっていって連れてきたんだったかな?

彼のような未来ある才能を秘めた若者を発掘するために孤児院に投資したり、フラさんとこの親戚の方にそういった場所で定期的に勉強を教えに行ってもらって良かった


後は…設計図を描き起こさないといけないかな?台座って言っても、固定するために置く場所だから縦にも横にも嵌め込めれる様になってるでしょ?

それを考慮して考えて設計図を作っていこうかなっと!!


作業机に座ると、手が空いている研究員の人が机の上に大きな紙を広げ重しで端を固定してくれる。のは、ありがたいんだけど、一発描きで設計図起こせるかっての!

そのすぐ近くに手ごろなサイズの小さな紙が置かれているのでそれを手に取り設計図を書いていく。


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