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最前線  作者: TF
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おまけ 感謝を伝える、こころあたたま… ①

ヴァレンタインテーマのおまけシナリオです。

没シナリオを再編し、ミックスして公開となりました!

皆様からの応援もあってPVも1万を超えてあり、感謝の気持ちを込めておまけシナリオも頑張って作成していこうと励んでおります!

内容に関しては、いつも通り、おまけシナリオなので時期などは特に断定せず、お祭り感覚でお楽しみください。

端から端まで軽く流し読む、その後にもう一度、最初に戻って気になった単語、気になった症例があれば読み返す。


一枚、一枚、紙を捲って、私の知らない症例、治し方、薬の配分による経過観察、今ほど便利ではなかった時代の物が無いなりに思考を凝らし創意工夫溢れる手法をみて、諦めてはいけないのだという感想を抱きつつ、そういう角度からのアプローチもあるのかと非常に勉強になる。


先輩が、一度は、絶対に目を通した方がいいわよっと進めてくれた意味が、理由が、わかる!感じ取れる!意図を!

大先輩のカルテは本当に!!為になるし、カルテに添えられている、関連する症例とか、治療するにあたって困惑した部分、難しかった部分、悩まされた部分も一緒に閉じられているので非常に読みやすくて凄く理解しやすい、それだけじゃない、関連した資料などに目を通すことによって、当時の状況が目に浮かぶくらい丁寧に繊細に細かく書かれているのが、大先輩が真摯に医療に向き合い、患者と接してきたのかっというのも伝わってくる。


うんうん、本当にこれはいいものだ、進めてくれた先輩こと、No2に感謝の気持ちをもってお会いした時に挨拶も兼ねて感想と感謝の気持ちを伝えないといけないね

有意義な時間を過ごしていると、ベッドの方から声が聞こえてくる

「ね~」

私のベッドの上で寝ころびながら気怠そうに声を掛けてくる、視線をちらりと向けると、周りに注意する人がいないからって、パンツが丸見えの状態になるくらいスカートが捲り上がってるよ?どんだけ、ベッドの上でごろごろと転がっていたの?姫様…


なーにーっと大先輩がまとめ上げた症例一覧を読みながら返事を返すと


「ヴァレンタインって知ってるー?」「しらなーい」「だよね~」

姫様特有の意味のわからない単語に軽く相槌を打ちながら読み進めていく。


「う~ん、好きな人に気持ちを伝える行事っかぁ~、その好きってどの好き?ぁぁ~、そっちだよねーだよねー、ぅぁ~ぅぅ~」

姫様の独り言に構っているとらちが明かないのでスルーする。



そう、今の状況はまだ、お昼になる前くらいの午前中、私は外勤から帰ってきた翌日、そして、今日はお休み。

姫様も珍しく休みなのかな?症例一覧を熟読しているとノックもしないで勝手に部屋に入ってきて、何も言わず、何も見ずに自分の部屋の様に靴を脱いでベッドにダイブしてごろごろと転がっている。

その暫く後に、ノックの音がして、声を掛けると、メイドちゃんが大きな木箱をもってきて、来客用のテーブルとソファーに自分の場所だと言わんばかりに陣取り、書類整理などの仕事を始めていく、雇用主である姫様がここにいるのだから、傍にいて仕事をするのは理に適っているけれど、普段、書類整理くらいなら一人で執務室にこもって黙々としているイメージだけど?…あれかな?姫様に確認を取らないといけない感じの書類かな?


特にお互い会話があるわけでもなく、各々がしたいことをする。

一人を除いてはまったりと過ごしてるって感じ、よくある、休日の昼下がりの午前版って、感じかな?

昼下がりの午前版って、なんて表現するのかな?昼上がり?…なんだろう?まぁいいや、症例一覧に集中しよう。


「なんだかなーもー、この街にこの手のイベントは適してないよー、むーりー!」

ベッドの方でバタバタと音がするのでちらりと視線を向けると、人のベッドの上で傍若無人に足と手をパタパタと振り回して暴れてるけど、帰る時は寄れによれて捲れつつあるシーツも綺麗になおしていってよ~?


「かかおって、食べたことあるけどー苦いー!!!あれのどこが甘いの?製法が間違ってるのかなー?めちゃくちゃまずかったよ?取り寄せるのも時間かかるしー、団長は、かかおすきー?」

「えー。かかお~?なんだっけそれ?よくわかんないかな~」

ぺらりと次のページを捲りながら返事を返す


「はぁ~、この街の人達ってさー好きとかそういうのってさー、どう伝えているの?」

知らないなー、どうしてるんだろうなー

「気が付くと誰々がくっついててさ~子供ができてたり~戦乙女の方達がこの街を離れる主な理由がさー、結婚だからさー」

そーなのよね~、最近、あの人、みかけないなぁって思って、同じ隊の人に聞いてみたら、子供を授かったから実家に帰りましたよって、驚きの話がいきなり飛んでくるよね~。あるある。

「やっぱりあれなのかなー、生存本能が昂ってしまって滾ってしまうっていうのが理由なのかなー?戦場で恋が芽生えるの?ねぇ?団長もそうだったの?」

私はー死の大地で医療班のテントで活動することが多いけれど、比較的安全だし、護衛の騎士部隊の人が一人は一緒に行動してくれることが多いし、医療班のテントで働く人たちは最低限の戦闘技術は身に着けているからね~、姫様が作ってくれた認識阻害の魔道具で見つかりにくくなってるし、危険かどうかと言われると、そこまで危険じゃないんだよね~

だから、生存本能が昂るっというのはないかな~

「団長はーどうして、ティーチャー君なの?」

突然の切り出しに吹き出しそうになる

「どうして、あれに先手を打たれたの?どうして、好意を伝えなかったの?」

きょ、今日はえらいストレートに聞いてくるなぁ!!


「そ、そういう姫様はどーなのさー、外に営業で出てるときってさ、お偉い貴族様と色々としてるんでしょー?きいてるよー?かなりの数から求愛されているってー」

話題を逸らさないと!根掘り葉掘りきかれる!!ぁぁもう、何処まで読んでいたのか文字の場所を見失ったじゃないのさー!まぁいいや、最初から読むか。


「あぁ、無理無理、好みじゃないっていってるでしょー」

好みじゃないけど、財力的にさ?魅力をかんじ…るわけないか、姫様の方が財を成してるわけだし、木っ端な貴族くらい逆に足手まといになるのかな?

っていうか、姫様の好みってさ?

「英雄譚に出てくる人をまだ、探してるのー?」「当り前じゃん!それ以外やだよ!」

ぇぇー?いないってー、自分よりも重そうな?鉄の塊で出来てそうな盾にも代用可能な鉄塊ロングソードを片手で振り回して?無尽蔵に魔法だっけ?魔術だっけ?を使いこなしながら戦う戦士でしょ?始祖様以外にいるのそれ?…そうだ!見た目!どんな見た目が好みなのかな?

「ぇ?見た目の好み?女将みたいな筋肉」

それは、その、筋肉フェチなの?そうじゃなくて、顔とか?そっちがききたいなー

「ぇ?顔?筋肉以外の要素でこだわりー?うーん、ちょっとまってね、考えさせて」

漸く思考の渦に囚われてくれるので、ゆっくりと読み進めよう。


中央辺りまで読み進めると、先ほどの話題である好みが思い浮かんだのか、急にテンション高めに声を出す。

「うん!素朴で田舎者って感じで、見た目が特徴的で~、普段は~、黒髪で~、つんつんと尖ってる髪型!!でねでね、それだけじゃないの!本気を出すと、金髪に変身する人!!そんな人も捨てがたいけど!興味がなさそうに振舞っておきながらちゃんと付き合ってくれて、金髪で髪の毛がとんがった、細身の様でがっしりとしている人が好み!!」

めっちゃ、具体的な内容がでてきたね、髪の毛が尖ってる人が好きなの?…そんな人いるの?っていうかさ、具体的すぎない?って、ことは!

「それじゃ、その人に好きって伝えてきなよ~具体的に思い浮かぶってのは、会ったことがある人でしょ?」「いや、英雄譚の中の人だから」

ぁーもう!創作上の人か!!!話がすすまねぇ!!!…もー、邪魔しないでって言いたいけれど、私の方はいつでも読み返せるし、真剣に今すぐ取り組んで熟知するって、内容でもないからいいか、真剣に読まないといけないのは確かだよ?でも、緊急性があるってわけじゃないって意味だからね?


あーだから、グダグダと絡んでくるのだろうなぁ。まぁ、それも…いつものことか、休みの日でやることが無い時ってさ、こういう日もちょくちょくあるからね。


うんむぅ~のぅわーと、よくわからない鳴き声を出しながらゴロンゴロンとベッドに転がるのは良いんだけどさ、スカートが皺になるよ?ストレッチするのならスカート脱ぎなよ、両膝抱えながら背中を丸めて左右に揺れると捲れるよ?あーもう、やっぱり、スカートが捲り上がってパンツがもろ見えだよ?…あ、最終的にうつぶせで停止した…まぁ、男の人がこの部屋に来ることってそうそうないから、パンツ丸見えでも放置でいいかな。


静かになったので、ゆっくりと読もうと思ったけれど、ちょっと興が削がれちゃったし、息抜きがてら紅茶で一息でもいれますかっと

椅子から立ちあがあってキッチンに向かう

お湯を沸かす魔道具を起動して、お湯を沸かしている間に、紅茶の茶葉を取り出して、今日はどれにしようかと香りをかぎながら選ぶ。


昔は紅茶の茶葉って種類が多くなかったけれど、最近は種類が豊富になって、自分の好みで混ぜ合わせたりするブレンドっていうのも流行っているって、聞いたことがあるからー、ちょこっとブレンドしてみよっと♪


紅茶を淹れるポッドに茶葉をいれてっと、お湯を入れて、妖精さんの為の一杯も用意してっと、不思議な表現だよね~妖精さんの為の一杯って、誰が言い始めたんだろ?ステキな言い回しだよね~。


鼻歌まじりに紅茶を淹れて、職務に大忙しなメイドちゃんのデスクに置くと「え!?淹れてくれたんですか!?わざわざ、すみません、お気を使わせてしまって」お礼を言われてしまう、業務中のメイドちゃんはお淑やかっというか、大人しいことが多い、きっと集中しているから他の部分に気を回している余裕が無いのだろうな、だって、彼女の前に置かれている大量の書類の山…これ、今日中に終わらせれるものなの?なんか、計算もしてるし…


うん!関われる内容じゃないから関らないようにしよう!!


メイドちゃんに仕事を丸投げしている人の様子を通りすがりに見てみると、枕を抱きしめながら涎を垂らして寝ている…はぁ、人の枕に涎をたらさないでよ、もう、今度洗っておかないとね…っていうかもう、スカート脱いでねなよー皺になるよー?どうせ、パンツ丸出しになるんだしさー、脱いで横になればいいのにね、まったく。

お腹が冷えるのはよくないからタオルかけてあげてっと。


机の前にある椅子に座って紅茶の薫りを楽しみ、一口含むように飲んで、口の中いっぱいに豊潤な紅茶の優雅な薫りに包まれてから、ゆっくりと飲み込み、鼻から息をすって、ゆっくりと鼻から息を出す…うん、いい気分転換になるね~紅茶はいいよね~、心も優雅にしてくれる気がする。





くぅぅ・・・・お腹の音が鳴るので一旦、読むのやめて時計を見ると、お昼時から少しだけずれた時間、今なら食堂も落ち着く頃だし、ん~、どうしよっかな、姫様は、寝ている、メイドちゃんは頭を抱えながら書類と向き合っている…

一人だけ食べに行くのもね~。かといって姫様を起こすのもね?業務に集中しているメイドちゃんの手をとめるのもね?そうなると、ここで食べれる軽食でも作ってもらって、もってくる、それが一番だね。


食堂にいってくるねっとメイドちゃんに一声かけて、食堂に行き、三人分の軽食を作ってもらい、自室に戻る。

自室に戻って、サンドウィッチをメイドちゃんにどれ食べたい?と確認するがぶっちゃけると、挟まっている具は、みんな同じ具なんだけどね…

「え!いいんですかぁ!?」と嬉しそうな声と共に目の前にあるサンドウィッチを一瞬悩むように見た後、具が全て一緒だと気が付いたメイドちゃんが「選ぶ意味」と軽くつっこみながら、笑みを浮かべて嬉しそうに受け取り、サンドウィッチ片手に書類と向き合い始める。


姫様にサンドウィッチ食べる?っと体をゆさゆさと体を揺らし見ると「ぅん…もう少し、後でたべりゅー」完全に寝ぼけている…うーん、まぁいいか、姫様の分は私の机に置いといて、私もサンドウィッチを頬張りながら勉強を再開する。


紙が擦れる音だけが聞こえてくる静寂な部屋で突如、雄たけびを上げるように怪物が目を覚ます

「んぁあ!?寝てた!!」

がばっと、ベッドから上半身を起こして涎を拭きながら起き上がるけれど、寝ててもいいんだよ?疲れているみたいだし。

素っ頓狂な声を出したと思ったら、んぬぅあぁぁ~っと奇声をあげながら腕を上げて体を伸ばしている


「おはよう」

ベッドから這い出てきて髪の毛がぐしゃぐしゃのTHE寝起きって姿で起き上ってくる、寝ぼけながら椅子を近くまで運んできて、私の近くに座ってぼけーっとしている。

目が覚めきれないのだろう、だったら、もう少し、体や脳の疲労が抜けるまで寝ていればいいのに、きっと、起きてやらないといけないことがあるのだろう。

しょうがない、目を覚ましてもらう為に紅茶を淹れてあげよう。


お湯を沸かして、ついでに全員分の紅茶を用意して、っと、淹れたての紅茶をメイドちゃんの空いたカップに注いで、姫様の目の前に紅茶が入ったカップを置いて、私の空になったカップに注いで、ティーポットを洗い場に置いてっと、部屋に戻り、姫様の様子を見ると、目の前に置かれている紅茶をぼーっと見つめ続けている。


これは、意識が夢の中から、戻り切っていない、ほおっておくと、その場で舟をこぎ始めそうなので、櫛を取り出して、乱れた髪の毛を整てあげていると、目が覚めてきたのか、ありがとうと一声かけてくれた後、目の前に置かれた紅茶を一口飲んで


「あー寝すぎちゃったかもー」


時計に視線でも向けたのか、自分が寝すぎてしまったのだと判断していたのか呑気な言葉がでてくる。


近くに置いてあるサンドウィッチも、もさもさと食べていく、髪の毛も綺麗に整ったし、目も覚ましたみたいだし、ほっといても大丈夫かなっと、椅子に座って続きでも読もうかと思ったら急に椅子から立ち上がって声を出す

「ダメ!何も企画が思い浮かばない!!その辺の人に聞き込みに行くよ!!」

立ち上がるのは良いけれど!スカートが皺だらけじゃん!!っていうか、座る時も綺麗に座りなよ!!ぐぅしゃぐしゃじゃないの!ああ、もう、しょうがないなぁ…

クローゼットに釣るしてあるジャージを取り出して姫様に渡すと可愛くないっと文句を言いながらスカートがよれよれになっているのをみて、しょうがないかっと呟いた後、ジャージをはいてもらい長さを調整するために折って丸めて、紐でほどけないように止める。


「うん、まぁいいか、可愛くないけど、聞き込みいくよー!企画のヒントを求めて!」

いってらっしゃいと見送ろうとしたら腕を引っ張られて連れていかれる、どうやら、私も同行するのが姫様の中では決定事項になっていたみたい。

いってくるねとメイドちゃんに手を振ってから、部屋を出る…


その後は、色んな場所に出向いて、手が開いていそうな人に声を掛けていく。


質問の内容、主な出だしが好きな人はいますか?から始まり、相手がいないなぁなど、普段聞けないような日常的な内容などの世間話をしながら、色んな人たちと会話していく。


普段、忙しい姫様と関りが無いこの街に来てから間もない新参の若手達とも会話が出来るの、そういったきっかけが、ちょっと嬉しかったかな。

ほら?私や姫様ってさ、若手の人達からすると声がかけにくいみたいで、話をする機会が殆どないみたいで、私自身も若手の人達と仕事以外の会話したかったから、こういう機会があるのは良いことだと思う、そう考えると、この時点でさ、若手と会話する企画ってことでいいんじゃないの?


平和だし…


夕方になるまで色んな場所をめぐり、会話を楽しんでいく。


色んな人と話をしてわかったんだけどさ、けっこう皆、恋愛してんなぁ!!

いい関係になって、別れて、険悪な関係になったり、やっぱりよりを戻したりとか!とかぁ!結構、人生たのしんでんなぁ!!


はぁ~気が付かなかった、恋バナとか、たまにしか聞かないから気が付かなかっただけで、結構、知らない場所でときめきの日々を送っているんだね。

まぁそれもそうだよねって思うよね、いま、この街って畜産エリア生産エリアとかも全部含めると、何人いるんだろう?500人は超えてるよね?戦士達だけで300名はいたはずだから、そりゃ、そうなるよね…


いいなぁ、私もときめく人に出会いたいなぁ…


そんな愚痴を姫様に溢すと、あれは?っと指を指すとNo3が外勤務から帰ってきたみたいでクタクタになって疲れた雰囲気であるいている。

No3はどうなのかってことだよね?…いや、あれはないわ。と素直な感想を言うと「っふ、だね、あれはないよね」哀れむような視線でNo3を一瞥した後


「うん、恋で悩んでモジモジしてる人ってのは殆どいないってわかったし!後押ししたらしたで、その、ほら…戦乙女ちゃん達が退役するとその、戦力ダウンになるから、今回の企画はちょっと想定していた内容を変更するか~…この街にあまくて~せつな~いチョコレートの様な、ほろにがくて甘い恋はないねー…かかお苦いだけだしね!!」


色んな人と会話して悩みを聞いて、普段聞けないような日常的な会話を楽しんだから、これでもう十分じゃない?


そんな、何事もない日常を送り、そんなこともあったねっと、記憶の片隅に思い出として残っていそうな時だった、外勤務の帰ってきたことを伝えるために医療病棟に顔を出すと連絡版を渡される。

なんだろうと、目を通す様にと言われた、書いてあるページまで紙を捲ると、えっと、何だろう?上に何か文字が書いてるけれど、バインダーで止められてて読めないや、まぁいいか、下の文が読めれば別段問題ないでしょ。


えっと、なになに?


ある場所に設置されている封筒を全員が手に取り、封筒の中にある内容にしたがうようにと、シンプルな内容の通達が書かれている、帰り道によっていけばいいか。

封筒が置かれている場所に出向き、封筒を手に取り自室に戻り、封筒の中に何が入っているのか取り出してみると、紙が二枚入っている。


一枚は白紙の紙で、もう一枚が小さい紙で、何か、書かれている?

【感謝を伝えたい人に想いを綴りましょう】

その下に、

【綴るついでに下記リストに渡したいものがあれば、チェックを入れて封筒と共に投函してください、内容は絶対に見ないように努めますのでご安心ください】

ふむふむ、リストは~あーいいじゃん、こういうのって良いよね!!

下記リストには

①甘い物②辛い物③酸っぱい物っと、三つだけリストが書かれていた。


感謝かー…感謝を伝えたい人なんて山ほどいるよ?誰かひとりだけなのかな?…

一人だけなんだろうなぁ、うーん、うーん?ぅぅん、誰に感謝の気持ちを伝えるのがいいのかな?


大先輩にはめちゃくちゃお世話になりっぱなしだし、相談にもいっぱい乗ってくれているし、凄く大事にしてくれているってのが伝わっているから、感謝の気持ちはいつも胸の中にある、あるけど、普段から、普通にその場でも、ちゃんとお礼を言ったり、贈り物とかしてるからなぁ…改めてお礼を伝えるのも、違うような気がする。


No2も、影ながら私達が気が付かない所で色んな苦労をさせちゃっているっていうのは、何となく知っているし、見守ってくれているのは知ってるから、伝えたい気持ちはあるけれど、地味に色んな場所で話をすることがあるから、その都度、あの時は助かりました~っとか、あの件は凄く参考になりました~っとかお礼を言ってるからなぁ。


姫様?うぅん、同じようにお礼はその都度、直接言ってるから、これといって、話す事ないよね?


あれ?よくよく考えると、誰もいなくない?伝えにくい人って…

直ぐ会える人達ばかりだし、何かしてもらったらその都度しっかりとお礼を言うし、お礼だけじゃだめだなって世話になったり迷惑をかけたときはさ、行商の人に頼んで、高い紅茶とか、コーヒー豆とか、贈る相手に合わせて中身をしっかりと決めてから、取り寄せてもらって、届いたら、直接、会いに行って、感謝の気持ちを伝えながら贈り物をしてるからなぁ…


私個人でしている研究用の為にお金が必要だからさ、お金はちゃんと貯めてるけど、ちょっとした贈り物くらいなら、私が書いた医療関係の本を出版してもらったりしてるから、地味に私ってそれなりに、お金持っちゃってるからね~、贈り物くらいなら大した金額じゃないんだよね、日々のお勤めによって貰えるお給金もけっこうな金額だし、そのお給金だけでも、余裕で結構な金額を貯金できるんだよね~


ほら?私ってさ、他の街に遊びに行くことも無いし、お洋服もそんなに買わないし、私が普段着ないような服は姫様筆頭に色んな人からプレゼントされることが多いしなぁ…

ふと、いつもお金が厳しいって言う人を思い出す、会話の内容的に博打とか、よあそび?夜に遊ぶってことだよね?夜、お酒?かな?お酒は確かに高いけど、私は滅多にお酒のまないからなぁ、よあそびっていうの、しないしなぁ


だから、感謝の気持ちを伝える時に送る程度のものだったら、特に問題なく買えちゃうから、感謝の気持ちを伝えたいときはそういうのを気にしないで、思い立ったらすぐに発注して、感謝の気持ちを伝えちゃってるんだよねぇ…感謝を伝えるって言うのは日常的に行っているからなぁ、特別なことって感じじゃないんだよね~。


ふむ、そうなると滅多に合わない人で、尚且つ!感謝の気持ちを伝えきれていない人?・・・遠い人かぁ


…お母さんには、たまーに手紙でやり取りしてるし、感謝っていうか、うん、そういうのはちゃんとしてから出てきたから、特に何に対して書けばいいのかわかんないなぁ、後は誰だろう?…ぁ、そういえばお爺ちゃんに手紙とか送ったこと…ほとんどないかも?何か用事がない限り手紙なんて…書いてない?


うん、書いてないかも、いい機会だし、送ってみようかな。


お爺ちゃんに小さなころから勉強とか、体の使い方とか、闘い方とか、護衛術とか、私の人生に必要な学ぶべきことをいっぱい、いっぱい、教えてくれたことに対して感謝の気持ちを書いて、それを通して人の心とはどういうものなのか、善とは、悪とは、個とは、全とは、色んな禅問答で心の教育もしてくれたからこそ、私がひねくれることもなく、真っすぐに育ったのだと思う。

ただー、あれだよあれ、私がさ、よく注意される手が速いのって絶対さーお爺ちゃんを見て育ったからだよね?お爺ちゃんが悪いことするとよくお祖母ちゃん連合に肩とかぺしんって叩かれてたからじゃない?

きっとそうじゃない?…なんて、責任転換をしてみたりってね、わかってるよー、短絡的にイラっとしたり、テンション上がったり、心の感情が高ぶると手が先にっていうか、体が先に動いちゃうのよねー、治せれないだろうなぁ、この悪癖は…


そんなことを考えながらお爺ちゃん宛てに手紙を書いてっと、うん、最後にお爺ちゃん大好きって書いてっと!後は何を送ろうかな?お爺ちゃんって酸っぱい物は得意じゃないし、辛い物も好きって聞いたことがないから、無難に甘いものでいいかな、それにチェックをいれて、封筒に入れてっと、準備も完璧!!いいじゃんいいじゃん!こういう機会でもないとお爺ちゃんにこんな風に手紙なんて書かないものね!良い企画じゃん!姫様最高!

っさぁって、っと!準備も万端だし、食堂に行くついでに、封筒が置かれていた場所の隣に投函する場所が用意されているから、投函しにいこっと!


封筒が置かれている場所に向かうと、色んな部署の女性たちが誰に書いたのー、秘密だよ~っとか、色めきあった感じで盛り上がっていた。

皆に軽く会釈をしながら通り過ぎて、投函すると周りからキャーっと黄色い声が湧き上がるけど…なんでだろう?


なんで、周りからすっごい視線を感じるのかな?ぇ?ぇぇ?これってそんなに騒ぐような内容だっけ?感謝を伝える、だけ、じゃないの?


会釈しながら食堂に向かい、食堂でご飯を食べている間もなんでだろう?今日は視線を感じる、どうして、みんなチラチラとこっちを見てるの?…んぅ?思い当たる節が何もないんだけどなぁ?私、何かしたっけ?迷惑かけたっけ?ぅ~ん、わかんないな…覚えが無いよ?


不思議に思いながらも、偶にはそんな日もあるかっと、特に気にせず、平常心で食事を済ませて、自室に向かって行く。





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