表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/95

91、 下手には動けない

読んでいただきありがとうございます!

本作の芸能界は作者の妄想で構成されております。


本編の更新は毎週日曜のAM8:00ごろです。

「と1/2」シリーズは不定期です。

事務所で明日の会議資料を確認していると鷹城(たかしろ)に呼ばれた。

「三倉さん、お疲れ様です」

「お疲れ様。あら、智の現場に付いてたんじゃないの?」

「大嶋さん、巻きで早めに終わったんです。それで、急で申し訳ないんですがお時間いただきたくて」

「…」

一瞬、退職希望?と思ったが、鷹城はいつも楽しそうに智の事を報告してくれるからその線は薄い。

それ以外だと智のことだろう。

「わかった。部屋取ってる?」

「はい。今大丈夫ですか?」

「大丈夫。行きましょう」

ノートPCを持ってミーティングルームに向かう。

中に入ると智がいた。

「智、いたのね」

「お疲れ様です。すみません、急に」

「お疲れ様。大丈夫よ、今日はこの後、会議の予定なかったから。それでどうしたの?」

椅子に座って聞くと智の顔色が変わった。

「あの…前に報告した彼女のことなんです」

「ああ、あの」

高校時代、別れたけど忘れられなくて最近また付き合いだした彼女さん。

何かあったら報告するように言っていた。

「どうしたの?…まさか妊娠?」

「へ!?」

私が言うと鷹城が変な声を出したから口を塞ぐ。

「鷹城は静かに」

「それはありません!!ちゃんとしてます!!」

智まで叫んでため息。

「声が大きい。私も悪かったわ」

「いえ…すみません」

「で、どうしたの?」

「実は…」

智の話を聞いてまさか、と思った。

タレント達が直撃されることはよくある話だ。

相手、しかも確定していない一般の女性に直撃するなんてよっぽどだ。

「それは…相手の方にご迷惑かけて申し訳ないわ」

「はい…。本人も驚いてました」

「近くに交番があってよかったですね」

鷹城も顔が青い。こう言うのは自分の担当で初めてだったからだろう。

「とにかく、相手の方には普段からも一人にならないようにしてもらうしかないわね」

「はい。会社の行き帰りも同期の親友さんと行動するようにするって言ってましたし、

うちに来る時もタクシーで地下駐車場から入るように話しました」

「そこでしばらく会わないって選択肢は無いのね」

「…しばらく会わないのはもうしたくないです」

前回の記事で半年ぐらい会わない期間があったらしい。

確かにその時はどこかカラ元気だった。

「まぁ、確かに気力がどこか行くぐらいなら会ってもらった方がいいわね」

「すみません」

「ちゃんと守ってあげなさい」

そう言うと智は力強く頷いた。


対策を話し合って自分のデスクに戻る。

智の記事が載った例の週刊誌を広げる。

「…あそこの記者、諦めてなかったのね」

確か執着がすごいと噂の週刊誌だ。

どの事務所もこの週刊誌は特に嫌っている。

ため息をついてコーヒーを飲んでいると肩を叩かれた。

「?」

「疲れてんな」

部長に苦笑される。

「あ、お疲れ様です」

「明日の会議資料間に合うか確認したくてな」

「わかりました」

さっきまで見てた資料を部長に渡す。

「で、どうした?滅多に感情を表に出さない三倉が疲れたって丸わかりだぞ」

「え?」

そんなつもりはなかった。けど、これは相談するチャンスかも。

「部長、今お時間いいですか?」

「ああ」

ミーティングルームを確保して移動。

「で、どうした?」

「この記事、覚えてますか?」

持っていた週刊誌の智の記事を見せる。

「ああ、Runeで初めてだったからな。覚えてるさ」

「この記事の記者がまだ大嶋の周りにいるらしくて」

「何?」

部長の眉間に皺がよる。

「しかも、智の知人の方にまで声かけたみたいで…」

「…それは見逃せないな」

基本的にこういう記事は大事にしたくない。

ありがたいことに智の相手も変に匂わせとかせずに静かにしていたいタイプらしい。

だから普段なら何もしないけど、今回は違う。

「声をかけられた方は怖くなって近くの交番に駆けつけたそうです」

「こちらから抗議するにも証拠がないし、下手に動いたら記事の肯定と捉えらるな」

「はい…。その方にも警戒していただくように大嶋から伝えてもらってます」

「そうか」

部長はため息をついた。

「こちらから何か動くことは一旦はしませんが、酷くなるようなら抗議の相談をさせてください」

「わかった。俺で一旦止めておくけど、害があればすぐに報告してくれ」

「はい」

部長と解散後、気分転換にフリースペースの椅子で休憩。

「はー」

天井を見上げてため息をつく。

自分の担当がいつかこう言うことになるのは覚悟していたが、実際になると結構心労だ。

今まであの子たちがいかにいい子だったかわかるし、いい子だからどうにかしてあげたい。

「これじゃあ母親みたいね」

自分の考えに苦笑しながら仕事に戻るために立ち上がった。


どうにかしてあげれればいいのだけれども。

久しぶりの三倉さん視点でした。

三倉さん、なんだかんだ言って智くんと蓮華さんを守ってあげたいと思っているのでした。

ツンデレ的な?


====

いいなど思った方は、ぜひブックマーク、評価をよろしくお願いします!

していただいたら作者のモチベーションもめちゃ上がって喜び狂い、発狂します( ´ ▽ ` )

感想もお待ちしております(^ ^)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ