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最前線  作者: TF
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Dead End ユ キ・サクラ (34)

それから、あっという間に、二週間も過ぎた!やることが多すぎて多すぎて!時間が一瞬で溶けて行っちゃう!!


あれからね、お母さんも動きだしてくれたみたいでさ、ユキさんと一緒に過ごす時間を用意してくれたみたい!

時間を見繕ってっというか、お母さんだからこそできる根回しをふんだんに使って、色々と悩み相談をしてくれている。

本気を出したあの人の行動力はずば抜けているから助かる!火が付くのが最近遅いから、ちょっと心配しちゃったけど杞憂だったみたい!


かく言う、私は、仕事を前倒しにしまくったせいもあって、十日近く街を開けていたんだよね~、いやはや、ハードなスケジュールだったなぁ…


でもね、私が街から離れている間に起きた出来事は、特に、気にする程でもない大きな問題が発生しなかったのが幸いだったかな!


そんなわけで、久しぶりに街に帰ってきて様子見でユキさんを見に行ったんだけどさ、久しぶりに会ったユキさんは目が曇るどころか輝かせて辛い訓練を乗り切ろうと前向きに頑張ってた!

此処に関しては、本当にお母さんの存在って大きくて凄いなって感じてしまう。

人を導くことに関しては、あの人が最も優秀だと思うし、その裁量には実感も感じている。


あの人が傍に居なかったら私は…きっと、人類を裏切っていたと思う…


さて、不穏な考えは置いといてっと、作業を続けないとね!

かえってきてからも、一通り、現状確認、報告、先の見通しっという作業も、もうすぐ終える。


後は、ある資料に目を通す、だけ…

その資料は、紙と言う媒体では存在しない…


何処にあるのか?私だって具体的な場所は知らない。

地球にある、サーバーという名のように何処かに存在して、遠方からアクセスするっといった感じに近いけれども、その媒体は何処に存在しているのか、私は知らない…


でも、私と言う存在はそれにアクセスすることを許されている、アクセスしている間は魔力を消費するので事前にお母さんに頼んで魔力を限界一杯迄、体にぶち込んでもらっているからアクセスは出来る…長い時間ね…


深くアクセスしている間は意識が飛んでいる様な状況なので、万が一に備えてプラス邪魔されない様に、自室に鍵をかけておく。

普段、鍵をかけないで外を出歩いたり、室内を裸でウロウロとしていても鍵をかけない、そんな私が鍵をかける。


その意味を知っている人物で在れば、今は絶対に声をかけてはいけないっという意味だと理解してくれるので、緊急事態を除いて用事は後日にまわしてくれる。


ベッドの下に用意してある私の身体を保護するための陣に魔石をセットして起動させる

私はベッドの上で生理学的肢位と言われている姿勢を取り、全身の筋肉が変に力が入らない様に意識して力を抜き、意識を術式に向けて集中させていく…



術式を構築し、目を瞑ると、一瞬で何処かわからない世界に飛ぶ…



例えるならば、大きな空へ、星を飛び出し宇宙に飛び立ったのかのような…そんな世界

煌めく星々を掴み情報を探していく…始祖様は、この星に来る前に数多くの星を渡り、使命を果たし続けている。


どうして始祖様は色んな世界を渡り目的をもって行動しているのか、誰が始祖様に使命を与えたのか…


世界を旅する様に運命を決めた存在がいる。



時魔の一族



そう呼ばれている一族が居るらしい、始祖様が加護の中に放り込んだ数々の情報に残されていた。

背中に大きな円を描く様な何かを背負い、時すら渡ると言われている超常なる存在…


始祖様が持つ膨大な知識、闘うための術、始祖様が身に着けている装備、その全てを用意し、戦士を育て上げ、遍く星々に放り出した神に近しい存在。


始祖様が与えられた使命は、過酷すぎる…私からすれば、そんなの不可能だろうっと思ってしまう。それ程までに過酷な使命…

それを知っているからこそ、始祖様にSOSなんて出せやしないし、彼の思惑を知っているからこそ、これ以上、踏み込むことはできない。


それに私達は与えられたから、困難に立ち向かう為の力を…それなのに私達、この大陸に住む者たちは愚かだった…

愚かなのは私達だから…これ以上、始祖様に頼るのは、どの面下げてっと、なる。


力に溺れて人類同士で争った死の50年…

私がその時代に居れば全力で彼らを説き伏せ、導き、世界が終焉へと向かわせないようにしたっという自信がある。


そうすれば、今みたいに悩む事も無かっただろう…永劫の時の中を苦しむ事も無かっただろう…



お母様を救うことが出来たかもしれない



…ふぅ、いけない、ここに来ると、どうしても、そういった、たられば、ばっかりを考えてしまう。

過ぎ去った古い時代を、変えることは出来ない、だって、私と言う触媒が無いのだから。


なので、私は私が生きるこの世界を救ってみせる

絶対に…


過去に、始祖様が遺した様々な異世界の技術を閲覧していた際に、再現不可能だけれど、気になる技術が残されているのを見つけたことがある。

知識も浅く、私財も整いきっていない当時の私では机上の空論だと、優先順位は低いと切り捨てた技術


今なら、その技術を研究するための土台が出来上がっている…

それを、今こそ必要なのじゃないかと感じ、こうやって資料を漁りに来たってわけ


地球とは違う、この星でも絶対に生まれない特殊な技術…

あの時魔の一族に危険だと判断され目を付けられ、自分たちの先兵である始祖様達に討伐対象として指名手配され粛清するべき対象へと判断された危険な研究…


禁忌の技術に手を伸ばした魔女…その魔女が遺した技術を私が完成させる。


始祖様が討伐で赴き、魔女が研究していたであろう現地で見つけてきた資料、それに書き記されていた内容、そのコピーが、この中にも残されている。

過去の私は、ちらっとっというか、ぱらっと、というか、どんなものなのかな?っていう興味本位だけで読んだ資料で、冷静に考えて現時点では実現不可能だと判断し取り合えず寝かせといた研究内容



人の複製



いや、正確には違う、永遠の刻を生きると言われている時魔の一族、その一族の体を精製すること、魔女が研究していた禁忌の領域


自身の魂をそのボディに移すという神をも恐れぬ研究

どうして、何を目的として、そんな禁忌に挑んだのか、それを成し遂げた後に、どの様な目的があるかなんて知らないし、興味も無い。

けれど、魔女が調べ研究してきた数々の内容は気には、なっていた。


実現は現実的に不可能だとわかっていても、その内容はとても香ばしい、危険というスパイスがふんだんに塗りたくられた研究


これを応用し転用することが出来、再現が出来たとすれば

私達は、初代聖女様の奇跡を…奇跡ではなく誰でも再現できる技術として運用が出来るという事になる


初代聖女様が起こした奇跡、失われし、欠損した四肢ですら再生させ、壊死した内臓を蘇らせたと言われる神の如き御業…

それを…誰しもが再現できる技術として扱うことが出来る、これ程までに心震える研究をどうしてもっと早くにしなかったのか…

…まぁ、それどころじゃなかったもんなぁ、当時の私を取り巻く環境って…


さらっとまとめるとさ

何処の世界にいる魔女か知らないけれど、禁忌を犯した魔女の技術を用いれば、各組織、各臓器を人工的に培養し生み出して、神経だろうが何だろうが繋ぎ合わせれることが出来ればってことだ!

一応、そういうのに近い技術も魔女が遺してくれている培養液の中身が地味にすんごい性質してるから、それを改良すれば組織を繋ぎ合わせるのは出来そうな気がするんだよね。


魔女の主な目的ってさ、組織っと言うよりも人体を精製することって考えればさ、つまりは、意のままに自分が理想とする肉体を精製することが出来るっということに繋がるでしょ?




なら、始祖様の肉体を精製する事だって不可能じゃないってことになる…




私達からすれば始祖様は神に選ばれし、救済の使徒と呼ばれている始祖様になり替わろうなんて大それた考え、粛清されても致し方ない危険思想

私は…禁忌に触れようと思う…このままでは、私の寿命が…残された時計の針が進み切るころには人類が滅んでいるとしか思えれない。


なら、明日を掴む為に敬愛している始祖様が自らの手によって討伐された禁忌の魔女が抱いた思想に手を染めようとも



かまわない…私が討伐対象とえらばれようが剪定されようが明日を掴むことが出来るのなら…かまうものか…



それにね、始祖様の肉体を産み出すことが出来なかったとしても、それまでに得た研究は未来を掴む為に必要だと思う

現時点でも優秀な戦士が左腕が使い物にならなくなって引退した人とかいるからさ、その左腕を再生させることが出来たら戦士を引退させなくても良いってことに繋がる。

人手不足も解消される!良いことづくめ!!


この研究に手を出すのはずっと躊躇っていた…

純粋に怖かったから、敬愛する始祖様に見放されそうな気がして、とっても怖かったから…

だから、手を出すことが出来なかった、幾度となく手を出そうとしても、手を伸ばしきれなかった…

でも、今は違う、これに手を出さないといけないのだと、死んでいった未来の私達が囁くの…


なら、やるしかない…

心の奥底で私達は一致団結する、明日を掴む為に禁断の研究を進めることを、その結果、始祖様に見放され加護を失ったとしても。


少しでも時間を作って研究しよう、異世界にしかない材料が必要だとしても、それに近しい性質を持つ物質を見つけ出して、研究を完成させよう…

こういうことが未来で起こりえるかもしれないと必死に種は蒔き続けた、貿易はその為にある!

何年かかるか見通しなんて出来ない、実現できる保証も無い、だけれど、前へ進む為なら、明日を掴む為なら



私は…研究に全てを捧げる覚悟は出来ている…



なーんて、かっこつけてみたけれどさ!ぶっちゃけるとワクワクがとまんねぇんだ!

この研究もぶっちゃけ余裕があったら絶対に手を出したい!怖いけど!って思っていたからね!踏ん切りがついたって事!


たぶん、今頃ベッドの上に寝ている私は怖くて震えているかもしれないけれど!ね!やるときはやってみせるんだからね!


始祖様がさ、資料を焼き捨てて一読すらしないで燃やしつくさないで、ちゃんと、一読して危険な思想ではある、上司が葬ってこいと告げた禁忌を犯した内容だろうと!

技術って言う点だけを見れば何かに使えるのだろうと思って!こういった場所に保存したのだと私は思ってるからね!

始祖様的にもこの技術には何か意味があるって感じてくれていると思うんだよね!他にも他の星で見つけてきたであろう技術のメモが残されているし!きっとそう!!


思想はとても危険で良くないものかもしれないけれど、技術に罪はないってことだよね?

だから、始祖様は大事に残してくれたんだよね?何処かの世界でこの技術をきっかけに何かを救えるかもしれないから。


それにさ、私はこう思っているんだよね!

時魔の一族の怒りを買う結果になったってのはさ、禁忌として認定したのって純粋に、勝手に自分たちの体を研究して複製してさ、時魔って言う人類の上に立つような存在が唐突に下位の存在である人類が勝手に許可も無く上位の存在に肩を並べようとしたからでしょ?

だから、怒りを買ったんだと私は考えてるんだよね!たぶん!きっと!そうだよね?


別にさ、私は~時魔の一族に興味は…無いわけじゃないけどさ、時魔の一族を穢すような事をしなければ、たぶん、怒んないでしょ?

肉体の複製如きで怒るならさ、過去に思念を飛ばすためにさ、時空に干渉しているってことのほうがよっぽどじゃない?時魔としてのアイデンティティじゃないの?時空への干渉って?そう考えるとこっちの方が粛清対象になると思わない?


なのに、私はいまだに裁かれていない…許されているってことになる、なら、この程度、些細なことなんだよきっと!


うん、自分への言い訳もしたし!始祖様にも言い訳したし!時魔の一族にも言い訳したし!

憂いなく、研究資料を頭に叩き込もうかなっと!!


覚えれる限りの資料を頭に叩き込んで、魂に刻むレベルで覚え込んで!!

術式を解除すると汗だくなっておねしょでもしたのかってくらいの汗が体が湧き出ていた。


上半身を起こそうとしても腕も足も震えている…うん!きっと脱水症状!きっとそう!心臓が変に脈打ってるけど!きっとそう!そうなの!

ベッドから急いで出て、冷蔵庫から水を取り出してごくごくと飲み干してから、自室にあるシャワーを浴び、覚えた内容を忘れないように紙に書き起こす!


気が付くと朝になっていたので、書いた資料を厳重な金庫に放り込んだ後

フラフラになりながらお母さんの部屋に行って寝ているお母さんに、何も言わず、声を掛けることなくベッドに飛び込み寝た。



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