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最前線  作者: TF
342/700

Dead End ユ キ・サクラ (55)

新月の夜がやってきたよ!!

さて、まず!時間までに何をするのか!決まってんじゃん!!服装のチェックでしょ!


前回!無反応だった部分が何処なのか考察&推察し!反省するとこを見つけ!次に活かす!彼が好きそうな服装を考えて試してみる!今やるべきってこれっきゃないよね!


ってなわけで!反省し尚且つ、もしやこの辺りがドストライクじゃないのか?っという攻めたテーマで行くよ!

今回のテーマは乙女!前回は~ちょっと大人な感じ?を意識し過ぎたのかもしれない!カッコいい靴、大人な魅力を感じてしまう。

ロングブーツにしたのが失敗じゃないかって思っちゃったんだよね!


だってさ、勇気くんって絶対に初代聖女様に惚れてたでしょ?ってくらいさ、聖女様と同じような運命を背負っている私に、完全完璧に感情移入しちゃってんだもん!!

なら、憧れの聖女様、恋焦がれたであろう!聖女様のイメージを利用する!まず!私がイメージしている初代聖女様の雰囲気を頑張って再現出来てるかどうかはわからないけれど!用意してみたんだよね!!


第一に!聖女様のイメージと言えば!清楚な感じ!

清楚第一に徹底的にイメージして!スカートはロングスカート!これは外せないよね!

っで、当時はフリルとかさ、そういう贅沢な趣向を凝らした服飾は無かったと思われるので、フリルは無し!シンプルイズベストという言葉を元に!白のロングスカート!

っで、次がちょっとイメージが膨らまなくて聖女様なのかどうかはともかく清楚な感じでオーダーしました!

トップスの部分だけどさ下に合わせることを意識して作ったんだけど…

腰まであるロングスカートっとなると、胸が強調されるような感じなりそうだなぁって思ったけれどさ…悲しいかな、その点は問題なさそう、少し大きめに胸が強調されない程度に服を作ってもらったらスカスカな空間が出来てしまった…

まぁ、それは良ししよう!んで、色合いなんだけど、外が暗いからって上下真っ白な如何なものかと思って!色は白を避けました!

色は、空色をイメージしてえっと、日本では水色っていうのかな?淡い白に近い青色をベースとした色合いにしてもらいました!

んでね~、流石に、そのままだと味気がないなぁってことで、正面に縦軸の真っ白なフリルをあしらったようなデザインにして!

長袖はちょっと違うなってことで、半袖のブラウス!って感じに仕上げてもらいました!


…ぅぅ、フリルスキーからすると、フリル無しっていうのは耐えられない…


ので!のでのでのぉでっ!!ごり押しました!相手が苦笑の笑みを浮かべていたのは見て見ぬふりをしました!!

服飾の人にはオーダー頼んだときに大人の雰囲気が残るようなフリルでって、無理難題を押し付けてしまったんだけど…

大人の雰囲気、減ってない?なんか、子供っぽく…ぁ、でも、綺麗目なデザインで好き~…でも、清楚かと言われると?…苦笑の笑みはこういうこと、なのか…


後悔は!一ミリも!していない!最高の、カン!ペキのペキ!!!イメージしてたのと、なんか、なんかこう、初代聖女様のような清楚なお姉さま的な…お姉さま感が無くて、背伸びしている子供みたいにみ…

すぅ、ふぅ、っと深呼吸をして率直な意見を無視するの!!


前回からの反省点としての!足元!

ちゃんと、上のコーデを邪魔しない様に大人締めなデザインとして、黒目のパンプス!ふっふ~ん、ぉ、おしゃれじゃ~ん?

腕とか、ネックレスとか、足元と、とかに、っさ?アクセサリーもつけようかと思ったりはしたんだけれど、それは流石に、重そうかな?って理由で無しの方向で!!


鏡に映る自分は何時だって可愛い!


お化粧は、前回と同じでくどくない様に薄めに仕上げたよ!

っで、後は今後の事を相談したいんだけどさ…

本音を言えば、地下の研究所で落ち合いたいんだけれどさ、よくよく考えるとあの場所って…特に秘密にするつもりも無かったから意外と人の目が通る場所に造ってあるんだよね。

夜とは言え誰かが通る可能性は非常にあるんだよね、広場みたいに人気が無いわけじゃないからさ、こんな夜更けに私と勇気くんがあの鍵のかかった場所に入っていくのを誰かに目撃されるっていう現時点で…噂になっているのが確定的になっちゃうことになるから、あの広場が一番適していると思うんだよなぁ…本音を言えば、研究の助けにもなるし、相談にも乗ってくれるからさ


気密性を保つ為であれば、広場の方が適してるんだよなぁ…あそこって、昼間は人がいることがあるけれど、夜は誰も来ないもんね。

明かりも暗めだから薄気味悪い感じもするんだよなぁ。


ってなわけで、夜までに必要な準備は万端にしてあるから今すぐに出ても問題なし!ちょっと外に出るの早いけれど、その対策も問題なし!

魔力をちょっと消費しちゃうけれど、消音の術式を足にかけて、気配を薄くする術式を全身にかけて、も一つおまけに、此方を視認しても、私ではなく、誰かが居たような気がする?でも、この街でよく見る人だから問題ないかって、程度に視界から得られる情報認識を軽く阻害する術式を展開!


はっはっは!噂も七十五日!!これ以上ユキさんのストレスに繋がるような迂闊な行動は控えないとね!


ストレスに繋がる迂闊なムーブをがんがんやらかしちゃってるって言う部分に関しては目を瞑る!

だってさ~お母さんの情報網を甘く見過ぎてたかもしれないんだよなぁ~…

この服を発注してさ~、届けてもらったときに、目ざといあの人が見逃すわけも無くってさー、どんな服を買ったの?って肩を掴まれてがっつりと!もうほんっとに、がっつりと着こなし方をレクチャーしてきたんだよね!!

普段、着ない様な清楚な感じにちょっと大人な雰囲気をだしちゃって~って褒めてもらったのはいいんだけどさー、お陰様で?お母さんの勘違いは加速して、加速して、何処まで加速したのか…今となっては皆目見当もつかないけどね!!


下手すると、私とユキさんが結婚するってくらいまで飛躍してそう…おっかしぃなぁ?私って英雄譚に出てくるような人が好みだって、言ったような気がするんだけどなぁ?男の人が好きだよ?見た目は…そりゃ、美しいに越したことは…こしたこと、は…ぁ、私って想像以上に面食いかも?…


脳裏に過ったベテランさんや、お父様等の、男性が此方を下卑た感じの視線で此方に迫ってこられたらって考えると背筋が凍り付きそうな感じがしたもんなぁ…


それはさておいて、お母さんの直感は正しんだよなぁ…私の想い人が、半分正解で!半分間違いだからね!

私の想い人がユキさんじゃないかって勘違いしていても、そういうのに関係なく、幸いにしてユキさんの心のケアもしっかりと引き続きしてくれているみたいで、ユキさんの心の曇りとか、悩みとかもちょくちょく報告してもらってる!それに対しての解決策もお互いに相談しあってるから、ユキさんを取り巻く環境は改善されてきてるよ!

部屋を変えて個人部屋にしようか?って提案したら、一人部屋は寂しいし、同室の人も話すと優しくていい人だからこのままで良いって文句はなかった。

男性と同室でストレスを抱えないか不安だったけれど、平民の出だからこそ、かな?助け合って生きてきているから独りよりも大勢の方がいいのかも?

親身になって相談を受けているユキさんに、ジラさんの事はどう思うって確認してみたことがあるんだけど、ユキさんとしても、親身になって相談してくれて、周りからも頼られている人が目にかけてくれているのは安心感があるって言ってたんだよね、ジラさんの事を第二のお母さんって思ってもいいのかな?的なことも相談されたので、話していいモノかと一瞬だけ悩んで、お母さんと君のお父さんの密かな関係性をこそっと教えてあげると納得してた。

どうして、納得してたのか聞いてみると、お父さんがご存命の時に家に勝って来た時に、お父さんがお母さんに問い詰められて困っていたことがあったから、何事かと思って聞き耳をたててた事があったみたい、それで幼いながらに、何かあったんだろうなぁって…そんな、記憶があるから、そういうことだったんだね~って、あっけらかんと飄々と教えてくれる辺り、ユキさんって幼い時から、意外としっかりと周りを見て育って来たんだろうな…なのに、常識が時折ずれているのは…どうしてなのかな?まぁいいか、それが個性ってやつだよね。


…今になって失敗したかもって思うのが、ジラさんとシヨウさんの関係って、本人が言うまで、伝えない方が良かったんじゃないかって思わなくもない!

だって、平民って基本的に一夫多妻制ってわけじゃないから、ユキさんからすると亡くなったお父さんの不貞って感じに…


目を閉じると服の仕立てをお願いしている人が瞼の裏に映る、どうして、要らない波風を立てるような愚かなことを話したのかな?っと、少しお怒りの姿が…

ぶるっと背筋が凍り付きそうな寒気に襲われる…あの人って怒らせると怖いんだよなぁ…


私経由でバレない様にした方が良いのかどうか悩んでしまうが、なるようになるさっと!触らぬ神に祟りなし!よそ様の事情に踏み込むなかれ!踏み抜いた気がするけれど、後の祭りだよね!!


もしも、次があるとすれば、三人の問題なので私は踏み込まないと肝に銘じて置くとしましょう。ね?うん、今反省した!だから、怒られない様に逃げよう!


背中に伝ってくる冷たい汗は、術式を展開しながら進んでいるからなのか、それとも、別の事なのか、深く考えることを辞めて、広場に向かう

ある程度、広場に近づいたら、術式を解除するのだけれど、たった、これだけなのに、少々、眩暈がする。

魔力は、毎日皆から分けてもらっているとはいえ、限界まで注ぎ込んでもらっていないから、魔力の消費は控えないといけないん、だった…ちょっと浮かれてたかも?


ふらふらと、少々、足取りが怪しくなりながらも、ふらつきながらも、何とか広場に到着し、ベンチに座ると…立ち上がる気力が根こそぎ奪われるくらいの虚脱感が全身を包み込む。


ぁ、これ、だめだ…たぶん、実験とかで思考を加速させるために魔力を消費し過ぎたかも…目が霞む、前が良く見えない…おとも、とおい…


酸素を求める池の中を泳ぐ魚のように口をパクパクさせるように震わせていると、誰かが優しく頭を撫でてくれる

誰だろうなんて思わない、この時、この場所、そして、優しく包み込んでくれるこの優しさ、勇気くんが隣に居る。

霞む目で勇気くんを捉えようとするが視界が霞んでよく見えない、耳もノイズどころか、音を一つも拾っていない、ぁぁ、これ、駄目かも?…浮かれて魔力を消費しすぎちゃったかも


勇気くんが私の異常を察して、医療班のいるところ、出来れば、お母さんがいる場所に連れて行って欲しい、けど、勇気くんは自分の存在を外に出す予定は無さそうだけれど

背中に誰かの手が触れ、優しく抱き寄せられると体の中に力の本流が流れ込んでくるような感覚…ぁ、これ、魔力?魔力だ…それも慈悲の慈愛の心が込められた、思考が混ざっていない純然たる魔力…


嗚呼、これほどまでに、研ぎ澄まされ純度が高い魔力は…感じたことが無い…直ぐに、私の体に馴染んでいくのがわかる…


霞む視界が、焦点が合い始める、閉ざされた絶空が如き闇の中から、真空から解き放たれ音の世界に満たされていく…

嗚呼、世界はこれ程までに美しい…溢れる涙を堪えることなく、私に命を与えてくれる人物の背中に腕を回して力を籠める、感謝の心を灯して…


見えない月夜の中、私達の心は一つとなり、お互いの心を重ねる様に見つめ合った…

この瞬間だけは、私たち二人しかいない…そう感じてしまう程に、世界は静寂だった…



真っ黒な瞳に吸い込まれる様に己の想いを伝えようと唇を動かすが、喉が震えることは無かった…




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