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最前線  作者: TF
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Dead End ユ キ・サクラ (48)

あと、考えられるのが、これを使って、人類を破滅に導こうとしているのではないかっという不安がある。

やりようによっては洗脳も出来るだろう、つまり、敵としてはユキの精神を壊して、破滅願望を植え付けてしまえば…明日を生きる心を失い、人類を呪う…

明日を望む心が破裂して、破滅を望むという呪いを撒き散らす…呪物みたいにな。

└魅了の魔眼を暴走させて、洗脳して…ぁぁ、なるほど、

 その説には、心当たりがある…脳裏にフラッシュバックしたあの光景は、

 そういうことかな?

 常々、思うんだけどさ、

 どうして敵はまだるっこしいっていうのもあれだけどさ?

 お前たちは私達よりも遥かに強いのに策を講じる?

 敵はどうして、直接、物量でもいい、質量でもいい、

 攻めてこないのだろうか?

 噂に聞くデッドラインよりも奥に居るという特殊な人型、

 それらと共に攻めてくれば

 

 私達に勝ち目なんて万に一つも無いっていうのに…


 そんな事を思っていても絶対に口に出してはいけない、

 口にすると…現実に起こりそうな気がするから。


具体的に、干渉っていうのが…まさか、とは、思うが…そうだな、変な耳鳴りに心当たりはあるか?

└ある!!思い出せば、昔にもあった!!

 思考がぶれる時とか、不安を感じた後とかに、

 よくわからない耳鳴りが鳴る時がある。

 あれが、敵からの干渉ってこと?

 気が付かないうちに思考を操作されているって事?


心当たりが大いにあるので、あるあるある!っと、大きく首を縦に何度も振り、大袈裟と思えるほどに頷くと、不安が的中したのか、やっぱりかっと小声で呟き、整った顔が崩れ、眉間に皺を寄せたと思ったら、一瞬だけ物凄い苛立ちだろうか?殺気だろうか?背筋が一瞬だけ凍り付く様な感情が伝わってきた…

眉間に皺を寄せながら、一瞬だけ、目を閉じる…直ぐに開かれた目の奥からは何一つ感情が伝わってこない、きっと、彼の中で湧き上がる激情を抑え込んだのだろう。

集中している?何を考えているのか読めない、それ程までに真剣な表情で…って、ちょ、ちか、ちかいよ…顔をこっちに近づけてくる!?ぇ、なに?なんで?ぇ、ぅ、どうしたらいいの?


心臓が今まで感じたことがない程に大きな音を出し、見つめられる真っ黒のような、瞳の奥に青を感じる不思議な瞳に吸い込まれてしまう。

ゆっくりと近づいてくる瞳を真っすぐに見つめていると、そっと、優しく、勇気くんのおでこが、私のおでこに優しく、相手が傷つかない様にそっとそっと、やさしくふれる


触れたと思ったら、思考の奥?脳裏?に、見たことが無い術式が浮かび上がる…

この術式っていうか、この法則性には見覚えがある?…ある!ぇ、此方のルールに乗っ取った術式?始祖様が扱うような、詠唱を必要とする術式では、ない?

初めて見る文字の形なのに…何でかわからないが、知っている様な、既視感を感じる。


不思議な感覚に包まれていると、ゆっくりと、顔が離れていく…もう少し近くで見ていたかったなぁっという心の声に蓋をする、まだ繋がってるかもしれないでしょ!迂闊なことを思い浮かべないの!万が一ってあるじゃん!もう!

「それは、初代聖女様が、俺に授けてくれたルの力だ、何でも破邪の力で俺達が見えない知覚できない、そういった存在から守る術式、なんて説明すればいいのかな?んーむ、負の干渉を防ぐ力、らしい、実例で言うと、これだ」

一瞬だけ、展開されている術式が揺らぐような感じがした

「俺は、これをベースにして、この結界を産み出している」

先ほどの揺らぐような感覚と、教えてもらった術式の形、その二つが繋がっていく、彼の説明を受けると、瞬時に理解する。


これっは、私達が失った技術の一つだと…おかえりって誰かが声を出す。声のした方向は、天空、加護の中から?


「その力を我物として扱えれるのは、ルの力に目覚めた君であれば、容易に可能だろう、俺よりも使いこなせるはずさ」

我が子を見守るような、慈しむような、大人の微笑みを浮かべながら、そっと、優しく、おでこを当てた影響で乱れてしまった私の髪の毛を、指先で綺麗に整えてくれる。

よかった、普段から清潔にしてて!研究に没頭するとお風呂に入るのがめんどくさくなって髪の毛がさらっさらじゃないときってあるから!よかった!最近、お風呂に念入りにはいって、念入りにケアしてよかったぁ!!


昂る感情を表に出さない様に必死になっていても、説明が終わることが無いので、感情を切り替えるのが大変!

「そして、干渉を受けているということはだ、考えられる敵が警戒している人物ってことになる、つまりは、サクラは…敵に目を付けているっと考えるべきだろう。敵が干渉する内容の殆どが、人の心を圧し折るための、負の干渉だ」

その一言で、時折感じる、何かの弾み、突発的な精神の乱れが起きた原因がそれなのかと…腑に落ちる、納得できる、王都で感じた不思議な気配はきっとこれだろう…

思い返せば心当たりがありすぎる!確かに、今まで、うん!!変な、らしくない感情が襲い掛かってくるときってさ!耳鳴りがしてた!!


つまり、私は、既に脅威の一つとして、敵に目を付けられているってことか…

ますます、壁の外に出るべきじゃないってことだね、私を見ているってことは、私の手札が監視されているって事にも繋がる。


今後の対策とかも考えて行かないといけない、具体的にどうやればいいのか、わからないけれど、幸いにも破邪の力を宿していると言われている、既視感のある文字の形を手に入れたから、これを、上手い事、寵愛の加護と組み合わせて広域に展開できないかな?

直ぐに、次の一手を考える癖が発動している最中も説明は続いていく

「敵が脅威と感じている、その前提は、絶対に覆ることはない、何故なら、ユキが干渉されているのは純粋に、ユキという存在を利用するという部分があるから、敵からしたら利用できる駒であるっという前提がある、だが、考えて欲しい儀式に使えるっということは、反面、敵から見ても恐るべき才能を持っている…からだ、この意味が何を意味するのか、わかるかい?」

…単純に偉大なる戦士長の息子だから?受け継がれる才能を恐れてってことだよね?後は、呪物として儀式に用いることが出来る素体ってことは、普通の人よりも頑丈とか、かな


何となく、いけに…触媒として欲しい条件として、自分なら何処を重要視するかっというのを考え、思い浮かんだ答えを伝える

「ああ、そうだ、それだけじゃない、ユキの体に流れる特殊な血が何か、知っているだろう?柳…」

最後の一言で失念していた部分を思い出す、ユキさんってすっごく庶民的で毒気がなくて、素直で純粋で無垢だから王族の血筋とは、真逆の存在だから、忘れてしまう。

…そう、じゃん、ユキさんって王族の血筋でも、あるん、だよね…


「俺が知りえる情報、敵が用いる術式のベース、実はな、多少だけれど、心得がある、そこからとある儀式に対して憶測っというか、いや、違うな、確実だ。とある闇の儀式に必要なのは、膨大なる魔力を受け止めることが出来る器が必要なんだよ。君ならすぐに何が最も適しているのか思い浮かんでいるだろう?歴史上、この地上に置いて最も、膨大な魔力を持った存在と言えば…誰だ?」

…始祖、様?白き黄金の太陽って、どういう存在なのか詳しい記述が無いからよくわかんないんだよね。聖女様も私と同じような存在で在れば魔力枯渇症だと思われるから、魔力を持っているとは思えれない…きっと、初代聖女様は、魔力を得る為に…考えるのはやめとこう。


敬愛する、私達に明日を示してくれた偉大なる人物の名を口に出すわけにはいかないので、始祖様かなっと伝えると

「そうだ。彼の者は我々の常識からかけ離れた存在、だけど、実在した人物、絵空事ではなく」

彼が遺していった者が数多くいるからね~、産まれてきた子供達は数多く失われてしまったけれど、ね…人間の欲望ってやつは本当に愚かだと思っていたけれど、もしかしなくても、その時から敵が暗躍していたのではっという新たな仮説が浮き上がってくる。


「そして、代を重ねれば重ねるほどに血は薄くなる、薄くなるという事は、始祖様が授けてくれた力が薄くなっていくっとうことになる、その凄まじい力を失うわけにはいかない」

死の50年、この大陸が滅びるかもしれない、人類が争いによって絶滅するかもしれないと、言われるほどに、想像を絶する争いが起きた。

その50年さえなければ、私達は始祖様が授けてくれた力によってこの窮地を乗り越えれていたのだと、痛感する日々…


「王族は、力の象徴である始祖様の血を薄くするわけにはいかないと感じ、濃く保つように、血を薄れさせない様に徹底的に管理している。そして、それを守るための筆頭騎士となれば当然、王族を除いて、最も血が濃いっと考えるべきだろう、王族以外で始祖の力を色濃く宿した人物が、最も始祖の力を宿しているであろう王族を守るのを担当することが必然となる。…この、見た目、察することが出来るだろう?」

…ユキさんは…始祖様に瓜二つ、筆頭騎士と言う人類最強の血、そして、始祖様の血脈を守り続けている王族の血がまざっる…それは、つまり…血が濃くなる?覚醒、遺伝として生まれた?つまり、ユキさんは始祖様に最も近しい才能を秘めているってことになる?


「ユキは、その気になれば、始祖が持つ魔力、その10%くらいの出力に耐えれるほどの器だ、儀式に必要な魔力を一点に集めないといけない。魔力源っとなるのが、王都中に住んでいる人達の魂…王都中の生きとし生けるもの全てを魔力に変換しても、個の体であれば弾けない、と思う。弾けずに耐えれるだけの器としては、申し分が無いっと思う、あの儀式に必要なのは一点に集めた膨大な魔力を、その身に受けても爆発しない器が必要だったんだよ」

…そうなると、目の前にある体は魔力集積能力がずば抜けていて、ユキさんが魔力を制御する術を徹底的に磨いて、私が知りえる術式を完璧に理解して、何かしらの方法で膨大な魔力を注ぎ込むことが出来たら…もしかしたら、始祖様が扱う術式を?私以上に始祖様の術式を、私達の概念から逸脱した奇跡のような、魔法を扱えれるって事、ってこと?


脳裏に浮かんだのが、ユキさんの体を大量生産して、何かしらの方法で操って、何かしらの方法で魔力を充填して、兵器として扱うっという非人道的な考え…

こんな考えが直ぐに思いつく辺り、性根は屑なのだろうなぁ、私って…


流石に思いついたことを真っすぐに伝えるわけにはいかないので、ユキさんの体であれば、歩く魔石として機能することが出来る?っと返事を返す。

「ああ、サクラは賢いな、その通りだよ。ユキは魔力に関しては誰よりも秀でている、だが、欠点がある、術式の扱いが下手糞って部分だ、正直に言えば才能はない。扱い方が上手くいかないのは、その技術を知らない世界の魂だからだ、その理を魂が知らない、理解できない、だから、複雑な術式は扱うことが出来ない」

…なる、ほど?知らない技術を完全に、ゼロから、身に着けるってことになる。

人は…生き物は、親からそういった経験を繋いで受け継いで新たに生を得る。


ユキさんには、それが適応されていないってこと、かな?


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