95、 今年は手作りです
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本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。
本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。
「と1/2」シリーズは不定期です。
1月2日の15時。
実家から直接智の家に向かった。
鍵を出して中に入るとテレビの音。
「ただいまー」
返事が無いから不思議に思ってリビングに行くとソファーで寝てる智がいた。
「…お疲れさま」
荷物を置いて寝室から毛布を持ってきて智にかける。
「よし、今のうちに」
持って帰ってきたタッパーを出してミニお重箱を取り出す。
『こんなサイズあるんだ』
『あら、二人分にちょうどいいじゃない。買っていけば?』
母さんと買い物をしている時に見つけた。
お重箱を洗ってタッパーの中身を詰めていく。
「…美味しくできてるといいな」
詰め終えたら冷蔵庫に入れて次はお雑煮。
作っているとソファーで寝ていた智がモゾっと動いた。
「…んー?れんかぁ?」
「起きた?おはよう」
様子を見にいくとボンヤリしていると思っていたら引き寄せられて抱きしめられた。
「!」
「おかえりぃ」
ポヤポヤした口調の智。
でも嬉しくて小さく笑う。
「ふふ、ただいま」
「んー、なんかいい匂い」
「お雑煮作ってたんだ。もうすぐできるからご飯にしよう?」
「ん。俺も酒とか買ってきたよ」
二人で起き上がって準備をする。
なんだか…。
「なんかいいね、こういうの」
「え?」
「新婚みたい」
思っていたことを智が言って顔が熱くなる。
「あ、でも新婚だけじゃなくて毎年、ずっとこうしてるけど」
「…!!」
さらに顔が熱くなる。
両手で頬を押さえてると智がクスクス笑っているのが聞こえた。
料理を並べて二人でビールを分ける。
「改めて」
「「明けましておめでとうございます」」
二人でお辞儀をして新年の挨拶。
「今年もよろしく」
「うん、よろしくね」
カチンッとグラスを合わせてビールを飲む。
料理をしていて、喉が渇いていたから染み渡る。
「おせち美味そー」
智がウキウキした様子でおせちを食べた。
「…どう?」
「ん!美味い!!」
ホッと安心していると不思議そうな顔をされた。
「どうしたの?」
「実はこのおせち、母さんに習って私が作ったの」
今回はおせちを作って持っていきたいと思って母さんにお願いした。
『あらあら、愛ね〜』
そんなことを言われたのは内緒だ。
「母さんに手伝ってもらいながらだけど」
「マジで!?めちゃくちゃ嬉しい!!」
智が身を乗り出してきた。
「私も美味しいって思ってもらえて嬉しい」
「蓮華のご飯はいつも美味しいよ!!」
パクパク食べてく智。
嬉しくて私もお酒が進む。
「あ、俺日本酒買ってきたんだ」
「ビール飲み終わるし、それにする?」
「俺が準備するよ」
智がキッチンで準備をしてくれる。
私もおせちとお雑煮を食べる。
うん、いい感じにできた。
「はい、蓮華」
お猪口を受け取ると智が注いでくれた。
「あ、智も」
「ありがとう」
智にお酒を注いで、また軽く乾杯。
一口飲むと温かく、ふんわりとした甘さがある日本酒だ。
「あったかい」
「これ、熱燗がいいって言うから」
「へー」
飲みやすいから気をつけないと、とこの時は思っていたんだ。
ウトウトし始めた蓮華をお姫様抱っこしてソファーに寝かした。
俺にかけてくれた毛布を蓮華にかける。
「熱燗はまだ早かったかな」
一年前も日本酒を飲んで寝てしまった蓮華。
それでもこの一年で俺と日本酒をちょっとずつ飲むようになったから大丈夫かと思ったけど寝てしまった。
「熱燗だと酔い回るもんなー」
一人でソファーにもたれかかりながら蓮華を眺める。
「…可愛いなぁ」
付き合い始めてから蓮華の可愛さは倍増どころじゃない。
どんどん綺麗になるし、可愛くなる。
離れてる時、蓮華を狙う男に何かされないか不安になる。
『大好きだよ』
電話で言われた時、嬉しすぎて泣きそうになったのととすぐに抱きしめたくなった。
「おせちも俺の為に作ってくれたんだよね」
俺がおせちを食べ始めた時、ちょっと不安そうだったのは反応が不安だったのだろう。
蓮華のご飯が美味しくないわけないのに。
「あー…もう、可愛すぎる」
『お前ぐらいだよ。中倉があんなに柔らかくなるのは』
前に連司に言われたことを思い出す。
『ちゃんと守ってあげなさい』
三倉さんの言葉が頭をよぎる。
「絶対に守るから」
蓮華の頬を撫でるとスリッと擦り寄って微笑んでくれた。
キミが起きたら作ってくれたおせちで飲もうか。
智くんの為におせちを手作りする蓮華さん。
可愛いですね←
そして去年と同じように日本酒で寝てしまった蓮華さん。
可愛いですね←←
ちゃんとずっと一緒にいると宣言する智くん。
いい男ですね←←←
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