Dead End ユUキ・サクラ 妖闘桜散 (60)
森を焼き、炙り出された獣共を倒し続けること…
三日が過ぎた…早くも三日が経過した…四日目の太陽が私を照らす。
その間、敵が何もしないわけが無く中央で人型が1体、左で人型が2体、右で人型が1体出てきたが、どれも魔道具無しで従来の敵
中央の敵に関しては勇気くんに渡してある超重量を誇る屈強で頑丈で鈍重な大剣バスターソードのおかげで直ぐに首をはねてお終い
左に関しては、マリンさんがサクサクっと自慢の斧と槌が一体化した武器によって殴殺、恐怖心に関しては問題は無さそうかな?
右に関しても、カジカさんが鋭い連携で圧勝
何も問題は無い、森に関しても、もうすぐ焼き終わる。見晴らしさえ良くなってしまえばそれでいい
燃えた材木に関しても少しずつ後方支援部隊が護衛されながら運び出して足場も行軍しやすくする為に整地していく
燃やした森に転がっている木材などの撤去作業が終われば、そこに前線基地を築くことが出来る
仮拠点が増えれば増えるほど、私達のアドバンテージが増すからね!守るべき拠点が増えると人員が足らなくなる、何てね、今の私達は仮拠点を守るくらいの人員くらい!余裕であるってね!!
それにあくまでも仮拠点だから、危険だと判断したら即徹底して再度、立て直して攻撃に転じる予定だから、固執する気はない!
さて、ここからが第二フェーズ、第二の作戦へと移行するタイミング
ここから先は私も前線へ出る!敵が雑魚から中雑魚に変わっていくからね!
現時点で魔道具持ちが出てこなかったっ…となると、先に進めば進むほど待ち構えていると考えるべき
その中に…絶対にいるであろう絶対に入手したい魔道具を持った人型が何処かにいるはずだから、絶対に倒して奪わないとね!!
さて、そろそろ私も前線へ出る頃合いだけど、前へ出る前に作戦をおさらいしておこう。
第二フェーズ
一番近くの森を焼き終えたので前線を押し上げる
左部隊は更に奥にある中型の獣共が生息している森を焼いてもらう、それが終わり次第、中央部隊と合流する流れ
中央部隊は激戦が決まっているので、私と勇気くんによって死の大地の中央付近にある沼地がある、その更に奥にある森を焼き尽くす!!
当然、危険な獣共が多く生息しているエリアだから熊だろうが虎だろうが人型だろうがうじゃうじゃいるからね!
私と勇気くんによって蹂躙しつくしてやる!
この辺りから切り札をガンガン切っていく!ここからは時間をかけるつもりは無いからね!!
右部隊は沼地の制圧!沼地を毒の沼地にしてもらう!ありとあらゆる毒を沼地に注ぎ込みまくって沼地にいる鰐とか、危険な生き物を毒によって殲滅する!
時折、あの沼地から人型が出てくるっていう噂もあるくらいだからね、何かしらの方法で沼地から人型を出現させる移動手段があるのかもしれないからね、そうであると想定するのであれば、沼地は危険極まりないからね!
制圧してから後方支援部隊によってセメントなどで沼地を埋め立てる予定!!ちゃんと防毒装備をして貰ってね!
沼地の奥の森は森なんて生易しいモノじゃない、密林だよあれ、焼き切るのに物凄く時間が必要なのはわかってる。
だからこその私ってね…始祖様の秘術の出番!無限の魔力で跡形も無く消し炭にしてあげる!
第一部隊達が前線を押し上げることによって後方支援部隊も前へ進み仮拠点を作ったりと仕事ができる
第二部隊が前へ出てから、門の近くに突貫作業で罠を設置して、罠が無い場所に目印を置いて敵の襲撃に備える!
予め何処に罠を設置するのかは決まっているので、罠の設置に関しては問題なし!
左部隊と中央部隊が合流したら、マリンさんは一旦撤退してもらって、休息の後、カジカさんがいる右部隊へ移動してもらう
今後、右部隊は人型との遭遇率が跳ね上がるから前もって移動してもらう
その部分を補う為に、支援部隊の警護を担当しているラアキさんこと、お爺ちゃんが中央第二部隊と共に前へ出てもらって
私と勇気くんが左、中央第一部隊を取りまとめて進撃する!
左部隊が焼く予定の森を焼きながら、沼地奥の密林も焼く!
仕事量が多すぎて大変だからね、ラアキさんの補助が必須!
ってな感じかな?
ここからは、出たとこ勝負!
幸いにして投石機は殆ど壊れていない、力無き民も襲われていない、用意した兵器も壊れていない。
物資もまだまだ余裕がある、シャインスパークの投石に関しては…もう必要ないかな?
まだまだ余裕があるから弓兵に持たせて上空を飛ぶ鳥を撃退するのに使ってもらってる
鏃にセットして鳥に当たりさえすれば光によって体の何処かを撃ち抜いてくれるから思っていた以上に成果が出てるし、インパクト小槌から火薬を外してシャインスパークをセットする方向に改良したのが良かった!
名付けてインパクト小槌改光!
シャインスパークを小槌の先端にセットして敵を叩くと同時に発動してゼロ距離で敵の体に穴を開けるっと言う使い道に変更して大活躍してるみたい
『狙いを定めるのが無理ならゼロ距離でぶつければよい、俺達ならそれくらいは余裕でやれるさ、彼らにも訓練をして貰えば鼠や兎くらい倒すことは出来るさ』
勇気くんのこの提案に救われたのと同時に、絶対に外に漏らしてはいけない兵器になっちゃったけどね!
小槌で殴れば光によって殴られた部位を撃ち抜かれるんだからね!
新しく用意した槍も…その技術を応用して掘削機として転用して罠を設置するときに穴を掘る道具として大活躍している!ヒントを貰ったドリル本来の使い方に落ち着いたって感じかな?
穴を掘ってるときに敵が来ても回転している刃で全力で叩きつけたら何とかなってるみたいだしね
力無き民でも鼠や兎を倒せれている、開発は無駄じゃなかったってね!
うん、現状、順調すぎるくらいに問題なし…切り札はまだお披露目していないから対策を練ってはいないだろうからね。
それがまた、怖い要因の一つ、先生が何もしてこないってのが本当に怖い、ここまで順調なのは油断を誘っているんじゃないかって勘ぐってしまう、切り札を切らせるために人型を出したとは思えれない、油断して切り札を早めに出せる為かな?って考えも無いことは無い。
だって…街が大きく動き出して、もう、三日だよ?三日も時間を与えたんだから、敵側にも何かしらの準備は整っているはずなんだよ…
警戒すべきはこの先、何が起きるか…想像できる最悪を想定して動き続けないとね
作戦概要を頭の中で復唱も終えたし、今後の危険な可能性も考慮できている。
油断も隙も無い、盤石なる布陣だと思う、士気も高く維持できている。
さぁ、愛する旦那様の下へと駆けつけよう
死が二人を分かつときまで、私達は人類の救世主として…
お前たちを殺しつくす!!!
鏖だ!!!
慈悲なんてあるか!!!
塵一つ!!
足跡すら残さずにこの世界から消してやる!!!
一斉に目が開き、溶岩が地表へと吹きあがるかのように感情が溢れ出る
突如、湧き上がる殺気の渦に傍で待機していたメイドちゃんが此方を見て青ざめている
いけないいけない、何か良からぬことが起きたのかと思わせてしまう、抑えよう、この怒気を解放するのはココじゃない、あと少しの辛抱
湧き上がる感情を抑え表面に出さない様に立ち上がり、旦那が待ち構えている場所に向かおうとしたら伝令班が飛び込んでくる?
「戦士長とカジカさんから伝令です!中央部隊に関しては停滞気味!それよりも右部隊の動きが激しくなってきています!暫くは問題ないが、あと4時間先を考慮して応援が欲しいそうです!!」
っむ?敵も動きがあったか、なら、私が右に出ると勇気くんと合流が出来ない、っとなれば!
「私が左部隊と合流してマリンさんと交代する!!まだ早いけれどマリンさんを街に一度帰還させる!帰還後、少し休憩してもらって右部隊に合流する様に指示を出して!」
「はい!!」
伝令係に指示を出すと、直ぐに外へと駆け出していく、自転車くらい作ってあげても良かったんだけど、激しい音は敵を引き寄せちゃうから用意しなかったんだよね。
さて、私も動くとしましょう。
先ほどの流れを見ていたメイドちゃんに指示を出す必要も無い、視線を送ると頷いてくれる。
何も言う必要なんて無い、後を託して、私は前へ出る!
転送陣がある広場に私が何時でも出撃できるように待機してくれている直轄の部隊、術式班や研究塔の皆が待っている。
一歩転送陣に近づく魔道具のセッティングを担当している研究塔のメンバーに声を掛ける
「各種魔道具の準備は?」
「問題ありません!」
一歩転送陣に近づき共に出撃する術式班に声を掛ける
「術式班!出る準備は出来てる?」
「はい!問題ありません!」
転送陣の前に立ち止まり、周囲へと視線を向ける、皆が此方を敬礼して見守ってくれている。
その瞳から姿勢から伝わってくる、期待の眼差し、全てを終わらせてくれる…全てを背負ってあげる。
笑みが自然と零れてしまう、この笑みは…期待を背負ったから?皆に望まれているから?それとも…快楽を求めて?
「よし!出るよ!!」
転送の陣を起動してもらい、転送陣の中へと進んでいく。
マリンさんが居る部隊に合流してマリンさんは一旦帰還してもらうよ!!
陣の中に勇ましく足を踏み込み、左第一部隊を支援サポートするために設置されたセーフティエリアへと移動する
転送陣から出ると、現場は思いの外、落ち着いている。
周囲を見渡してみると、隠蔽部隊が投石機をメンテナンスしている人達や、投石予定の瓶を運んでいたりと慌ただしい雰囲気はあるけれど、思っていた以上に現場は落ち着いている。
作業をしている人達も真剣な表情だが、切羽詰まったギリギリの状態って感じでもない、何処か心に余裕が見られる。
うん、程よい緊張感を保ちつつ、適度な余裕がある、良い雰囲気じゃん。
現場の張り詰めたピリっとスパイスの利いた風でも堪能しようかと大きく鼻から息を吸っていると
「姫様!?もう第二段階へと進まれるのですか?」
左側のセーフティエリアを担当している隠蔽部隊、それを預かっている部隊長が声を掛けてくれる。
因みに、へっぴり腰で度胸のない隠蔽部隊の幹部は宰相と共に行動しているのでここにはいない。
「進むよ!私の準備が終わり次第、襲い来る獣共を蹂躙し!森を焼き尽くす!!」
部隊長に拳を真っすぐ突き出すと笑顔で拳を前に突き出して「我らが姫に栄光あれ!」明日が輝かせてくれるという願いの加護を授けてくれる
目的のテントの場所を教えてもらい手を振って部隊長と別れて足を速める
手早く、医療班のテントに駆けこむと待っていましたと言わんばかりにお母さんと目が合い
「出るのね」
目に力が宿っている、お母さんなら、最後の最後、全ての戦いに終止符を討つときについてきそうな気がする。させないけどね。
「うん!ここから先は任せて!」
決意を繋げてもらう為に、私の背中に取り付けてある無限の魔力を体内に流し込む為の魔道具にケーブルを接続してもらう為に、背中を向ける
「魔石は持ってきているわね?」
「もちろん、魔力転送装置も持ってきている!ここから先は術式部隊の出番!」
転送の陣から随時、満タンに迄、魔力が満たされた中型の魔石を運んでセーフティエリアに配置してある
セーフティエリアから魔力の帯を私と繋がってる魔力集積装置に向けて射出して魔力を転送して私と繋がっている魔石に魔力が補充される!これによって、私は街から離れても無限の魔力を得ることが出来る!
…その為に遮蔽物となる森を焼いてるんだよね
「…怪我しても良いけれど、死ぬのは許さないわよ?」
ガチンっと音がすると不思議な感覚が流れ込んでくる。体に魔力が満たされつつあるのを感じる。
意識を集中して魔力を吸い出すようにすると一気に魔力が全身を駆け巡る!!
思考を常時弱加速!補助は過去の私達お願い!何時でも術式をフル稼働で動かせれる様に補助して!!
開いている目から気迫が伝わってくる、体に大きな負担が圧し掛かってくるのはわかってるけれど、何とかなる!何とかする!
無茶は慣れっこだものね!私達は!!!




