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最前線  作者: TF
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Dead End ユUキ・サクラ 妖闘桜散 (16)

さて、思考を目に映る正面…現実に戻して説明していこう

この槍を用いての主な討伐対象は、私達が前線で戦っている時にね、どうしても乱戦状態になることはしばしばある。

どうしても、全ての敵を逃すことなく殲滅できるわけじゃない、闘いの最中に螺旋状態から抜けでるように突破されちゃって、前線からはぐれてきた鹿とかのさ、中型の獣達が後続の部隊を見つけて向かってしまう事を想定している。


当然そうなることは過去の経験上ね、起こりえるのは経験済みだから、後続にも最前線で戦えないけれども、中型の獣達と闘えれる人を配属してきたけれども、最終決戦時だと、中型の獣と闘える人を配置できないって、状況を想定している。


経験上ね、群れからはぐれた鹿は止まることを知らない程に何処までも駆け抜けようとする、猪も同じ行動をとることが多いかな?

力のない人達が対処するにはどうしたらいいのかってことで、敵の習性を利用する方針で策を固めている、突進力が高い敵が突進してきたら大きな盾を使って正面から受けとめる、受け止めれる人が一人ならそれでよし、一人では難しいのなら複数人が盾を持って受け止めて敵の動きを止める。

止めたらすぐに止めを刺す!ってのを徹底的に訓練してもらっているから、怖気づかない限りこの槍を使って側面から複数人で敵が持つ鋭利な角に刺されないように気をつけながら相手の動きを牽制して、どうにかして、どこでもいいので先端を突き刺して先端を回転させて少しでも敵の皮膚をえぐったり、関節部を損傷させて、じわじわと削って動きを封じながら止めを刺すことを目的としているって感じ。


ってなわけで、力が無い人達でもやられる一方じゃなく、何とか、一矢報いることを想定していている。

名前を名付けるのなら完全一撃離脱用使い捨て槍って名称を考えてみたん…だけど、この名前を提案したら研究所の皆が苦笑いをしていたんだけど?わかりやすくていいと思ったのは私だけっぽい。私ってやつは、名前を考えるセンスが無いのだ。


一通りどういった状況で使うのか、どの敵に対して用いるのか、会場にいる人達に説明し、一応、私が考えた槍の名前を告げると何かに気が付いた人が居る。

この名前から何かを察することが出来た君は賢いねぇ!

…そう、そうだよ、そのもしかしては正解だよ、この槍には、もう一つ凄いギミックが搭載してあります!


この声に会場の人達がまだあるのかと騒めいている。良いリアクションしてくれるのは発表する側としても嬉しい限り。


パチンっと指を鳴らすと合図を受け取った騎士がもう一つのギミックを作動させる。

ガリガリと音を出して突き進み、説明を終えた今でも回転が止まっていない、回転し続ける槍の切っ先を的に押し付ける様に固定するために力強く、ぐっと的に押し付け、槍の柄、石突の部分に仕込んであるスイッチを的に向かって力強く掌底によって押し込む様に石突を押すと


周囲にゴォンっと低音が響き会場全体が静まり返り…気が付けば槍の先端には刃が無くなっている。

的の奥にある床にカァンっと何かが落ちる音が聞こえ、床を転がる様にカラランっと金属が転がる様な甲高い音が静まり返った会場に広がっていく。


刃が落ちた付近の上を見ると、壁に小さな傷が出来ているのが見える。


この一連の流れでもう一つのギミックがどういったモノなのか気がついたでしょうね。

そう、もう一つのギミックは先端部分射出機能!!

回転していた槍は鋭い回転を維持したまま!!

槍が突き刺さった対象をより深く!相手の内臓を傷つける様に!!

深く刺さる様にすごい勢いで射出される。


回転する力+爆発するような衝撃!その二つが合わされば!1+1は200だ理論じゃい!!っという名言で押し切りたいけれど、

そうもいかないよね。


人が突き刺す力と回転する力と圧縮された力場が解放される力が合わさって勢いよく射出される。

複合された強烈な力のベクトルによって敵の皮膚を引き裂き内臓の奥深くに突き刺さる様に刃が深く刺さる。


段階に分けて簡単に説明すると

第一段階として、敵の体に回転する刃によって表面を削る

第二段階として、削れて露になった何も保護されていない柔らかい部分により深く金属をねじ込む為にしてから、刃を射出

これを繰り返せば敵は死ぬ!って寸法だ!…人に向かって、絶対にやっちゃいけないよ?


そんな非道なことしませんよーっと会場から返事が返ってくるくらいには会場の空気は良好。

火薬の時とは違う、ちょっと一安心…別に気にしてないからね?


弱点は、見ての通り一発限り。

一度使えば当然、先端部分が刃を失うので、射出した後はしなりにくいただの硬い棒になる。


なので、使ったらすぐにその場から離れないといけないってこと!

だからこその後続部隊に持たせる武器としては適切じゃない?


一撃離脱一撃離脱!って、思考に叩き込んでおけば、どういった状況だろうと、理由をもって退避できるでしょ?

要らない蛮勇を奮い起こそうと、誰かの為に何もできないのにその場にとどまるっと言う蛮勇を発揮してしまった結果、無駄に命を散らす事も無い。


他に危惧している事としては、敵の勢いや殺意に飲み込まれてフィアーに陥らない事かな?

震えて力の入らない状況じゃどう足掻いても扱えないから、その場合はフィアーに陥っていない人に現場から引きはがしてもらうしかないかな?

連携力を高めてもらわないとね、つっても、その点は既に戦士長と相談済みだし、カジカさんもそれを念頭に置いて訓練をしてくれているから、何とかなるでしょ。


理想としては、一発限りっという性質上、出来るのなら狙って欲しい箇所は致命傷となる心臓や脳がある場所。

一撃必殺の思考を忘れないで狙って欲しい…何故なら敵は多少の怪我程度なら止まらない、普通の獣では無いから、心臓や脳を確実に壊さない限り殺意を持って動こうとするからね。


絶対に命を無駄にしない、油断しない、手心を加えない、殺意を持って近づく物には殺意を込めて対処するっと言う事実を、圧を込めて説明すると全員が静かに受け止め頷いている。


敵の脅威については叩き込まれているみたい、つい、うんうんわかってるわかってると笑顔で頷いてしまう。


力のない人達用に開発したと言っても、それ以外の人達も使う想定はしているよ。

力ある騎士部隊達が扱う状況はどういう状況なのか、ある程度想定はしている状況ってのが、頭蓋骨などに槍の先端が刺さったけれども、自分の力では骨を撃ち抜け無さそうってときに一撃必殺で使ってもらうってのを想定している。


幾ら私達でも状況によっては貫く力が発揮されないシーンがあるだろうってこと。


例えば、何かのはずみで槍を持った騎士や戦士が、空中にいて槍の切っ先で突進してくる敵の動きを制止させようと切っ先を脳天に当てることは出来た、けれども、頭蓋骨を叩き割る程の力は籠めようが無いってとき、とかを想定している。


続いて、槍の仕組みを一歩踏み込んで説明する。

多くの人がね、気が付いていると思うけれど、槍から硝煙が出ていないよね?これには火薬を使っていない。

この発言に、言われてみれば煙がないっと反応する辺り、気が付いていなかったのかな?

槍の先端が射出されたとき、火薬による爆発に比べて音が強くなかったから怖くなかったのかな?

んー基準がわかんないや。まぁ別にいいや気にしない。


火薬を使わないのは火薬の量が足りてないってわけじゃないっというか…んー、火薬は常に量産しているんだけれど…情けない男が王位に就く前々から禁制品だったって事情もあるんだけどぉ…一番の原因は、情けない男のせい!!情けない男と交わした条約のせいなんだよね!!

禁制だった火薬を製造しても良いと条約を結んだんだけど…一定数の火薬を製造しても良いって条約を取り付けたんだけど…


大量に火薬を所持すると条約違反と見なされよろしくない事態が発生するので生産量は抑えないといけない…


ほんっと情けない男!戦う為の戦力くらい揃えさせろっての!っていうわけで、爆発するような衝撃を生み出した動力源はね、この街にいる優秀な研究員と共に作り上げた小型の魔石と、術式と、槍の中にちょっとしたギミックってわけ。


火薬事情に関しては話す必要性は無いのでそこはカットして、この槍の動力源である小型の魔石を取り出して仕組みを簡単に説明していく。


射出や回転機能の動力源は全てこの小型の魔石。

正確には回転する術式を発動させる魔石と射出させる術式を発動させる魔石の二つがこの槍の内部に搭載してある。

回転する術式は押す力+引く力、簡単に言えば雑巾から水を絞る様な感じの捻る力の構図かな?そういう風に力が作用する様に術式を組み込んである、ベースとしては念動力の術式


射出させるために発動させている術式は、圧縮と解放

周囲の特定のモノだけを引き寄せ、ある場所に留める様に圧縮する術式によって…空気っという物質を圧縮させている。

一定の圧力に到達したら一定の方向だけに流れる様に圧縮した空気を一気に解き放つ、そういう構造。


この説明を終えると、会場にいる全員が心ここにあらずっという感じだった…

理解できるとは私も思っていないのでこの反応は致し方ない。想定済み。


ならどうしてこの説明をしたのかって?

省いても良かったんだけど、時間を稼ぎたかったから入れてみたんだけど…うん、無くてもよかったかな。


さて、難しい説明によって観客の皆様は、思考が停止しているので、その間に飛ばした槍の先端に新しく刃を取り付けてもらおうかな


研究員が刃を交換するのなら、ついでにと、周囲の手が空ている騎士を集め、刃の交換方法を説明している。

説明を受けた騎士達が刃を取り付けている間も、私の思考が止まることは無い。


一応ね~…火薬でも試してみたりはしたんだけど…実はね…失敗しちゃったんだよね。

なので、火薬はやめて魔石タイプに切り替えたんだよね。


建前で火薬を使わないことにしているんだけど、実際は此方の設計ミスなんだよね、へへ…

火薬だと、槍の持ち手の部分が爆発によってちょっとずつ劣化していくっていうか消耗していくって言うか、槍の持ち手に使用している素材は全て金属じゃないからね。多少のしなりが欲しいからベースとしては木製なんだよね。

完全に金属にするっていう考えもあるんだけど、それはそれでコストがかかりすぎてしまうし、力無き人達が重くて扱えないって事情もでてくるから、金属製にするという案は不採用。


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