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最前線  作者: TF
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Dead End ユUキ・サクラ 妖闘桜散 (4)

以外と隙が多いくせに自分は優秀だと思っているお馬鹿なこの子がある日を境に、テンションが乱気流になるようになっちゃったんだよなぁ…まぁ、きっかけとなった原因はわかってるんだけどね。

宰相が大国に話をつけに行く為に現地ガイドとして、本人は絶対に行きたくないって泣きわめいていたのを強制的に!強引に!海を渡ってもらったのがいけなかった。

大国から帰ってきたら、様子がおかしくなっちゃったんだよねぇ~…その後の些細な変化から、凡その理由は予測で来てるんだけどね。

本人の口から助けて欲しいって一言でも言ってくれたらなぁ…手っ取り早いんだけどなぁ~、変に迷惑をかけてはいけないって意識が邪魔してるんだよなぁ~、変なところでは甘えてくるのにね?変なの。線引きが良くわかんない。


「お背中しつれいしま~っす」

テンションが乱気流に陥った理由は、察していけるけどね。ある程度、宰相からも報告受けているからね~…念のために宰相に彼女の様子を把握しておくように声をかけておいてよかったよ。あちらの王様は本気で他国を侵略する事しか考えてないからなぁ~。野心モリモリ、奪う事こそ文化って考えだもんなぁ…

そんな野蛮な本国がメイドちゃんに言い渡した指令なんて簡単に予想できるよね、どーせ、私を懐柔するか、私の持てるもの全てを奪う算段をつけろとか、そういう理不尽な指令でも受け取ったんでしょ?受け取ったっていうよりも強引に渡されたんだろうな、失敗したら殺すから命がけでやれって、感じでね。


この私に、そんなことしたら絶対に殺されるし、本国も私の手によって蹂躙されるだろうってメイドちゃんは理解しているだろうからね、私だって大義名分があれば喜んで攻め落とすよ?ガチで思想が終わってるもん、あの国、この先に待ち受けている戦いを考えたら足手まといもいい所、大義名分さえあれば攻め落としても問題ないからね!

手っ取り早く、攻め落として手中に収めた方が億倍もマシだよ。


メイドちゃんはああ見えて、ちゃんと分析が出来るし、私の非道で容赦ない部分も見てきているし、何よりも私が保有する魔道具が危険極まりない物が多いのを理解しているからね、メイドちゃんの国と私達が戦争を起こしたら確実にメイドちゃんの本国が負けるのは目に見えてる。

本国を守るためには、私に刃を向けないのが一番、だけど、本国からの強引な勅命を実行しない事にはメイドちゃんの命が無い。

この状況をどうするのか、どうすればいいのか、判断がつかなくなって、板挟みになった結果、テンションが狂っていったんだろうね。


かといって、本国の偉いさんに戦争になったら絶対に負ける、絶望的な戦力差があるなんて、言ったところで理解してくれるわけもないよね~。

本国のお偉いさんが出した命令を実行しないから裏切ったと判断され刺客が放たれ、いつどこで命が狙われてもおかしくない状況になってきたんだろうね。

うん、これに関しても私が悪いから、守ってあげないとね!私が強引に宰相と同行させたのが悪い。

最初は、どうせなら、一度も本国に足を踏み入れたことが無いメイドちゃんに自分のルーツを見てもらうのも悪くないかな?っていう、浅い考えで宰相にメイドちゃんを連れて行ったら?って提案した、私が悪い。

宰相と私がメイドちゃんに確認せずに舟とか色々と手配して、メイドちゃんが本国に行くことになることを、本人に許可を取る前に確定しちゃったのが悪い。

っというか、あの国がそこまで醜悪だとは想像していなかった私が悪い!もっと情報を集めてから判断すればよかった…本当に浅はかな判断をしてしまった。

だから、メイドちゃんも私が悪いのわかっているんだから、素直に助けを求めてくれたら、訴えにより隠者を炙り出して懲罰することができるんだけどなぁ~

メイドちゃんとしても要らぬ火種は生み出さないように必死にもがいているんだろうなぁ~。んー、もどかしい。


「はい!終わりました!湯船にいきましょう!一日の疲れを溶かしに行きましょう」

全身に水をしたたらせながらも懸命に曇った表情を見せまいと気丈に振舞い可愛らしい笑顔を絶やさないようにしている。それに伴い、普段ならっというか、昔は、体を洗うだけでこんなにテンションを上げたりしない。

腕を掴まれ立ち上がらされたと思ったら、直ぐに腕を組まれ一緒に歩いていく。やや強引に動こうとしているのは…監視の目があるから?それとも、周りに見せつけたいから?両方だろうなぁ…


そんなに引っ付かなくても足を滑らせることなんて無いってのに…

っはぁ、まったく。こうやってアピールしたいんだろうなぁ…


私と姫様の関係性は良好ですから!ってね。

こうやってアピールする一つの要因としてね、ちょっとしたことがあったんだよなぁ~…

ほら?街を維持するためにはさ、どうしてもマンパワーって必要じゃん?全ての人が戦士ってわけじゃないじゃん?当然、戦えない人もいるわけじゃん?

戦う為の戦士達が増えれば増える程、街を維持するために欲しい人の数ってさ、戦士一人に対して3人は欲しいって感じで、戦士が増える度に、支える人達の数ってのは比例する様に倍増していくわけじゃん?だから、街を、人を、支え万全な状態を維持し続ける為に迎え入れている人達もいる。

当然、その人達を蔑にするつもりはない、ちゃんと希望の部署があればそこに配属してあげたかったんだけど…一番人気のある部署が私の侍女だったんだよね…


結論から言うとね、侍女として志願している人達を全員、却下しちゃったんだよなぁ、メイドちゃんが。


幹部会での議題の際に志望部署として私の侍女に配属されたいって希望が多く届いてさ~、取り合えず希望している人達のリストを受け取ったはいいけど…

侍女志願のリストを見た瞬間にめんどくせぇ!って心折れちゃったんだよね、私が。

だってさー!私ってめちゃくちゃ忙しいんだよ?やることすっごい多いんだよ?私しか出来ない準備が山ほどあるんだよ?


そんな中、一人一人面接とか、素性を調べたりなんてしてらんないから!!


だから、その、メイドちゃんにさ、メイド長になってさ、統率してよって頼んだのが悪かった…

だってさー、笑顔で私の目に留まる様な方がいればでよろしいですか?っと、言うもんだから、多少は剪定してくれるだろうって思ったんだよ…

採用の有無を私が確認するのも面倒だし、素性を調べた書類に目を通すのもめんどうだから、採用の権限を渡してしまったばっかりに…まさか、全員却下するなんて思っても無かったんだが?


私の専属侍女と言う立場を確保したかったのかわかんないけどね…いや、絶対にそうだろうなぁ…大国からも私に取り入ろうとするやつがいれば排除し、自分の地位を守り続けろみたいなの言われているだろうなぁ…

私直轄の侍女っと言う立場を却下された人達は、この街を去ったりはしていないよ?ちゃんと第二志望、第三志望の部署に配属してもらってるからね?追い返すなんてことは絶対にしない!どの部署も人手が足りてないんだもん。

なので、この街で掃除とか、洗濯とか、料理とかを担当してくれているから、正直に言えば、私の専属侍女なんてメイドちゃんが居れば事足りているから、メイドちゃんの補佐的な人が一人か二人いればいいかな?ってのは感じていたから…一人か二人くらい、侍女になるんだろうなぁって思ってたんだけどなぁ。

結果的に街を維持することを考えたらマンパワーは私専属侍女以外に割いた方が確実に良いので、現状、その采配に関しては助かっているので、私としては英断だと思うんだけど、やっかみってやつが生まれてしまってるんだよなぁ…っま、私は気にしないけどね!やっかみで刺されるのはメイドちゃんだから!

…押し付けたのは私だから、何かあればちゃんと守ってあげないと、だって、こういう状況になってしまったのも私がメイドちゃんに判断を委ねたからなんだよね、責任者としてちゃんと守ってあげないとなぁ~、だから…こういう変に引っ付いてくるのも長い事、我慢してる…たま~に、うっとおしく感じるけど、仕方がない。


後、こうやって引っ付きむしになる原因としては…少しでも私と離れる時間が増えるのが怖いんだろうなぁ。


メイドちゃんは骨の髄まで知ってるからね、人対人に置いて、私が最強だっていうのを、私の傍に居るのが最も安全であると、魔道具を使った暗殺なんて私が見抜かないわけがないし、索敵範囲も広いし、殺気にも敏感だし、人の動きをある程度、常に把握しているからね。まったく、計算高いね~、まぁ、私としてもある程度は傍に居てくれた方が守りやすいからいいんだけどね~っていうか、争うなっての!仲良くしろよ!大義の前だぞっての!


死の大地にでない、メイドちゃんがどうして私が強いのを知ってるのかって?

ちょいと荒事もやってんだよね、今代の私は。


武力を蓄えまくっている過程でね、少しばかり色んな場所で暴れてきちゃったからね。

少しでも力がある人が欲しいから、私自ら出向いて力量をチェックするために、王都で武闘会的なのを行ったんだよね。

幸いにしてそういう場が王都にはあるから、闘技場を貸し切って、私に触れたら賞金を渡す!ってのを開催して、腕のいい人達をスカウトしまくったんだよね!


最初はさ、そんな荒事を姫様がすることなんて無いじゃないですかって、心配されたよ?そんな危ない事はマリンさんや、カジカさんにやらせればいいのにって反対していたんだけど、いざ、始めてみると…言葉を失ってたってわけ。


当然、もしもに備えて、お母さんに、医療班が待機してくれていたからね?うっかり、私が挑戦者を怪我させてしまっても大丈夫!全てにおいて問題なし!魔力は潤沢にあるってわけ。

そのおかげでさ、度重なる挑戦会を開いたおかげで、平民でも磨けば光る人材を多く見つけることができたってわけ!人材を直接スカウトできたのは大きいよ、戦士として光る才能を秘めた人を早め早めに見つけて教育してきたからこそ、戦士の数を揃えれるってもんだよ…まぁ、中にはこの街に来て挫折してしまった人も数多くいるけれども、何とか必死に耐えてもらっている。


人類の未来を勝ち取る為っていう大義名分、正義の心、教会の教えってやつは…

凄いよね、肉体として闘う素質はあるんだけど、生き物を殴ったりするのが心底苦手な争いごとに向いていない心の弱い人も戦場に立たせることが出来る。


あ~、心の弱いで思い出した~、そうそう、当然、面倒ごとはあったよ?

どう見ても、ちょいちょいと情けない男からの刺客が混ざっていたのがうっとおしかった!

そういうやつは、ちょっと痛い目を見てもらったから、私としては鬱憤を晴らせれて良かったけどね!

…後に洗脳するように説得して情けない男から此方側へと鞍替えしてもらったけどね、にしし。


「あついですぅー…そろそろ出ます?」

声をかけてきたメイドちゃんの顔を見ると頬も真っ赤に染まっている、のぼせないうちに出たらいいのに、湯船から出るくらいの距離くらいなら、離れても問題ないよね?

まったく、仕方がないなぁ、つってね、かく言う私も実はちょっとのぼせ気味だったりする。ついつい、考えこんじゃった。

「うん、でよっかって、言いたいけど、長く浸かりすぎちゃったかも?ちょっと横になってから、浴場をでよっか」

浴場には、半身浴や、長湯で火照った体をゆっくりと熱を逃がし体を整えることを目的とした、横になれる椅子も用意している、なので、そこを指をさすと、そうしましょうっと嬉しそうな返事をして、湯船からゆっくりと横になる場所に連れて行ってくれる。


これも良い機会だし、横になってこもった熱を冷ましながら、耳を澄ませて、周囲の話し声に意識を向けるとしましょう。

こういった和気藹々とした場所でこそ、色んな本音が聞こえてきたりするってもんだよね~、不平不満は早めに解消!こじらせるとめんどーなんだよね!



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