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最前線  作者: TF
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おまけ 大地染めるは…⑫

夢の一つが叶ったことに涙が流れそうになる。

さぁ、私はこの状況を寮の屋上から眺めてから、お母さんの所に戻って甘えてこようかなっと

移動しようとすると、多くの水風船が飛び交う中で、一人両膝を地面に着いて天を仰ぐように止まっている人がいる?危ないな、誰だろう?っと全身染まり切った人物の顔をよく見ると…1050年地下行きが確定したのだろう…はぁ、もう、世話焼けるなぁ、ちゃんと働いて返せるように仕事をふってあげよう。

ギャン中ってやつは、身を亡ぼすほどの出来事が起きない限り止められないんだろうね。


微動だにしない人を横目にしながら屋上へと向かっていく。

息を切らしながら屋上に登ると、屋上でも誰か観戦していたのだろう、後で回収しに来る予定なのか、木箱の中に空っぽになった瓶が置いてある

後片付けもしっかりと考えている偉い偉いっと民度の良さを感じながら手すりに手をやり、地面を覗き込むように見ると


「うんうん、天空にイルミネーション、それを受け止めるは」

緑色の配分を多くしておいてよかった、地面は緑色に染まって、小さな点を描く様に赤や黄色がちりばめられているし、赤とか黄色に染まった人達が走り回ることで地上に大きなクリスマスツリーが描かれている。


大地を染めるは…ってね。

カメラを取り出して地上に描かれたクリスマスを何回かフィルムに収めてから、お母さんが飲んで忘れようとしているであろう部屋に帰る。



部屋に帰るとワインの瓶が一つ空っぽになっていて、ソファーでふて寝している人に巻き付く様にして私も寝ることにした。

運営委員会で頭使って疲れたから、ちょうどいいや…お休み~♪




次の日もイベントの後は大忙し!払い出し作業や結果発表などなど忙しかった~~、っつても?今もなお、忙しいけどね?

因みに掃除に関しては騎士の部隊が最下位として、罰ゲームでしてもらったので広場はすっかりと元通り!綺麗になっている。

喜ばしい事に騎士の部隊だけじゃなく、多くの人達が率先して掃除をしてくれたみたいで、直ぐに終わったみたい。

私達が築き上げてきた街は善意に溢れている…一部変なのがいるし、欲望のままに陰で蠢ている連中もいるけれど、全体を見通して9割が善性であれば、目を瞑ろう。


さて、各インタビューも終わっているし、各々の陣営がどう思い、どう考え、どう動いたのか紙に書いて来てもらったから、それらをまとめていかないとねっと。


デスクワークに精を出し続ける。おっと、必要な書類がちょっと手が届かないな~ぁー私じゃ届かないなぁ~こんな時は~

「あ、そこの紙とって」「はい、此方ですね」

すぐ傍に居るメイドさんに声を掛けるとお淑やかに手渡してくれるので、その手を手に取り

「今夜…どうだい?」流し目で決め顔をすると「ぁぁ、そんな大旦那様、ご無体な」ヨヨヨっと言わんばかりに口元を手で隠し視線を外される、その仕草を見て

「…っぷ、だっはっは!!いいね!流石は貴族!堂に入ってる!!やっぱ、こういうやり取りって多いの?にゃっはっはっは!!」

笑いをこらえることが出来なくなり、机をバンバンと叩きながら笑ってしまう

「…そうね、多いわね。大旦那様専属のメイドってなると、そういう事で傍に置いている貴族ってのは多いわよ、ったく、何をやらせるのよ~」

掴んだ手をぺちりと叩かれたので手を離して書類を受け取る

「はー…おもしれー」「ったく、よく用意していたわね?」

スカートの裾を手に掴みくるっと半身を捻ったりして可笑しい所がないか、まーたチェックしてる、大丈夫だって肌をさらけ出すような罠は用意してないから

それは純粋に、他のメイドさんが来たとき用に念のためにこさえておいたやつだから。


うーん、どうなのかしら?っと、鏡の前でくるくる回る、その姿は、まるで貴族の社交界に初めて仕事を任された新人メイドの様に回っている。

ヘッドドレスもちゃんと似合っているしセクシー路線ではなくしっかりと、ロングスカートのメイド服。貴族が絶対に着ない服、良い辱めじゃない?

「別にお母さんに着せたいためだけに用意したわけじゃないからね?ちゃんと何時か雇用する時が来るかもしれないって用意してあっただ~け、たまたまだよ?」

鏡の前でおかしなところ、何か細工が施されていないか入念にチェックし終わってからジト目で睨まれてしまう

「本当かしら?貴女は…そうなのよね、ある日を境に悪戯する回数が増えたから油断できないのよ…」

はぁっとため息を吐き捨ててから、ゆっくりとお淑やかにまごう事なきメイドの動きで隣に立ち

「良い友達が出来て良かったわ、しっかりと…遊べなかった分、たっぷりと遊びなさい」

優しく頭を撫でられる…その優しさに涙が溢れそうになる

「愛いやつじゃ」誤魔化す為にお尻を撫でると

「照れ隠しが下手糞ね」ぺしっと手の甲を叩かれる

お見通しでした。


メイドちゃんはどうしたのかって?

午前中は、インタビューに出てもらって、それらを提出してもらってから運営委員会達の仕事を手伝ってもらって、時間が出来たら仕事を言い渡すまで自由にして貰ってます。

特に文句も無く働いてくれてるよ?メイドだからと言って常に一緒に居るわけじゃないから、仕事を分担するのもメイドちゃんからすれば何時もの事!

それにね~、いざこざを回避するために、ちゃんとね、伝えてある。罰ゲームでNo2がメイド服で一日中傍に居るっていうのを伝えているからね?伝えた時はお可哀そうにっと、言葉では言ってたけれど、ちょっと口元にやけてたからな~。そんな状態で、二人が揃うと五月蠅くて仕事になんない、ってなわけで、外に放り出す様に仕事を渡して置いた。


静かに黙々と作業を続けていても、ピシッと姿勢を正して横に立ち続けるメイドさんに

「座ってもいいからね?」「あら、そうなの?」

気を使って声を掛けると、お淑やかに足音を殺すように静かに歩き、椅子を手に取って此方まで運んでくる。

近くに居なくてもいいのに…ガチでメイドに徹してるじゃん、お母さんが育った環境が垣間見えるね。

私のとこは侍女って…ほとんど傍に居なかったからな~、基本的にお父様か、お母様達の近くに居て、私達、子供達は侍女よりも執事さんの方が傍に居る時間が長かったかな?

だから、本格的な侍女がどういう物なのかは詳しくは知らないんだよね、お母さんの所作を見て、大変なお仕事なのだと感じてしまうのと同時に、メイドちゃんが如何にフランクに砕けてくれているのか知ってしまう。私がそうする様にっと命令したからなのか、アレが素なのか、ちょっと疑問に思うところもあるけれど、メイドちゃんには気を使われてばっかり、良い子だから幸せになってほしいけれど…団長の心を射止めるのは難しいだろうなぁ…

最終的にあの技術を使って幸せになってもらうしかないのかもなぁ~…それはそれで問題が山積みなんだよなぁ~…うん!メンドクサイ!メイドちゃんはメイドちゃんで自力で頑張って幸せを掴んでもらおう!!


インタビューがまとめ終わったので、本の制作に移りたいので、相談しに移動していると周囲の視線がNo2を刺し続けていくが、一切動じることなくメイドとして私の一方後ろを歩き続けている。

うん…罰ゲームにしてはぬるいか?っというわけで…

お母さんと長い付き合いのある人の所にいこっと♪

すれ違った研究塔の人に彼女は何処にいるのか問うてみると旦那さんのとこでお茶しているとな?ベストタイミングじゃない?後ろをちらっとみると一瞬だけ眉間に皺が出来ていた。にしし。

方向転換して、医療の父に会いに行く為に病棟へと向かっていく、病棟が近づいてくると小さな溜息が聞こえた、そうそう、罰ゲームはこうじゃなくっちゃね!!

病棟の中にズカズカと入っていくと、周囲から小さな笑いが聞こえてくるので手を振って挨拶をしていく

古くから医療班で働いている人が居れば意味も無く声をかけて立ち止まったりもしてみた。

ガラスで反射したお母さんの手が握りしめられているのが見えてジャブが良い感じにみぞおちに決まっているのがわかる。にしし。

ついでに、団長が何処にいるのか所在を聞いてみたりするが、残念、それもそうだよね、No2がここにいるってことは外勤務だよねーあーざんねーん。

無意味に病棟を一周してから、医療の父がいる部屋にノックしてはいると歓迎される、堂々と中に入ると二人揃っていて、後ろにいる人を見て二人揃って爆笑し始める。

二人が落ち着くまで待ってから、手早く要件を済まして部屋を出ようとしたら、後ろから、お前も大変だなっと労いの言葉をいただいたので、振り返って「仕事だから大丈夫だよ」っと、返事を返すと、笑い声をかみ殺す様に笑っていた。その姿を見たお母さんから、小さな歯ぎしりが聞こえてきた。

病棟での仕事も終わったので病棟を出て、ある場所に向かっていくのだけれど、ちょ~~っと遠回りし~ちゃぉっと!

テクテクと歩いて向かう方向にお母さんが何処に行くの?っと小さな質問が飛んできたので「運動~♪誰かさんが運動しろってうるさいから~」っと、振り返って返事を返すと笑顔が引きつっていた、進行方向が何処に向かっているのかわかったからだろう。にしし。

修練場に到着すると、各々がしっかりと修練に励んでいる、うんうん、良きかな良きかな。

頷きながら、修練場に踏み込んでいくと、滅多に顔を出さない私が来たことで緊急事態かと現場がピリ着いたのでお母さんに見えない様に腕を組みながら人差し指をお母さんに向けると、瞬時に全員が緊急事態ではなくお戯れかと察し、笑みを浮かべながら修練が再開される。

修練に励んでいる人達に頑張ってね!期待しているよ!っと、声援を送りながらゆ~っくりと歩き続け、無駄に、修練所で破損したところないかな~、手を加えるところあるかな~っと視察している雰囲気を出しながら、注目を浴びる様に声を出しながら隈なく探索する。

2,3周巡回してから、よし!異常なし!っと声に出してから修練場から出ていく…っち、ティーチャーくんもベテランさんも外勤務か。

そのまま、スタスタと王都に向かうように街の外へ向かって歩いていく。方向から察したのか、直ぐに真横に並ぶように近づいてきて

「お仕事はよろしいのですか?」※早く帰れよ※

「お仕事?してるじゃん?修練場で頑張る人達に激励でしょー?修繕箇所が無いか、チェックしたよー?立派な仕事だよねー?」

笑顔で返事を返すと口の端が震えている、笑顔を作り続けるのも限界かな?にしし。

「確かに幹部として正しい行動だと思います、ですが、向かう方向には何もありませんよね?」※早く帰れよ!※

「ん?そうかなー?…どうだろうなぁ?メイドさんなら、私のスケジュール把握してるよね~?」

何か、見落としがあったのか、思い返す様にしている間にテクテクと目的の場所に向かって歩いていく

「ほら、私が作った空家の点検!たまにはしないとね」

ほぼゴーストタウンだけどね!商業エリアは~…んー、今日はどこも開いてないか。趣味で運営している人達しかここを利用していないからな~残念。

念のために、建てたモデルハウスに不備がないか点検をすると、そろそろ夕暮れ時…つまり、お腹が空くわけだ

「あ~お腹空いたなー」お腹を摩りながら、聞こえる様に呟くと

「では、戻りましょう」※はぁ、やっと帰れる※

待っていましたと言わんばかりに返事が返ってくる。

「そうだね、帰ってご飯食べよ~」

振り返って笑顔で応えると、満面の笑みで「はい」気持ちのいい返事が返ってくる。

そうだよねーご飯食べないとねー!!あー、お腹空いたなー、いっぱい歩いたもんなぁ~

テクテクと歩いていくと

「ん?なんだろう、美味しそうな匂いがするなぁ~ぁースパイスの香りに誘われちゃう~」

匂いのする方向に誘われる様に進行方向を変えると、っげ、っと嫌そうな声が聞こえてくる

「そっかー、女将のお店が近かったなー…今日は運動したからな~、運動してから直ぐにたんぱく質を取る方が筋肉が成長するんだったよね?」

同意を求めるが返事が返ってこない、行きたくないのだろう。

「だ・よ・ね~」

圧をかける様に振り返ると苦虫を噛み潰したような表情で小さく、はい、っと返事が返ってくる、折れたな。

「っじゃ!!食べに行こう、そうしよう!!」


ドアを開けて中に入るとキッチンの奥から声が聞こえてくる

「まだ仕込み中だよ!待っても良いのなら適当な席にすわんなー!!」

ここで、当主である私がキッチンまで、声を駆けに行くのは違う、こういう時こそメイドさんの出番ってね!!

後ろで嫌そうな顔をしているメイドさんに顎をくいっと動かして話をつけに行けと合図を出すと、瞬時に理解したのか、引きつった笑顔で「はい、お嬢様の御意思のままに」諦めた様な困った笑顔で奥へ進んでいき、キッチンに通じる通路の所でコンコンっとノックすると

「ったく、あんだい?なに…だーーっはっはっは!!!なんのジョーダンだい!?あはーーせんせー!?病院は?解雇されたのかい?だはーー!!」

豪快な笑い声と、バンバンっと叩く音が店内を埋め尽くしていく。その声を聴いて私の心は完全に満たされた気がする。

メイドさんは動じる事も無く要件を伝える為に相手が落ち着くのを待ち続けていると

「はーおもしれぇじゃん、姫様だろー?こういう悪戯するのはー」

メイドさんが一歩下がると、ぬっと大きな体をキッチンから出して

「だよなー!はー、おもしれー、どうしてこうなったか教えてくれよー!呑むだろー?」

私を見て手を振ってくれるので、私も手を振って返しながら、いつものカウンター席に移動し着席してから

「今日は呑まないよー?この後もお仕事あるからー」

キッチンにお酒と摘みを取りに行ったであろう女将に声を掛けると

「あんだい、そりゃ仕方ねぇな~、なら、何か食べに来たのかい?メイドちゃんも食べるかい?」

「お腹空いたでしょ?食べなよ?」

後ろを見て声を掛けると、うん!限界が近そう!微妙に震えてる!!

「お言葉に甘えてもよろしいのでしょうか?」

語尾が震えているので、そろそろ、解放してあげよっかな

「うん、いいよ。もう十分楽しんだし、何時も通りにしていいよ?」

その一言で直ぐに勢いよくヘッドドレスをはぎ取り、だぁああああ!っと奇声を上げながらカウンター席に座り

「もーやだー!!!すっごい恥ずかしかったんですけどぉー?やってくれるわね!この子はぁ!!」

髪の毛をぐしゃぐしゃにするように頭をこねくり回される、っふ、それくらい甘んじて受け止めてやるさ!

お母さんが満足する迄、されるがままでいてると

「はいよ、めいど…先生も食べるだろ?」

「はぁ、いただくわよ」

こんっとテーブルに小鉢が置かれたので解放される

その後は、三人で談笑しながら食事を楽しんだ。理想としてはお母さんの愚痴を肴にして一杯やりたかったけれど~

仕事がねー山積みだから、出来ないんだよなぁ!致し方なし!



お腹も膨れ帰っていると、疲れ果ててもなお、働き続けるギャンブラーの姿が目に留まり、何かつぶやいていたので耳を澄ませると

次だ、次こそは!倍だ、倍プッシュだっと呟いていた。彼は永遠に変わることは無さそうかな?お互い賭け事は程々にしようっという人生の教訓を胸に抱いて帰るのであった。


予想は当たりましたか?

私としては、姪っ子ちゃんか、メイドちゃんが勝つシナリオを書きたかったのですが

ルーレットに選ばれたのが一番安パイで書きやすい団長が選ばれるとは…


おまけが長くなりすぎて、おまけじゃなくなってしまう予感はしていました。

もう少し早くから取り掛かればよかったのですが、年末の忙しさに翻弄され

凄く遅くなってしまいました。

今後も、おまけの需要があれば書きたいのですが、無さそうであれば

おまけは、書かない方がいいのかな?

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