4話
佐藤晴翔
「さっきスーパーに買い出しに行った時、陸と会ったよ。とりあえずは元気そうだったけど、やっぱり何も話してくれなかった」
「そっか〜、それで陸のことは誘わなかったのか?」
「まあね。最初に顔を見た時は誘おうと思ったけど」
僕は今、蓮の家に遊びにきている。
いや、遊びに来ているというよりも陸について話に来ている、の方が正しいかもしれない。
「昨日さ陸が追加で注文しに行った時に、後ろにおな時クラスのやつがいたような気がすんだよな〜」
「え?誰?」
昨日あの場にそんな子がいたか疑問に思いつつ、蓮に名前を聞いてみる。
「ん〜、なんて名前だったっけな。確か〜さ、斉藤、
そうだ!斉藤愛莉さいとう あいり!!
陸の様子が変だったのってレジから帰ってきてからだよな。それならあいつなんか知ってるんじゃね?」
なるほど。蓮の記憶が確かなら斉藤さんに会ってみるのもありかもしれない。
「斉藤さんって確かバスケ部だったよね。今日体育館で練習しているはずだからちょっとこれから行ってみない?」
「そうだな!このまま何もしないっってのも嫌だしな。いくか!」
いくと決めたら早くしたほうがいい。今はもう午後4時になりそうだ。
バスケ部の練習は5時までだからまだ間に合うはずだ。
「急ごう」
そうして僕たちはすぐに家を出でて駅のホームへ向かった。
斉藤愛莉
「ありがとうございました!」
私たちは部活の練習が終わり玄関の前のホールで休憩していた。
「今日はなかなかハードだったね〜。足の裏攣りそう」
ニヤニヤしながらそう話す彼女の名前は伊藤美来いとう みく。バスケ部で唯一の同学年だ。
「今日監督の機嫌めっちゃ悪くなかった?
八つ当たりやめてほしいわ〜」
「それな!ガチきもい」
そんな感じで談笑していると玄関のドアが大きな音を立てて勢いよくあいた。
「おい、1年3組の斉藤さんいる?」
そう言って堂々t校舎内に入ってきたのは同じクラスの高田蓮だ。よく見れば後ろに佐藤晴翔くんもいる。
何しにきたのだろう、なんて考えていると2人と目があった。
「あ、いた。ちょっと聞きたいことあるんだけどこの後暇?」
聞きたいこと?あ〜、あれか。まあ何となく見当はついた。
多分昨日八代くんに何かした的なやつだろう。
「いーよ。ごめんみく、今日は1人で帰ってもらっていい?」
「わかったよ〜。気をつけてね。ばいば〜い」
そう言ってミクが帰ったところで本題に入る。
「それで?どうしたの?」
「まあここじゃあれだから近くのファミレスでも行こうか」
そう言って私たちは場所を移動した。
佐藤晴翔
「早速本題なんだけどさ、昨日の夜マ⚪︎クにいたよね?
その時に陸、同じクラスの八代陸にあったと思うんだけど、あいつに何かした?」
「なにって言われてもな〜、私は普通に話しかけただけだよ?同じクラスなんだけど私のことわかる?って。しかも同じ中学なのにさ〜、私のことわからないって言うんだよね。ひどくない?」
同じ中学?たしか陸の中学ってすごいど田舎って聞いたけど、だとしたらどうして彼女はこんな遠い高校に?
「どうしてーって顔してるね。私、親が転勤族なのよ。で、引越し先の高校受験して入学したらたまたま八代くんがいたってわけ。別に私何もしてないよ?」
「本当に?こっちの把握してる情報だと陸は斉藤さんと話をしてから、急に帰ったんだよね。多分何かしらはしてると思うんだけど」
そう、何もしていないわけがない。
「あー確か中学の話持ち出したら急に走ってどっか行っちゃったな。八代くんて確か中学でひどいいじめに遭ってたからな〜」
ここまで一言もはなしてなかった蓮がここで急に口を開く。
「じゃあやっぱりお前のせいってわけだ。俺バカだからさ、何で陸がそれで帰ったかわあからねえけど、お前のその一言で陸を傷つけたんだろ。ふざけんな!」
そう言ってテーブルを思いっきり叩く蓮。
「落ち着けバカ!周りのこと考えろ。それにこの感じだと、多分斉藤さんもわざとやったわけじゃないんだ」
「そんなこと言ってもよ、俺のダチ傷つけてんだぞ?許せねえよ俺」
確かに僕も少し腹が立っている。どう言う経緯であれ、斉藤さんは陸のことを傷つけたんだからね。
でも、もう少し彼女の話を聞いたほうがいい気がする。
「陸がいじめられてたって本当?」
「うん。私は八代くんと同じクラスになったことがないから詳しくはわからないけど」
これは多分本当だろう。
ということは、斉藤さんはただ陸の地雷を無意識に踏んでしまったんだ。
「ねえ蓮、陸がいじめられてたって知ってた?」
「あ?知るわけねえだろ」
「そうだよね。僕たちはやっぱり陸に信頼されてないみたいだ」
信頼されてない、これは友達じゃないということと同義ではないか?
そっか。陸は僕たちと陸は友達だと思っていたんだけどな。
「なあ晴翔、今から陸の家行かね?
俺、あいつとちゃんと話してーわ」
陸の家、確かに行ってみるのもありかもしれない。
「あ、じゃあ私も行っていい?八代くんに謝りたい」
「そうだね。それじゃあみんなで行こうか」
「待てよ晴翔!この女も連れていくのかよ。陸がこいつのこと見たら状況悪化するんじゃね?」
ん〜、確かに蓮の言うことにも一理ある。が、彼女が謝りたいと言うのなら一緒に行くべきだろう。
「確かにそうかもしれないけど、それでも一緒に行こう」
「そっか。まあ晴翔がそういうならいいか」
そう言って僕たちは陸の家へと足を向けた。




