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最前線  作者: TF
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おまけ 大地染めるは…⑧

そんなわけで、私の賭けは非常に優勢…なんだけどなー長年の付き合いを通して感じている不安要素も盛りだくさん。

第一に、団長の運の悪さ!

第二に、時折見せるうっかり妹成分!

第三に、誰かの為ならっという自己犠牲の精神!

第四に…ぁ、駄目だ上げだすといっぱいある、考えるのを辞めよう、そういう状況を引き寄せちゃう。


…大丈夫だと信じようかな!

いざ、冷静に分析しちゃうと、意外と?危険かも?



ぁ、やっべ、初手で落ちる未来もあるのか…

…賭けってのはそれくらいリスク覚悟で行かないと楽しくないよね?頼んだよ団長!!お母さんに無茶な要求を通す為にもね!!にしし!



風のように速く思考を駆けさせ落ち着かせるようにブレーキを踏む。予想では負ける未来は少ない。

安心して、ソファーに座ろうとすると、同時に座りこれから始まるイベントを見守る。


取り合えず、確認の為にね、動かなそうな雰囲気があったお爺ちゃんの様子をがちゃりっとな!

広場の様子を見る為にチャンネルを切り替えると、広場には、一つの陣営だけが残っていた。

その陣営とは、動くのが面倒なお年頃なのかもしれないお爺ちゃん陣営、ただそれだけが残っていた。ってね!


二日酔い中か、それとも元より自ら動いて物資を確保しないっと決めていたのか、お爺ちゃんだけを広場に残して、他二人のチームメンバーの姿が見えない。恐らく水風船を取りに行かせたのだろう…うんうん、各陣営しっかりと動き出しているね。

「流石、筆頭騎士様、堂々たる姿勢…かかってくる敵を殲滅する姿勢ね、この勝負、恐れるべきは隠れる場所が豊富っということ、つまり、不意打ちのしようがない広場で待ち構えれば実力勝負ってことでしょ?なら、この賭け…勝ちは見えたわね、ふっふっふ。何をして貰おうかしらぁ?」

ぺちぺちと、太ももを叩きながらにやついてこっちを見るな!

まったく、こんな序盤で誰が優勝するのか、決まるわけないっしょ?もう酔ってる?ぇ?あの酒精で?んなわけないよね?

…っま、お母さんはお爺ちゃんの実力を高く評価しているみたいだから、その気持ちはわかるよ?私だって、広場で仁王立ちで待ち構えられたら、やりにくいなぁって思うよ?

っま?私だったら余裕で勝てるけど?…一騎打ちだけが勝負じゃないからね、きひひ。

「でも、ああやって自信満々にしている人を倒してみたいっていう戦士達の気持ちはわかるわね…貴女なら彼を倒すとしたらどう動く?」

つんつんっと頬を突いてきて…やっぱり酔ってる?

「私?んなもん、決まってるじゃん、不意打ちありなら不意打ちする」

「それは無理じゃないかしら?視線を隠す場所ないわよ?」

顎に人差し指をピンっと立てながら人差し指の腹を当てて考え始めている、きっと、私ならどう動くのか想像しているのだろう


「認識阻害の術式で隠れる、もしくは、水風船に認識阻害の術式で隠しながら投擲、投擲時も地面すれすれに一個目を投擲、続いて二個目は空中(放物線は高め、お爺ちゃんに垂直落下する感じで)に投擲、三個目は胴体に投擲、視線が胴体に向かってくる水風船に流れた瞬間に念動力、または、風を水風船を挟み込む様に交差させ封を切る。上空から降り注ぐ粘性の液体で面積を染める。策を確実にする為に、視線を誘導するために私だと認識する視覚誤認の術式をメンバーに付与、その状態で広場の隅で隠れる様に待機、お爺ちゃんなら見逃すことは無いから視線がそちらに向く、先の策を実行、8割くらいでこれで勝てる。卑怯で良いのなら、メンバーを団長の姿へと変えて広場から見える場所を通り過ぎる様に動いてもらうんだけど、お爺ちゃんに向かって手を振りながら通り過ぎてもらう、お爺ちゃんなら遠目に見えた孫に絶対に気を取られる、そして、それから10分後くらいに他のメンバー二人も団長の姿に変えてから、違う方向から同時に現れ、同時にお爺ちゃんに手を振ってもらい、お爺ちゃんが驚いた瞬間にお互いが、ぇ?自分がいる?っと声を出してもらい、そのままお爺ちゃんに駆け寄ってもらい何方が本物かわかるよね?っと詰め寄ってもらう。当然、警戒されない様に水風船は持たせない、二人に気を取られている間に念動力で水風船を3個くらい上空に運んで上空で割る、念のために、降り注ぐ液体を避けられない様に団長に化けた二人はお爺ちゃんに抱き着いてもらう、当然、選出メンバーは女性を選んでいるので動きも匂いも触り心地も女性、女性達も伝説の元筆頭騎士と合法的に抱き着けるのなら喜んでやってくれる、敵意も何もなく、寧ろ好意を向けてきている女性の柔らかい肉体に包まれたら…彼の思考はこれで完全に止まる。はい、私の勝ち」

考えられるだけの策をさらっと川の流れの様に垂れ流していくと「貴女らしいわね」っと、呆れた様な顔で脇腹を突かれる。

他にも、色々とあるけれど、成功率を考えるとこの二つかな?



そんなやり取りをしていてもお爺ちゃんがあくびをするだけ。

このまま、お爺ちゃんは動くことって無いと思われるので、動きがある人物を探す為にチャンネルを切り替えていくと

「お?姪っ子ちゃんが魔道具を発動させたね」

「みたいね、隠蔽部隊が用いている魔道具じゃない」

全身に魔道具をセットしているのが見えた、カメラ越しでもそこに何かがあるけれど、何だろう?どうでもいいやっていう感じにが伝わってくる、そっか、生体パーツにも有効的なんだ、それらの実験はしてなかったな、でも、意識を集中すれば、ぁぁ、なんだ、姪っ子ちゃんかぁってくらいには認識できるから、完全に有効じゃない。


これを追いかけたとしても、意識を集中しないと脳が認識しようとしないので、追いかけ続けるのは、無理!直ぐにチャンネルを変える。


修練所が見えるチャンネルに切り替えると一瞬即発の状況でにらみ合っている、ベストタイミングじゃん!

まさか、二人が衝突するような状況になるなんてね、えっと、状況は?


お互い武器は無し、木箱は、まだ見えていない、木箱事に認識阻害の術式を施して魔石をセットしてある、その魔石のサイズも様々だし、込める魔力量も少なくしている、辺りの宝箱以外は全部、ランダムに姿を現すようにしてある…だけど、私は設置した場所を知っている、これは、何方が先に木箱に気が付くのか…瞬時の判断力の戦い。

年齢的にティーチャーくんの方が有利だけど、私とベテランさんの付き合いは長い、彼なら私の思考を読み、修練所の何処かに木箱が用意されていると読んでいる可能性がある。反射神経で勝つか、思考の読みあいで勝つか…みものじゃん。って、動いた!!


「坊やが先手を取ったわね、位置的にも有利、彼は落ちたわね」

私が考えている事と同じ、何度も修羅場を潜り抜けてきてあるだけあるよね、状況判断が的確

思考の読みあい、ベテランさんが一手速く動けてる!!


後は、ティーチャーくんが幼い時から沁みつく様に危険な状況から逃げぬいてきた経験が生きるのか、って感じだね、彼がもつ土壇場での判断能力が…どう動くか、だよね?

彼だって何年もあの大地で生き抜いてきたわけじゃない、咄嗟の判断能力は高いよ?騎士の一団を指揮して育て、有望な指揮者に育ったんだから。簡単に退場しないでよ?


刹那の瞬間を見逃すまいと、モニターに映し出された小さな点を見つめていると


「…」「…」


っわ!!!っと、驚いたような歓声が沸き上がる!?


スピーカーからの音に此方も驚いちゃった。映像の方は、ティーチャーくんが隠しカメラがある此方に向かって…走り抜けていった!!

少しだけ見えた彼の姿はどこも染まってない!あのタイミングで逃走を選択し、先輩がどう動くのか完全に見切って、飛んでくる水風船を避けたってことだね!

ひゅー!やるじゃん!


彼が退場しないのであれば、もうひと悶着ありそう!いいね!まだまだ楽しめそう!!


「はぁ…彼は退場すると思っていたら、彼も成長したのねぇ」

しみじみと、昔を思い出す様に語りながら、手に持ったワインを楽しそうに飲んでいる。興奮したみたいで少し頬が赤くなってる。


そうそう!私が見たかったのはこういうの!地球でスポーツ観戦する人達みたいに選手たちの一挙一頭足を見守って!その動きに胸を躍らせると興奮した影響で喉が渇く!そして興奮を肴にしてお酒を嗜む!…その姿が楽しそうで、さ…やりたかったんだぁ…にしし。

いいじゃん!いいじゃん!!こういうの!こういうの。夢だったんだよなぁ…ついつい、お母さんに釣られて感傷に浸ってしまう。


もう一度、感傷に浸っているであろう人物をちらっと、覗き見るように視線を送ると、少しだけ瞳が潤んでいる。

その姿を見て、私の夢が一つ叶ったのだと、言いようのない感動が押し上げてきてしまい、つい…頬を少し赤らめ、唇にも熱が届いているのか、ワインで染まったのか、妖艶な赤を帯び、目が離せない人物を眺めてしまう。



「っとと、いけないいけない、チャンネルかえてっと」

私の悪い癖、美しいモノを見るとつい…見惚れちゃうんだよなぁ…それとも、お母様が今も健康的に生きていたらって感じちゃったのかもね…

誰も居なくなった視点をそのままにしてはいけない!直ぐに切り替えないと!ライブ感が薄れちゃう。


彼の移動先が気になるので移動した方向から恐らくこっちかな?っと推測しながらチャンネルに切り替えると

決定的な瞬間を見逃してしまった。待ち伏せしてたんだ、メイドちゃん。


「っあ!!そっかー…」

「姑息だけど、それが勝負ってものよねー認めたくないけれど、しっかりと結果を出してるってのが、あの性悪小娘って感じね」

不満を感じている声、理由は単純にゲーム展開に少し不満があるから。

不満になる理由は単純、お母さんとそりが合わないメイドちゃんの作戦が決まったからだろうね~。

その気持ちは私もわかるよ?応援したくない人が、結果を出すと不満を感じてしまう。自分が応援している人が負けて悔しいって湧き上がる感情、それも!スポーツ観戦だよね!!



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