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最前線  作者: TF
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隠蔽部隊代表 元筆頭騎士 視点

古き知り合いが一緒に飲もうとか都合よく連れ出しよって、まったく、相も変わらず息子に甘々じゃなぁ…

まぁ、久方ぶりに古き知り合いと吞めたのは、楽しかったからいいわい。


ふわぁっとあくびをしながら、階段を下りていく。

さぁて…はっきりいって興味がない。つまらぬ、酒は殆ど抜けておるから全力は問題なくだせるわい。

でもなぁ、なんじゃ?水風船?相手を濡らして何とする?くだらん、姫ちゃんはわかっておらんのじゃ!


どうせなら、濡れたらスケスケになるような薄い服をうら若き乙女に着てもらってのぅ!え~いって水風船をこっちに向かって投げてきてのぅ!わしも負けじと投げてお互いスケスケになったのぅ!!薄っすらと見せるエロチズムを楽しむくらいの余興でいいじゃろがい!!


そうすれば…参加者じゃとメイドかぁ、まぁ、良い肉付じゃし、恥じらいも持っておるから、たのしめそうじゃの?

後は、あー。あやつの娘か、育ってなさ過ぎじゃ、興味はない。

…まて、後は愛する麗しの孫ちゃんじゃないか!!ダメじゃダメじゃ!!孫ちゃんの変化した体を大衆に晒すわけにいかん!!

前言撤回じゃ!っふぅ、まったくけしからん!なんて企画じゃ!姫ちゃんもエロいのう!!

※お酒抜けてません※


っかー!!ええ女はどこじゃ!かぁー!!遊び足らんわい!!!

ふがふがっと鼻息を荒くしながら大股で外に出ると


ほぅ?よいケツじゃのぅ…

ほど良く引き締まり、尚且つ、適度に肉がついておる、ええケツじゃのう、安産型か?


して、誰じゃ?…も、糞もあるかいな、血迷ったかワシ?息子の弟子じゃ…いくらなんでもアレに欲情するなんて、わし…欲求不満かの?

豪快な肉体、相も変わらず鍛え抜かれたボディじゃ。男にしか見えんのに、何を血迷ったか…

女として子を産んだから、色気でも纏う様にでもなったのか?っふ、単純にわしが欲求不満だっただけじゃだけじゃ。

ったく…


横を通り抜けようとすると盛大な溜息がわしにまで届くではないか。

「何を憂いておる」

豪快なお主が何を?らしくないのぅ?

「きまってんだろー?あたいはアンタに土をつけられてんだ、全力のアンタに勝ちたいだけさぁね」

っほ?何と?お主は母として生きるのではなかったのか?まだまだ戦士としての心が宿っておったか!?

これは良い!つまらぬ遊びかと思ったが、こやつが本気で挑んでくるのであれば楽しめるわい!!

「っはっは!よいよい、この程度、ハンデっというやつじゃ」

パーンっと豪快にケツを叩き、あやつの中に燻ぶっている燃えたいが、燃えることが出来ない戦士の心を焚きつける。

「ではの」

ダッハッハっと笑いながら横を通り過ぎていく

うむ!よいケツをしておる!しっかりと鍛えておるようじゃ!まだまだ楽しめそうなことがあるわい!

あやつは負けづ嫌いじゃからのぅ!わしに負けたことを根に持っておったか!!

上機嫌で歩ていくと「こちらにおいででしたか!」声を掛けられる、古き知り合いのバカ息子か?何じゃい?

「此方で、ご休憩くださいませ」

丁寧に頭を下げてくる、うむ、良い心がけじゃ


案内された席では、古き知り合いが水を飲んでいた。

そのまま席に座らされ、世間話をしながら、どうぞどうぞと、水を飲まされていく…

なるほどの?わしがまだ、酔っておると思うておるな?ったく!失礼じゃの!あの程度でわしが酔っぱらうわけがないじゃろ!

※酔ってました※


久方ぶりの古き知り合いとシラフでの会話も良いモノじゃのぅっと会話を楽しんでいると

「お時間となりました」

…?なんじゃ?何の時間じゃ?…ぁ!思い出したわい、わし、遊びに参加するんじゃった

「しょうがないのぅ、行ってくるわい、勝ったらお前の秘蔵のワインを寄こせよ?」

ぇぇ!?っと嫌そうな顔を見てほくそ笑み案内されるがままに進んでいく。



案内された広場で可愛い孫ちゃんを見て、美しく育ったのぅっと、微笑み

姫様の話が終わるまで、綺麗所がいないか探してみる…ふむ、息子の嫁ちゃんが見当たらんな?今日は外でのお仕事かの?

久しぶりにあのでっかい果実を眺めれるかと思うたが、残念じゃ。

絶対に手を出してはいけない果実じゃからのぅ、見るだけでも心が満たされるという物じゃ。


…ふむ、ちょうど耳に入ってきたが

わしが一番人気か!当然じゃろうて、次いでは、弟子のやつか、それも打倒じゃろうて、その次に弟弟子か、うむうむ。

賭け事というても、みな、手堅く賭ける物じゃな?


空を見上げると…晴天じゃ…

ふむ…良い天気じゃ、目も覚める…うむ、うむ…うむ!!!

一番人気と期待されてしまっているのであれば応えねば王国最強がすたるというものじゃ!!この功績をもって!嫁たちに商品を持って帰るのも良いな!あのホテルは高いから滅多に利用せんからのぅ…

うむ!欲しい車もあるし!嫁たちのご機嫌取りに最高ではないか!!を?だんだんとやる気も漲ってきたわい!!!



活力がみなぎってくる頃にはちょうど、移動の時間とな?…

ふむ?勝手知らぬ土地、何処に何があるかなぞ把握しておらぬ


っであれば、わしが勝つには…迎え撃つのが一番じゃろ?

この広場を戦場として準備をしておけば、誰も迂闊に攻めてこんわい!

攻めてくるとしたら最後まで生き残ったやつか…女将のやつくらいじゃろ


っであれば、ここを我が城とする!!

籠城の準備をせねばな!!

皆が離れきってから、わしと共に参加する者たちにその事を伝えると

物資を見つけ次第、運んできますっと敬礼を添えて駆け出して行ったわい。


そうじゃったそうじゃった、水風船なるもので相手を染めねばいかんのじゃったなぁ。

わし色に染めてやるっか、そんなのは好いた女子だけでいいわい。



何もすることなく、広場の中央で仁王立ちし続ける…

時折、屈伸したり、腰を捻ったり、ぐいんぐいん回したり、肩を動かしたり、軽くジョギングなどはしてるがの

待ち続けるとするかの…


気が付くと木箱を四つも持ってきてくれたわい。

中を開けて何が入ってみるか見てみる、ほうほう、大きいのもあれば、それよりも小さいのもある

ん?なんかついているの?ほぅ?糸がくっ付いているのか、糸を握り持ち上げてみると、しっかりと水風船も持ち上がる。

ふむ、頑丈じゃの…これは切り札として置いて置くかの


木箱を用意してくれたものに、戦いはわしに任せろと、作戦を伝えていく。

わしが指の形で合図を送るから、その合図に沿って水風船を寄こせっと言うシンプルな作戦

指の形を徹底的に覚えさせようと思ったが、ふむ、流石は姫ちゃんとこの兵士じゃ、賢いのぅ一度で覚えたわい。


なれば、後は待ち続けるだけじゃの…




時折、視線を感じたりしたのじゃが、ふむ、耄碌したかのぅ?視線を感じた先は誰もおらぬわい

もしかしたら、姫ちゃんが何か魔道具を使って撮影っというやつか?しておるのかもしれぬのぅ

だとしたら、わしは耄碌しておらんわい。生涯現役じゃ!!


…この遊びも、長引く事も無かろうて、弟弟子でも誘って、隣町にでも遊びに行くのもよいな…



っむ?気配じゃ、力強く大地を踏みしめる強者のな!!ようやくきたか!!遅かったのぅ!待ちくたびれたわい!!

「っふ、遅かったのぅ?」

既に誰かと闘ったみたいじゃな、汚れとるわい、それに手に持っているのは…なんじゃ?たったの一つか?

わしもなめられたもんじゃ、準備万端でかかってこいと言うのに…


っとなると、向こうから突撃してくることは無いじゃろうな

わしは準備万端、向こうは準備が不十分じゃ。


一応、かる~っく挑発してやるかのう?

乗ってくるとはおもわんがな


「あんじゃい!その大きな図体は立ち止まることしかできんのかぁ?おー?なっさけねぇのー?」

ピクリとも動かんの?…本気っと言う事か、うむ、その心意気や良し!万全たる強者を警戒するのは正しいぞ!

その心意気に応えんで何が強者じゃ!こちらの攻撃手段が無くなるなぞ!弱者の考え!打って出るぞ!!

「わかっとるじゃろ?立ち止まっていては何も出来んぞ!なら、こちらから行かせてもらう!!」

右手を動かし合図を出すと直ぐに右手に水風船が投げられ、掴むと同時に全力投球する!!

ほほぅ?意外と丈夫じゃのう!投げても全然問題ないわい!!

ひ孫たちのお土産に欲しいの!!庭で遊ばせたいわい!!


うむ、反応速度や良し、拳で払いのけるようにしたわい、確か体の面積に対して一定の割合を染められたら負けじゃったかの?

だとすれば、拳のみ染まったところで痛くも痒くもないっと言うわけか!!


それを理解したみたいじゃの!目が輝きおったわ!向かってくるじゃろうな!!あの目は活路を得た輝きじゃ!!

「おおおおおおおおおおおおお!!!!!」

大きく叫びおって!わしが怯むわけもなかろうて!!

ほれほれ!弾いてみい!全部弾けることができるかの?


普通に投げては弾かれるのぅ、ならば!

フェイントを混ぜたり、速い球、遅い球、アンダースロー、オーバースロー、サイドスローっと投げ方を変えてみると対応できなくなってきておるわい…じゃがのぅ…肩や膝にあたるのだが、面積がでかいのぅ…

それに当たらなかったやつの中に色がついていないやつも混ざっておる…そういうのもあったのぅ…忘れておったわい。


面積がデカいのあれば…こちらにも隠し玉があるんじゃわい

弾かれても良いように真っすぐに投げ、すぐさま合図を出し大玉を寄こさせる


だいぶ距離も近づいて来ておる!決着といこうかの!!

先に投げた水風船が拳で弾けあやつの視界を奪う様に広がった瞬間に…


大玉を投げる!!っひっひっひ!終わりじゃ!粉砕の!!!


…なんじゃと!?投げた水風船を割ることなく受け止めるじゃと!!なんと器用な!!

直ぐに次の弾を寄こす様に指示をだし、受け取ると同時に此方に真っすぐ投げ返される大玉にぶつける様に投げる!!っと同時に切り札を寄こせと合図を出す!!

大玉がわしの足先で弾け足が染まるがその程度!問題なぞ無いわい!


間髪入れず切り札をあやつの顔に向けて投げる!!糸はしっかりと握っておる!!

「んがぁ!!」

お主であれば避けるのはわかっておるわい!!少々、飛び散った液体が付着した顔を濡らすよりも!!

濡れておらない背中を染めれば、わしの勝ちじゃ!!!


避けられた弾の軌道を変える為に糸を地面に向かって拳を振り下ろす様に動かし軌道を変える!

運よく糸があやつの肩に引っかかり弾の軌道が変化し空中で制止しそのまま糸に引っ張られる様に背中に向かって軌道を変える!!


わしの勝ちじゃ!!


パアンっと弾ける音が聞こえたわい…っふ、今回もわしの勝ちとさせてもらおうかの?

勝利宣言をするように笑みを浮かべ声を出す

「わしの勝ちじゃろ?」

…勝ちじゃよな?何か合図はあるはずじゃろ?審判?どういう状況じゃ?


はよう、判定せんかっと視線を向けると目の前に大柄の戦士が息が届くほどの距離に近寄る!?

…脳裏に過る無色透明液体…まさか!!あれは色がついておらなかったのか!!


「おおおおお、らぁぁああああ!!!」

目の前であやつが持ち続けていた弾を拳で目の前で叩くじゃと!?

豪快に弾けるぞ!?…そうか!!狙いはわし諸共!!引き分けに持って行く気か!!!

パァァアアンっと手に持ち続けてきた必殺の大玉を目の前で割りおって!!この距離じゃ避けれん!!!


豪快に弾けた水しぶきが全身に降りかかり冷たい感触が顔、胸、腹へと伝わってくる…

この量、ひきわけ・・・ではない!!

これもまた、透明とな!?まだ、わしらに闘えと言うのか!!まだ、わしに勝てと言うのか!!

その願い!応えてやらんとなぁ!!


弾を寄こせと手を伸ばし合図を送る





だが、それも虚しく意味をなさなんだ…

続きざまに頭からつま先まで満遍なく大量の水が降り注ぎ

完全にわしの体は染まる…今度はしっかりと色付きじゃわい…


闘いに熱中し過ぎて、他の者たちが近づいているのにまったくもって…気がつかんかったわい。

わしらを染めたやつらが何処からともなく急に姿を現し大きな声で喜んでおるわい。

まったく、そういう面妖な術を…姫ちゃんの魔道具じゃろうなぁ…

まぁいいわい、楽しかったわいな…


「っは、俺らの負けじゃの」

「ああ、してやられたねぇ」

拳を前に出すとガツンっと重たい衝撃がくる…

うむ、息子は良い戦士をそだてたものじゃ…


さて、冷えてもうた体を暖めにいくかのぅ~

目的の場所に向かって歩こうとすると

お互い考えることは同じみたいじゃの?真っすぐに寮にある大浴場に向かって肩を並べて歩いていく。


今日が天気が良くてよかったわい…む?そもそも遊び的に雨がふっていては出来ぬか。姫ちゃんは天気も読めるのか?

いや、聞いたことがあるわい、この大地は雨はたまにしか降らぬと。


靴も濡れて気持ち悪いのぅ、この色、ちゃんと落ちるのかぅ?っと、心配しながら歩いていると

「…あ、忘れてた、爺さん、あたしのケツに触ったこと、あたしの旦那と、爺さんとこの嫁さん達に報告すっからな」

「何!?おい!それはやめろ!!色々と誤解されるだろ!」

「知らねぇよ、事実は事実じゃねぇか、姫様ならそういうだろ?」

「っが!?っぐ…狡賢くなりおってぇぇ…何が欲しい?」

「いい酒くれよ」

「…わかった、秘蔵のワインをくれてやる」

「っしゃ!」


天高く拳を突き上げよって…っふ、負けづ嫌いなのは良い事じゃ。

…じゃけど!姫ちゃんみたいな狡猾な勝ち方はわしは好かんぞ!!何度、姫ちゃんとゲームをしてはめられたか!!

ああいやじゃいやじゃ!ああやって、み~んな、いたいけな老人をいじめてくるんじゃからなぁ!!



でも、こうやって、皆と共に楽しいひと時を過ごせるとは想像していなかったな。

筆頭騎士としての職務を終えたら、俺の人生は火が消えたように何も無いと思っていた。

良いモノだ、長生きをするというものは…息子よ?見ているか?

おまえの分まで俺は、人生を謳歌してやるからな?


天高く突き上げられた拳の先は…太陽が輝いていた…




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