表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/6

秘密は

 それからお互い今どうしているのかの話になった。武原先生は塾を辞めてから大学に戻り教育学の研究室に勤務しているとの事だった。


「私、ちょっとだけ『キナばあばのマゴ』さんに言いたい事あってきたの。」


俺のアカウント名を出して武原先生はいたずらっぽく笑った。


「レインボーうさうさ、私が考案したゆみうさちゃんに似てるんだけど。私のSNSのアカウント今は『和三盆タコ』で前は『弓タコ』なの。その時編み図も公開していたわ。フォロワーにいたでしょ。」


びっくりした。今もフォロワーさんでいてくれたことに。そして感動が走った。やはり弓タコさんだったことに。


「弓タコさんも和三盆タコさんも知ってます。レインボーうさうさはゆみうさちゃんが原案です。了解得なくてすみません。」


ガバッと頭を下げた。


「まあ、私にしか分からない事だろうけど。本当は、文句じゃなくて、可愛いくして新しいうさぎにしてくれて有難うって言いたかったの。」


顔をあげると優しい笑みが目に入った。その笑みと言葉に甘えてもう一歩踏み込んだ。


「そう言って下さると助かります。実は弓タコさんに発見して欲しかったんです。」


すると今度は眉をひそめて聞いてきた。


「あのさ、もしかして、長谷川くん、私と弓タコが同一人物だって高校生の頃知ってた?」


「そうじゃないかとは。作品を身につけてらしたので。」


頷くと武原先生は顔を両手で覆って机に伏せ


「うわ〜恥ずかしい。あの時彼氏と別れて愚痴を。何もかも嫌になって仕事も変えて、アカウントも消去して。人生のどん底を可愛い生徒に知られてた!!まさかの再会!!寂しい独り身になんという試練!!」


ジタバタしていてとても可愛らしかった。思わず顔を覆っている彼女の手首をそっと掴むと、びっくりした顔を覗かせてくれたので、


「武原先生は俺の初恋でした。これからも会いたいです。」


そう告げた。俺の秘密の初恋はやっと秘密じゃなくなったのだ。


fin




この先は読書様のご想像にお任せします。最後まで読んで下さり有難うございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ