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最前線  作者: TF
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Dead End ユUキ・サクラ 妖闘桜散 (58)

人が多いからこそ出来る作戦が増える

より多くの選択肢が選べるってのが本当に大きい


初手の段階では光による通信手段で情報のやり取りを行っている、その為に夜を選んだ。

森が燃えることで多少明るくなるからし、此方が持っている光に誘われて敵が向かってくるから、敵を誘導し殲滅しやすくなる。

まずは、門の前を徹底的に掃除しないとね、そうしないと前線を上げれば上げるほど、街が手薄になってしまう。


守りが薄く成れば必然的に、後方支援部隊の守りも薄くなる。

後顧の憂いを無くすために!敵の数を減らす!徹底的に叩く!


理想をね言ってしまうと、完全なる安全圏を作るために始祖様が生み出してくれた壁を私達で作って安全圏を奥へ奥へと作っていって前線を上げていくのが理想だけれど、その術式を展開するのは時間と魔力と人手が足りない。


さて、指示も出し終えたし、メイドちゃんにも指示を出さないとね、気配はしないけれど、直ぐ近くにいるだろうからね。

「メイドちゃんまだいる?」

トントンっと、肩を叩かれる、うんうん、ちゃんとしてる。

「もうすぐ、中央の部隊が森に入る頃合い、悪いけれどひとっ走りお願いできる?予定よりも左側の進みが早いから中央部隊に伝えてきてもらいたいんだよね。今は光での通信が出来ないから、同時に行うとね、先の部隊が伝令を誤認する恐れがあるから…勇気くん本人じゃなくてもいいから、彼に伝わる様に投下の準備をするように中央部隊の人に伝えてきて、左方に動きがあったから出来るだけ急ぎでってね」

「はい!後方支援部隊から装備を急ぎ運び、中央部隊に渡すように伝えてきます」

まぁ、勇気くんだったら左部隊の動きを見て直ぐに同じ判断するだろうけれど、念には念をってね。


左方で鼠や兎などの群れが居たとすればシャインスパークで敵を傷つけ敵を散らすってのは前々から決めてある流れ。

突如降り注いだ石から意味不明な攻撃によって敵は混乱してその場から離れようとするから自然と森の中から出てくるだろうし、攻撃された地点から逃げる様に中央の森へ移動する奴らもいれば、向かってくる敵もいるだろうからね。

炙り出された敵はマリンさんが蹂躙してくれるだろうし、逃げ場を無くすために目の前に広がっている森を焼く!!

多方面から攻撃をすることによって、敵からすれば何が起こったのかわからないからパニックを起こして移動するのは確実だろうからね!徹底的に炙り出して、後顧の憂いを断つ!!


合図を送ってからも、広場でのんびりと全体の動きを見守る。

今私が出来ることは現場が動いた結果を待つだけ。なので、特にやることが無い。


待つだけだから、ついつい、暇を持て余して周囲にいる人達を観察してしまう。


広場にいる人達は緊迫感のような切羽詰まった様な追い詰められたような雰囲気なんてない、こんな序盤で緊張を高めすぎても良くない、ちゃんと交代で休憩も取っている。

和気藹々とお祭りのような雰囲気で物資を運んでいる人達もいる。

それを誰かが咎めることは無い、だって、此方の様子が相手に見られている可能性があるのだとすれば、これもまだ、ちょっとしたイベント程度なのではないかと誤認させることが出来るからね。


暫く動きを待つと中央から光の合図が来る、森を焼き敵が森から炙り出され多くの敵と接敵ってところかな?他にも合図が送られてくる、うん。


…敵の種類は鹿とか猪、この段階で大型や人型が出てくることはやっぱり無かったか、先生と言えど初手でナイトをぶつけてこないよね、まずはポーンからか…

慌てふためいている敵を蹂躙する事なんてわけないからね。


私の旦那様を舐めんなっての!


中央に関しても左に関しても、右に…関しても!不安なんて無い!

現時点ではね…考えることは一つ、先生ならこの同時進行で私の行動原理を紐解いてきて先読みしてくるだろうから、先生がやりそうな虚をつく考え、狙う部隊、攻撃をどのタイミングで仕掛けてくるかを先を、未来を視る様に思考を読み進めていく…


現時点では、此方の部隊の戦力を把握している段階で、迎撃するためにどの駒を使うのか部隊の編制を優先している段階かな?

死の大地で戦う限り状況を何処かで様子見をしていると考えるべき。

だったら、まだ、何か策を講じてくるとは思えれない、先生の策はまだ出番じゃない。


脅威となるのが敵が有利な戦場、そこを平地にしてしまえば先生と言えど虚を突いてこない。

徹底的に考えうる敵が有利な状況を潰していくしか、策が無いってのが…厄介極まれりって感じだよね。


んふーっと考え込んで熱が籠ってしまった息を吐いて冷たい空気を肺に入れる。

先生がしてきそうな嫌な作戦に関しては思いつく内容が何個かある、どれもこれも、対処できない部分が強いから、それに関してはここの部隊が奮闘してくれるのを願うばかり。


後方支援部隊に直接攻撃するためにワームを使う

└これに関してはワーム感知の魔道具を常に走らせているから、100メートル付近まで接近してきたら察知できるので問題なし


鳥タイプによる上空からの襲撃

└弓部隊が対処してくれるはず


鼠による物量作戦

└確認されている最小個体で街に向かって大量に同時に攻めてこられると対処ができない

それを防ぐために森を焼き、鼠を駆逐しているし、そいつらが街に接近したら罠が発動する様に

罠を順次設置していく予定、現段階で持ちえる全ての鼠が一斉に街に向かってきたら

正直に言えば、後方部隊が崩れ落ちる、街に侵入させないために門を閉じるしか

選択肢がなくなってしまう


全ての獣が一斉に突撃してくる

└これが出来るのなら、どうして、今の今までしてこなかったのか?

恐らく、全ての獣を束ねて動かすことが出来ない何かしらの理由がある

そもそも、獣共が統率の取れた行動をしてきたのをみたことがない

殆どが人を見つけてか、騒ぎを聞きつけて突撃してくるのが殆ど


自爆タイプの密集突撃

└ぶっちゃけるとこれをやられると本気で詰む

詰むけれど、自爆タイプは見かけるけれど、同時に複数出てくるのを見たことが無いから

多くの数は用意できないと予想している


初手からデッドラインにいるであろう特殊個体を出してくる

└これは無い、何かしらの理由があって特殊タイプはあのラインから出てくることは無い

恐らく、王の前を警護するための騎士だと私達は推測している。

王が前に出ない限り、デッドラインに近づかない限り接敵しない


入玉してくる

└これが一番ありえないかな?何でそうしないのか皆目見当がつかないけれど

一番の最大戦力であるドラゴンを前に出してこない

ドラゴンが前に出てくるときは何時だって、此方が壊滅し始めてきた時

つまり、勝利目前の時しか出てこない


魔道具持ちを乱戦時に投入してくる

└これに関しても対処は出来る、そういった経験は何度もしてきているから

警戒はしているが脅威とは思っていない


不意打ちも常に警戒してもらっているから、何を警戒するべきなのか…

思考を巡らせていると右から光がチカチカと此方に向けて照らされる。何々?


右部隊…カジカさん部隊も目標地点に到着っという知らせ。

カジカさんは勇気くんやマリンさんが担当しているエリアと違って遮蔽物が殆ど無く視野が広く開けた場所、つまり敵もこちらを発見しやすく此方も敵を発見しやすい場所

予定としては勇気くんとマリンさんが焼いている森から飛び出してきた獣を確実に仕留めていく係で尚且つ、色々とセッティングをしてもらう部隊、第一段階はね。


そして、その騒動で少し離れた場所から人型が騒ぎを聞きつけて駆けつけてくる可能性が最も高く現段階で一番危険な場所でもある。


だからこそ、そこにカジカさんを配置してある。人型や炙り出された敵の対処に関しては概ね問題は無い、彼なら安心して対処してくれる


さて、各部隊が順調に進んでいる、ここからは時間との勝負…なんだけどね、燃焼する時間ってのは、結構な時間が必要だからね。

その間に敵の準備が終わるのは致し方ない!不利な条件で待ち構えている敵と戦う方が良くない!

敵は此方の動きをある程度、把握しているだろうから、待ち伏せしてくるのが目に見えている!!


焦る気持ちはあるけれども、盤石の布陣で挑まないと此方の方が圧倒的に不利だからね!

少しでも不利な条件を潰していかないと負けるのが必定!

先生と真っ向から勝負を仕掛けて勝てる見込み何て無いんだから!!

質量でも、物量でも、情報戦でも私達が圧倒的に不利!

勝つための切り札を適切なタイミングで投入しまくって敵がどの様に対処するべきか悩んでいるうちに状況を変化させていく!


人と違って臨機応変に即座に対応を変えれるほど、お前たちは器用にできていないでしょ?


駒が低脳だってのは変わらない!優秀な奏者が居たとしても!優秀な頭脳が居たとしても!馬鹿しかいないんじゃ出来る作戦は限られてくるってね!

向こうにはポーンも、ルークも、ビショップも、何ならクイーンだって複数持ってるかもしれないけれど!

私達は金に銀!桂馬!多種多様に臨機応変に動ける駒が揃ってるっての!!

飛びっきりなのはクィーンと王だけだけど!王様が入玉したときの強みを見せてやんよ!!


私達の聖戦が始まった。多くの私が、私達の意思が一つの束になって全員が協力してくれている。

コンディションとしては過去最高、無限の魔力を得て無限の演算能力を得ている今なら負ける道理なんて無い。

私と勇気くんを最奥へ連れて行って!!


固唾をのみながら、戦況を見守り続ける…

出だしは好調で門が開かれる何処から常に開きっぱなしになるくらいに、次々と運び込まれる打ち取った獣共


運び込まれて直ぐに解体所に運び急ぎ解体し必要なパーツを取り出して必要な部署へと運ぶ

物資が尽きることは無い!従業員一同!ブラック企業よろしく!!24時間働けますか!!!って状況だよ!!

…つっても、ちゃんと無理なく交代制で頑張ってもらってるけどね、臨時で働いてくれる人を王都から募り続けているから働きすぎて倒れるってのは無いとおもう、よ?

普段と違うのが、24時間工場が稼働しているだけ、誰かしら何かの仕事をして貰ってるってだけだもん、中間管理職だって複数人いるから交代制だよ?…ちゃんと休んでくれてると信じようかな。


つっても、今の私は見守ることしかできないから、運ばれていく獲物の種類を眺めながらお茶を飲むくらいの余裕はあるんだけどね。


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